2日、羽田空港で日航機と海上保安庁の航空機が衝突し、炎上した事故。海保機の乗員5人が死亡し、日航機の乗客乗員379人は無事でした。
命の危険を感じる大事故に遭遇したら、どう行動できるのか?炎が迫り、煙が充満する旅客機からの奇跡の脱出劇をひとホリします。
2日の羽田空港。新千歳空港発の日航機が着陸した直後、航空機からあがる大きな炎。この時、機内では…
乗務員「姿勢を低くしてください」
乗客「開けてください」
機内に響く幼い悲鳴。窓からはオレンジの炎が見え、機内に煙が充満します。
乗客「開けてください…神様…」
タオルで口元を覆い姿勢を低くする人や、子どもを抱える人の様子も…
乗客男性「通常の着陸とは違う、何かとぶつかったような強い衝撃、すごく不安で脱出できない可能性もあると思ったので、死を意識した」
日本航空によりますと、8か所ある非常口のうち5か所は火元が近く、使用を断念。
前方2か所と後方1か所の、あわせて3か所だけが使われました。
乗客女性「煙の臭いが漂っているなかで、ドアが開かなかったので、みんなパニックだったと思います。とりあえず子どもだけは何とか助けたいなって」
アナウンスシステムが故障したため、客室乗務員がメガホンを使って避難を呼びかけ、最後は、機長がすべての座席を見て、避難を確認したということです。
ほとんどの乗客が、荷物を機内に残したまま脱出。衝突から「18分間」で、乗客・乗員379人全員が避難しました。
日本航空に勤務していた経歴がある桜美林大学の戸崎肇教授は、客室乗務員の落ち着いた対応が被害を最小限に留めたと評価します。
桜美林大学(航空政策論) 戸崎肇教授「メガホンを使って動揺している方々に対して、できるだけ丁寧に現状を伝えた。これによってパニックの引き金になりそうな所を抑えたということは、非常に効果を発揮した対策だったと思います。情報を与える側が自分の不安を見せない、これは大事なところです。そうした面において、訓練の成果は精神面にも出ていたものだと思います」
乗客側の行動もポイントにあげます。
桜美林大学(航空政策論) 戸崎肇教授「かなり緊張した場面でも、自らを律して客室乗務員の指示に従って整然と行動できたということは大きいですね。ですから今回の奇跡というのは、客室乗務員と乗客の方々が作り出したものというふうに思います」
新千歳から出発した航空機の事故。帰省やUターン客も多く、他人事ではありません。
桜美林大学(航空政策論) 戸崎肇教授「今回の事故のようにどうしても不可抗力的に事故が起きてしまうということはあります。やっぱり非常時に何をしたらいいのかということに関して、知らない状況と少しでも頭に残っている状況というのは全く違います。(避難時は)ハイヒールを履かない、荷物は絶対に持たない。緊急時の対応は(出発前に)インストラクションビデオに流れますので、まずはそこをきちんと見ておくというのは求められるでしょう」
今回の事故では、火災のため、8か所ある非常口のうち3か所しか使えず、機内に煙が充満し、アナウンスシステムも使えない中で、乗客を誘導しました。
機内から非常脱出した事故は、道内でもありました。
2016年2月、新千歳空港で、離陸直前の日航機のエンジンから出火。
非常脱出する際に、多くの乗客が、乗務員の指示に従わずに、荷物を持って逃げようとしました。
荷物棚の写真を見ると、ほとんど空になったのがわかります。
このため通路がふさがれてしまうなどの混乱が、機内で発生しました。
この事態を重く見た日本航空は、事故後、乗務員訓練に手荷物対応を追加していました。
一方、今回の事故では、日航機と衝突した海上保安庁の航空機の乗員5人が死亡しました。
事故原因の究明と、再発防止の対策が急がれます。2024年01月04日(木) 17時36分 更新
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