MENU

Fun & Interesting

うつ病・適応障害、ご家族の心がけ3つ+1【精神科医が9分でしっかりまとめます】

Video Not Working? Fix It Now

0:05 はじめに 0:50 うつ病・適応障害のご家族の心がけ①強く言いすぎない 2:22 うつ病・適応障害のご家族の心がけ②聞き手になる 4:00 うつ病・適応障害のご家族の心がけ③ご家族のストレスケア 6:17 うつ病・適応障害のご家族の心がけ補足:療養が思わしくない時 8:03 まとめ うつ病・適応障害の診断があり、特に休職になると、ご本人のみならずご家族の生活も大きく変わります。その中でご家族はどのように心がけてご本人のケアを続けるべきか。 うつ病・適応障害、ご家族の心がけ3つ、精神科医が要点を約9分の動画にまとめています。 出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長) こころ診療所吉祥寺駅前 https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所 https://fuchu-kokoro.com チャンネル登録お願いします https://www.youtube.com/c/こころ診療所チャンネル ↓↓内容の詳細は下記になります。 (1)はじめに:家族がうつ病・適応障害になったとき 今回は、「うつ病・適応障害、ご家族の心がけ3つプラス1」ということでやっていきたいと思います。よろしくお願いします。うつ病や適応障害の診断があったとき、特に休職の診断があった時にしばしば休職になってご家族からご相談を受けます。どういうふうにご本人さんと関わったらいいですかというご質問を受けることが少なからずあります。これはご本人さんの性格だったり、関わる人の性格あと、その関係性などで、もちろん少し違いはあるんですけれども、その中で共通する部分は少なからずあると思います。そこについてきょうは話をしていきたいと思います。 (2)うつ病・適応障害のご家族への心がけ①強く言いすぎない まず1つ目ですけれども、強く言い過ぎない。時々患者さんご本人さんから、なかなか家で休まらない、家でいろいろ言われて休まらないという御相談を受けます。 これは非常にまずいということがあって、まず強く言いすぎないということをはじめに挙げています。うつや適応障害で休職されている場合、多くの場合、ただでさえ罪悪感があってなかなか休みづらい、休養をしっかり取るということに一つ難しさがあったりします。その中で何か、「こうやんなきゃいけない」とか強く言われるということがありますと、これはさらにご本人さん、自分を責めてしまって悪化するという悪循環になってしまいます。 だからこれは何とか避けていかなきゃいけない。休職して休養する場合に、家はどういう場所であればいいかといえば、まずご本人さんがしっかり休める場所であるということが何よりも大事になってきます。なので、これに対してマイナスになることはちょっと控えていただきたいということがあります。 もちろん、強く言ってしまう背景といろいろあるとは思うんです。例えば、よかれと思って何とかしたいという一心でつい言ってしまうという方もいらっしゃるでしょうし、ご家族自身が焦って言ってしまうということもあるでしょうし、場合によってはうつ病や適応障害への一種の偏見というのがあることもなくはありません。そういった事情というのはあるんですけれども、それでもなお、これは言わないでいただきたいなというふうに思います。言ってしまいそうだったら、むしろ距離を取って言わないという方がマシなんじゃないかというふうに思います。 (3)うつ病・適応障害のご家族への心がけ②聞き手になる 2つ目は聞き手になるということです。先ほど強く言いすぎないということを言ったんですけれども、じゃあまたどういうことをすればいいんですかという話があります。 ここで大事なのが、話したり何かを伝えるということもありますけれども、一番にはご本人達の話を聞くということをしっかりするということになります。聞ける状態にある。ご本人さんが話したい時に聞ける状態をつくっておくということが一番大事になってきます。 聞き手としての効果としては、まず話を聞くということで無関心を防ぐということができると、2つ目はご本人さんが話せる状態を作るということですから、ご本人さんが話して発散するということができる。さらにはご本人さんが話すことで、気持ちを整理したり、状況を整理したりすることができるということになってきます。 聞く時にやってはいけないことを3つ挙げます。1つ目は話をさえぎる。さえぎると聞いてもらえなかったという感覚が残ります。2つ目は価値観を押し付けてしまう。話したい時にもう無理やり押し付けられるとなってしまうと、これは話せなくなってしまいます。3つ目が先程とかぶりますけれど、強く言ってしまうということ。この3つを何とか避けていきたいと。 逆にどういうふうにやってきたらいいかということとしては3つありまして、一つはご本人さんの話をなるべく引き出していくということがあります。2つ目としては、話を否定しないということがあります。3つ目としてはできる範囲で共感をしていくということがあろうかと思います。 (4)うつ病・適応障害のご家族への心がけ③ご家族自身のメンタルケア 続きまして、3つ目のポイントとしては、ご自身、ご家族ご自身のケアをするということになります。ご家族の役割として家を休める場にして、なるべく強く言わない、かつ聞き手の役割をするということを申し上げてきました。これはなかなかわかっていてもできないとか、生活がかかっているという話をご家族の方から受けることがあります。 確かに、そういうふうに関わりをしていく中で、ご家族にもストレスがかかるということは間違いなくあります。1つ目としては、ご本人さんのケアを続けていく必要がある。すぐ良くならない中でケアを続けていく必要があるということが一つ。2つ目としてはご本人さん仕事から休職になります。生活面の心配があるということが2つ目。それと関連して、今後に対しての不安があるということ。 この3つのストレスがご家族にかかりますから、ストレスは非常にたまりやすいという状況にあります。しかし、ストレスがたまってしまうと弊害があります。1つ目としては、イライラをぶつけやすくなってしまうと、それは良くないと分かっていてもぶつけやすくなってしまうということ。2つ目としては逆にぶつけないようにしたら、ため込んでしまって、ご家族もうつになってしまうという話。そして3つ目は話を聞き手になるのが重要なんだけれども、ストレスがあるからゆっくり話を聞けないというこの3つが弊害として出てきてしまいます。なのでご家族の方もストレスケアをすることがとても大事ということになってきます。 じゃあ、具体的にどうすればいいかということですけど、まずは無理をしすぎないということです。強く言い過ぎない、聞き手になるという土台は大事なのですけれども、あれもしなきゃ、これもしなきゃとなってしまうと、どんどん無理がかかってしまいますので、大事なところは押さえながらも無理はせず、長期戦でじっくりやっていくということがあります。2つ目が知人の方か誰かに相談をするというのも一つ有効かもしれません。ため込んでしまうと、これはやはり落ち込みの原因になってしまいますので、ご家族の方の相談をしたりして、プライバシーは大事ですけど、その中で相談をしたりして溜め込まないようにするということですね。そして、3つ目としてはストレスの発散。ご家族の方もストレスの発散を心がけるということです。こうしたことでストレスをたまりにくい状態をご家族の方としても作っていって、余裕のある状態でご本人さんのケアを続けていただけたらという風に思います。 (5)うつ病・適応障害のご家族への心がけ補足:療養が望ましくないとき 最後補足プラス1ですけれども、ご本人さんの療養が望ましくない時というのを挙げています。基本的には、ご本人さんは自分を責める気持ちもこらえつつも、休養して何とか良くなろうとしているということが前提なんですけど、なかなかうまくいかないこと、結果としてうまくいかないこともあります。 例として挙げていきますと、例えば葛藤があったりして薬をあまり飲まないとか、あと休養をしたりリハビリをするはずだけども不摂生、そういったギャンブル等も含めて不摂生を繰り返してしまうとか。一番あっちゃいけないのが、ご家族の方に強くあたってしまうということ。こういったことが起こってしまうことなくはありません。 こういった場合は、先ほどは聞き手になることが第1とは申し上げたんですけれども、こういったことがあった時はあまり言いなりになるというのは望ましくありません。で、この場合もただ強く言うというよりは、感情はなるべく入れないようにしていても、やっちゃいけないことは修正を促していくということになります。 その中でも、それはお薬の話だったり、生活のことだったり、緊急性は必ずしもないということであれば、これはご本人さんなりに、飲みたくない理由、ちょっと生活リズムが崩れてしまう理由はあるでしょうから、そこを聞きながら、でも薬飲むのは必要ですよとか、生活リズムも必要ですよと、必要なことは伝えていくということになってきます。もう一方、例えばもう暴力や暴言、もうお前が悪いんだみたいな、そういったものに関しては、これはご家族にも危険がありますので、これは淡々と、でもやっちゃいけないことはやっちゃいけないという風にきっぱりと伝える必要があります。そして、ご家族自身がもし危険を感じるとしたら、もうこれはもう限界だということで、もうそこはもう抱えすぎてしまわないで距離を取るということが必要な場面もあるかもしれません。 (6)まとめ 今回は、ご家族の方の心がけということで話をしてまいりました。たとえよかれであっても強く言うということは、ご本人さんが休養するときに非常にマイナスになってしまいますので、なるべく強く言うということは控えていく。ご本人さんが休める環境を心がけてください。そして伝えるというよりは聞くということを大事にして関わっていただけたらという風に思います。ご家族の方もストレスはかなり強くかかりやすいですので、ご家族の方もストレスとなるべくためないようなストレスケアをしっかりとやっていただけますと幸いです。 こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station) 府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695) #うつ病 #適応障害 #休職 #家族の対応  【解説者】 医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎 精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医) 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

Comment