忠臣蔵 （天の巻・地の巻）　　　（天の巻）マキノ正博監督　（地の巻）池田富保監督　　　　　　片岡千恵蔵　嵐寛寿郎　阪東妻三郎　月形龍之介　1938年製作

忠臣蔵 （天の巻・地の巻）1938年製作
監督　マキノ正博（天の巻）
　　　池田富保（地の巻）
出演者　片岡千恵蔵　嵐寛寿郎　阪東妻三郎　月形龍之介

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俳優陣は阪東妻三郎、片岡千恵蔵、嵐寛寿郎、月形龍之介と「空前、絶後」の顔合わせ。
天の巻は多摩川で、地の巻は太秦で、同時進行で撮影されました。
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元禄14年3月、浅野内匠頭は勅使饗応役の儀礼一般の指導を、吉良上野之介から受けることになった。贈答品の少なさから、浅野を好ましく思わなかった吉良は、事あるごとに彼につらく当たった。いよいよ勅使が千代田城到着の日、殿中衆座の前で辱めを受け、遂に堪忍袋の緒が切れた浅野は、松の廊下で吉良に斬りかかる。その罪により浅野は切腹、城地没収の命を受けた。これを知った城代家老・大石内蔵助は、混乱の家中を統率し、復讐血判の盟を結んだ・・・。

Filmarksに投稿された感想・評価
阪妻が大石内蔵助、千恵蔵は浅野内匠頭と立花左近の二役。
内匠頭を演じる千恵蔵は、か細い声で弱々しく、立花左近では流石の貫禄で阪妻と相対し勧進帳のシーンを盛り上げている。
後半は大石の遊興、大石の東下り、南部坂雪の別れの後、すぐに討ち入りとなっていて、他のエピソードはカットされてしまったのか。
完全版が観られないのが残念でならない。
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戦前の作品を戦後に残ったフィルムで再編集したらしく、お陰でさくさく話は進む。短く良い具合にまとまった忠臣蔵で、かなり良い作品かと思われました。元はもっと長かったんでしょうね。それはそれで観てみたかった。
前半は松の廊下が素晴らしく、後半は片岡千恵蔵と阪東妻三郎の2大スターによる立花左近のシーンがハイライトかな。浄瑠璃が流れたり重厚な演出で、時代を感じつつも良い演出で贅沢な作品でした。
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大石内蔵助を始めとする赤穂浪士たちが吉良上野介を討つ時代劇。
1938年公開。タイトルの如く松の廊下辺りの「天の巻」と討ち入りの「地の巻」の2部構成。スタッフは両作で異なっています。
今は鬼籍となった当時の大スター達の豪華競演と正統派というべき王道的な展開となっております。要するに日本人が大晦日辺りに連想する『忠臣蔵』ということです。
見所としては大石内蔵助が立花左近の名を騙り本人と対面するシーンでしょう。欧米映画ならば知恵比べ要素で切り抜けるところですが立花左近は正体を知って自ら退くという通常ならばありえない情の世界！日本人の美的感覚（多分江戸から昭和前期くらいまでの価値観）を活写した名場面といえましょう。
今作品の吉良上野介は陰険強欲な男に描かれていましたが、廊下で殺されかけた挙句自宅では大量の刺客の襲撃に遭ってやっぱり殺害され後年悪役として創作世界に名を残すという日本史上稀にみる被害者だと思います。