今回は宮城の日本酒のタメになる情報を聞きに行きます。
向かったのは川崎町にある新澤醸造店の酒蔵。「伯楽星」や「あたごのまつ」
といった日本酒を造っています。
世界酒蔵ランキングで三年連続で1位になるなど、国内外で数多くの賞を受賞している、世界に誇る酒蔵です
新澤醸造店の杜氏 渡部七海さんにお話しを聞きました。
伊藤瞳アナウンサー
「杜氏ってどんなお仕事をされているんですか?」
渡部七海さん
「お酒造りの責任者みたいな形になるので、イメージとしては工場長みたいな感じです。」
渡部七海さんは、短大の醸造学科で日本酒について学び、入社して9年目。22歳の時に蔵に1人しかいない杜氏に、全国でも最年少で抜擢されました。新澤醸造店の看板商品、今シーズン蔵出しされた伯楽星の新酒をいただきます。
伊藤瞳アナウンサー
「すっきりキレがあります。フルーティーな甘みと香りがふわっと広がる感じなんですが、
その後で苦味と酸味が追いかけてきます」
渡部七海さん
「コンセプトが“究極の食中酒”。後味のキレの良さを大事にしています。お酒に含まれる糖分をすごく少なく設計しているので、飲み疲れせず飲んでいただけると思います」
伊藤瞳アナウンサー
「お料理に合う感じがすごくしました」
もう一つ、日本酒の楽しみ方を教えてもらいました。2009年から造られている「残響」。低温で熟成させる事で、ビンテージとしても楽しむ事ができる日本酒です。
渡部七海さん
「こちらはですね、弊社の残響という商品で、新酒の2024とビンテージの2023を飲み比べしていただければと思います」
伊藤瞳アナウンサー
「こちらが2024年の残響です…。口の中でキラキラ輝いている感じ。すごく飲みやすいです。」
渡部七海さん
「透明感をすごく大事にしています。その中でも新酒になるとまだ少しつぼみの状態
だったりするので、2023と飲み比べてもらうとより変化がわかりやすいと思います」
伊藤瞳アナウンサー
「(2023を飲んで…)ちがう。甘みが強くなった気がします。広がる甘みがこちらの方が濃厚です」
渡部七海さん
「これがビンテージの面白さかなと思っていまして。お酒はしぼりたてはつぼみの状態なんですけど、そこから少しずつ香りだったり味わいだったりが開いてきたかなというところですね。」
まろやかなビンテージ。フレッシュな新酒。それぞれの魅力を楽しむことができました。
渡部七海さん
「けっこう日本酒って難しいっておっしゃる方多いと思うんですけど、難しく考えずに、楽しんでいただけたらいいのかなと思います。」
そんな宮城の日本酒、街行く皆さんはどんな風に楽しんでいるのか、お酒が飲める方に聞いてみます。
「好きです!」
「日本酒好きです!親子でたまに飲んでいます」
「いまだとぬる燗で。夏は冷酒でという感じで。」
「銘柄によって後味とか違うので、それを楽しんでいます。」
「自分の親が好きでたまにもらっています。めっちゃ美味しいから、すごい嬉しいですね。」
皆さん、日本酒楽しんでますね! 一方で、キニナルこんな意見も
「大人で憧れるんですけど、まだ味わからないから…」
「まだ味をわかっていない。くやしいですね」
数ある意見の中から「日本酒に興味はあるけど、楽しみ方がわからない」という声を
ピックアップ!専門家にお話しを聞きに行きます!向かったのは、宮城県産業技術総合センター!
宮城県職員の橋本建哉さんは、日本酒研究歴約30年。酒蔵での酒造りの技術指導や、日本酒の魅力を広める活動をしています。
橋本建哉さん
「宮城県では、お酒の美味しさをお酒だけでなく食とのペアリングで知ってもらおうとMIYAGI STYLEという事業をやっております」
宮城県は、県産の日本酒をうま味、酸味、香りなどで評価し、相性のいい食品とのペアリングを推進しているんです!
橋本建哉さん
「ここで話を聞くよりも、試す方が早いので、さっそく試しに行きましょう」
日本酒のペアリングを楽しめるのは、「仙臺居酒屋 おはな」。
宮城の日本酒を常時50種類ほど取り揃えていて、和洋折衷のお食事メニューと一緒に楽しめます。
料理長 八木橋拓也さん
「こちら、仙臺セットという、3種類選べるセットになっています。奥の方からいわい鶏の山椒焼き、真ん中が舞茸の天ぷら、一番端が合鴨の仙台味噌漬け焼きです。飲みたいお酒に合わせて選んでいただけると。」
6種類の料理から3品を選び、好きなお酒と合わせて楽しむ仙台セット。
橋本先生おすすめのペアリングをいただきます。
伊藤瞳アナウンサー
「好きなお酒に、っていう事でこちらZAO。」
橋本建哉さん
「ZAOの特別純米酒。しっかりした味の料理に大変相性がいいです。」
伊藤瞳アナウンサー
「濃厚で香ばしいうま味が広がります。美味しい。キレがあるので、箸が進みたくなる感じがしました。」
橋本建哉さん
「次のひとくちを美味しくしてくれる味わいなんですね。」
伊藤瞳アナウンサー
「鶏のうま味も口の中にまだ残っているんですけど、さっぱり残してくれている感じがします。」
橋本建哉さん
「ふたくち目も最初のひとくち目と同じように美味しくいただけるようなお酒っていうのがこのお酒のチャームポイントですね」
料理長 八木橋拓也さん
「日本酒もお米なので、ご飯に合うイメージで料理を作っていまして、甘じょっぱい味に山椒の香りをきかせてお酒もおいしく、料理もおいしくしてくれるペアリングです」
さらに日本酒と相性抜群だという、意外な組み合わせをもう一品。
チーズオムレツと宮寒梅のペアリングを楽しみます。
伊藤瞳アナウンサー
「卵とチーズの甘みがふわ~っと広がる感じ。やさしい甘みです」
橋本建哉さん
「宮寒梅は華やかなリンゴのような香りが特徴です。」
伊藤瞳アナウンサー
「(チーズオムレツは)甘いんですよ!優しい甘み。こちら(宮寒梅)は果実のような甘み。2つの甘みが絶妙な感じで。宮寒梅を飲むと卵のうま味も広がります」
橋本建哉さん
「チーズとバターの乳脂肪分の香りのよりそいと、うま味とうま味のよりそいが同時に起こります。」
伊藤瞳アナウンサー
「甘みと甘みがマリア―ジュするんですね。感動してしまいました。日本酒は和食のイメージがありましたが、洋食にもしっかり合うというのが新発見でした」