乳癌は不均一（サブタイプが変化する）の2回目、「転移巣のサブタイプが、初発時の乳癌原発巣と異なる（ことがある）」という話です。
現状、
”転移・再発に対する薬物選択＝初発時の原発巣のサブタイプに準ずる”
が基本です。
しかし…
原発巣がER陽性でも、腋窩リンパ節転移はER陰性だったり。
原発巣がHER2陰性でも、再発した先ではHER2陽性のことも！
ERが陽性/陰性、HER2タンパク過剰発現の陽性/陰性は、乳癌の薬物選択に直結する、大変重要な因子です。
通常、「再発しそうもない病期なのに…」「再発しそうもない場所（お腹のリンパ節など）なのに…」と臨床的に疑問がある場合、積極的に生検をして、本当に乳癌の転移なのか？もしそうならサブタイプはどうか？などしっかり病理学的に診断をします。
一方、臨床経過から「まああの乳癌の転移だよね」という解釈が自然な場合は、必ずしも再生検はしません。
また全身に広がってしまった場合も、全ての病変から生検することは不可能です。
でも「どうも薬の効きが悪いなあ」という場合、実はサブタイプが変わっていた＝効果のない薬を使っていた、ということもあり得るのです。
乳癌のサブタイプは絶対的に固定しているものではないこと、多くは再発するに従って悪性度が増すこと、をご理解ください。
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