ロッテ若き天才打者 落合 VS 阪急不動のエース 山田
~200勝達成の陰に刻まれた伝説の対決~
プロ野球界に現れた新星、28歳の落合博満。その前に立ちはだかったのは、プロ13年目、33歳の阪急エース・山田久志でした。
1980年から2年連続で13勝で終わった山田は、1982年、新たな武器としてスライダーを磨き上げ、16勝9敗と復活の兆しを見せていました。そして迎えた4月29日。山田にとってアンダースロー投手として皆川睦雄に次ぐ、歴史的な200勝が懸かった運命の一戦。
この記念すべき試合で、落合は山田から驚異の3本塁打を放ちます。シンカーだけでなく、カーブまでも打ち砕いた姿に、同じく200勝投手の江夏豊は「これこそプロの対決」と称賛の言葉を贈ったのです。
山田は落合に3本塁打を浴びながらも、この試合で見事200勝を達成。投手として大きな節目を迎えた試合は、落合の大活躍も相まって、二人の実力者による、プロ野球史に残る伝説の名勝負となったのです。