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藤井聡太竜王 2021年の快進撃 AIとの比較でわかった「最善手の多さ」と「悪手の少なさ」 (21/12/24 13:45)

メ〜テレニュース 146,993 3 years ago
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2021年、史上最年少で四冠を達成した将棋の藤井聡太竜王、その強さに迫りました。藤井竜王の指し手をAIを使って分析すると、驚きの数字が浮かび上がりました。 「まだ実感が湧かないところはあるが、やはり竜王は最高峰のタイトルですので、とても光栄に思っています」(11月13日 竜王獲得後の会見)  2021年11月、将棋界最高峰のタイトルを手にした19歳の藤井聡太竜王。  将棋界に8つあるタイトルのうち、半分の4つのタイトル戦を制し、史上最年少での四冠になりました。  1月、藤井竜王は、こんなことを話していました。 「去年、初めてタイトル戦の舞台を経験することができたので、今年はよりそういった機会を増やせるように実力をつけて活躍できるような1年にしていきたいなと思っています」(1月16日)  まさに、有言実行の1年でした。  6~7月の棋聖のタイトル戦では、挑戦者の渡辺明名人を、3連勝のストレートで退け、タイトル初防衛。 『大きな壁』だった豊島九段にも2021年は“圧勝”  そのころ始まったのが、同じ愛知県出身の豊島将之 九段との3つのタイトル戦でした。  藤井竜王は、2020年まで豊島九段に公式戦で1勝もできず、大きな壁となっていました。  初めて勝ったのが、2021年1月の朝日杯。 「過去、豊島竜王に公式戦で勝てていなかったですけど、強い相手と対局できるのはすごく楽しいことなので、あまり過去の成績は忘れて、一生懸命指そうと思っていました」(1月17日)  夏から秋にかけて、2人は3つのタイトル戦で毎週のように顔を合わせ、14回も対局を重ねました。  結果は、藤井竜王が驚異的な強さを発揮し、14戦で11勝3敗。  王位を防衛し、豊島九段の持つ叡王と竜王のタイトルも獲得しました。  2021年の藤井竜王の快進撃について、師匠である杉本昌隆八段は… 「おそらく18歳でタイトル挑戦、19歳くらいで初タイトルを取ると思っていたが、想像をはるかに超えるスピードですね。プロとなった14歳で、終盤はトップクラスと遜色なかった。序盤がウィークポイントで、どう改善するか見ていたが、ここ2年くらいで序盤に対する意識も強くなったようで、これがタイトルを挑戦して獲得した理由だと思う」(杉本昌隆 八段) AIの『最善手』との一致率はプロ棋士の中でも「頭一つ抜ける」  AI技術を駆使した様々なプログラムを開発してきた将棋AI開発者の山口祐さん。プロ将棋の分析もおこなっています。 「AIによる指標をみると、藤井竜王は、他のタイトルホルダーとかトップ棋士と呼ばれる先生と比較しても頭一つ抜けた数値になっている」(将棋AI開発者 山口祐さん)  山口さんは、藤井竜王を含むプロ棋士の実際に指した手が、AIが最も良いと示す手とどれだけ一致しているかを分析しました。  その結果、2020年の1年間にプロ棋士が実際に指した手は、平均で56.4%が、AIの示す最善の手と一致することが分かりました。  しかし藤井竜王の場合は、65.1%。プロ棋士の平均を9ポイント近く上回ります。  また、豊島九段と戦った2021年のタイトル戦14局に限ると、68.9%。実に7割近くで、いわばAI並みの手を指していることが分かります。  一方、タイトル戦を戦った豊島九段の一致率も、66.4%。2人の対局がいかにハイレベルな戦いであったかがうかがえます。 「豊島さんがすごく調子が悪かったかというと、全くそんなことはなくて、豊島さんはタイトル戦の最中は、普段以上に非常に高い精度の将棋を指していた」(将棋AI開発者 山口祐さん) 『悪手』の少なさも驚異的  さらに注目すべきデータが、負ける確率を大きく上げてしまう、いわゆる『悪手』を指した割合です。  202年1年間のプロ棋士の平均が1.8%だったのに対し、藤井竜王の今年のタイトル戦14局は0.52%。  1手の悪手が勝敗に直結するプロの対局で、藤井竜王のこの数字は驚異的だといいます。      「藤井竜王は、将棋AIを導入して、序盤・中盤の難しい局面の感覚、大局観をさらに磨かれているのかな」(将棋AI開発者 山口祐さん) 「藤井竜王は、一局一局大事に指している。この1年は、ほかの棋士が手が付けられない状態だったと思う。とにかく勝てばいいということではなくて、自分の納得のいく、満足する手を指して勝ちたいという気持ちがあるように見える」(杉本昌隆 八段)  藤井竜王の活躍は、将棋だけにとどまりませんでした。  対局で世間の注目を集めたのが、藤井竜王の注文した『おやつ』です。 「本当にかわいらしい見た目だったんですけど、あまりそれをじっと見ていると食べるのが惜しくなってしまいそうなので、すぐに美味しくいただきました」(9月13日 叡王戦で3冠達成後の会見)  「ぴよりん」シリーズや「コロコロしばちゃん」は、藤井竜王がタイトル戦で注文して以降、今も人気が続いています。  将棋はちょっと難しいと思うファンさえ虜にする藤井竜王。2022年は、どんな旋風を巻き起こしてくれるでしょうか。 (12月21日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)

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