阿智村を松坂アナウンサーが訪ね、冬に恋しいぬくもり=ほっこり、を探す旅をした。
一大観光地である昼神温泉から旅はスタート。お土産物店近くを歩いていると、なんとも懐かしい昭和な壁画を見つけ、建物の中に入ることに。ここは阿智村出身の写真家・童画家である熊谷元一さんの作品を集めた展示館だ。見ているだけで不思議と胸が熱くなる写真が並ぶ。小学校の教師をしながら写真を撮ってきた熊谷さん。その教え子だった女性に出会い、当時の思い出をうかがうと、写真一枚一枚に隠されたほっこりとする物語がよみがえってきた。
昼神温泉ではワラで作った道祖神のようなものをよく見かける。宿の前にも似たようなものが置いてあることから、石苔亭いしだの女将さんに話を聞いた。道祖神のようなものは、湯屋守様という地元で考案された神様で、2007年から毎年冬に奉られていることが分かった。その始まりは?目的は?うかがうと、ほっこりするふるさとへの想いが見えてきた。
昼神温泉を後に向かったのは旧清内路村。はなもも街道と呼ばれる国道沿いで水を汲む人たちと出会う。一番清水という名水で、その日は愛知県から湧水を汲みにきていた。さらに国道を南木曽町方面へ上ると、山の中でひときわ目をひく洋風建築を見つける。ドイツパンの店・アントンだ。2年間のドイツ修行を経て、阿智村出身の松尾さんが6年前に開業した。店内でパンとともにコーヒーをいただく。コーヒーには先ほどの一番清水が使われていた。朝早くからパンを仕込む松尾さんを助けるように、お母さんは役場などへパンを配達している。また、建物について話を伺うと、宮大工である、お父さんが建てたということが分かった。協力してパン店を営む家族のほっこり物語。
阿智村は「日本一の星空」として全国に観光PRをし、成功をおさめてきた。その仕掛け人である松下さんとともに星空ナイトツアーに出かける。2016年以降、年間10万人を越える観光資源にまで発展したナイトツアーであるが、始まった2012年の初日の客はわずか3人。軌跡をうかがった。ナイトツアーの会場は、標高1400mのスキー場・ヘブンスそのはら。ゴンドラで上がってきた会場は、数種類の光で幻想的な雰囲気に演出されている。その光がカウントダウンとともに消されたとき、会場は真っ暗に。果たして松坂アナウンサーの前に、心がほっこりとする満天の星空は広がるのか?