「橋本院(御所市)」
奈良の桃源郷。
やさしさに包まれる、そんな場所。
春の日差しの中、油断して薄手の防寒。
冬の名残りのような山から吹く冷たい風に体が冷え切った。
甘くみていた。
美しく咲く花に囲まれても、気持ちは沈んだまま。
これではダメだと分かっていても、心は冷え切っている。
私の人生で得た教訓、ずっとそれを信じて頑張って来た言葉。
「いい仕事を残せば、絶対に次に繋がる」
ずっとフリーランスで仕事をして来た私の確信、だった。
でも、月一上映会、七十二候、どちらも次には繋がらなかった。
自分で言うのはなんだが、排便障害や病気を抱えて続けていくのは本当に苦労が多かった。それでも心が折れなかったのは、発展させて次に繋がると、その思いがあったから。
今は日々の辛さしか残っていない。二つあった希望の光は儚くも消えてしまい、暗闇の中、苦痛しか残っていない。
人は希望があるから前を向ける。小さくても望みがあるから頑張れる。
今の私はどこを探しても希望が見つからない、ここにあるのは日々逃げられない無慈悲な苦しみだけ。
「いつかはきっと」そんな言葉をいただくが、私にはいつかはない。
途切れてしまったら続けられない。
4月から私は無職、無収入。ライフラインは次の振り込みで最後。
夢や希望を語る前に、どうして生活するのか、それが切実な現実問題。
断崖絶壁に立たされている心境。
不思議と今は冷静に自分を見ている。
毎夜、SNSにどうしようのない愚痴と弱音を吐くことしか出来ない自分自身に失望している。情けない。