「楽しい日本めざす」施政方針演説で石破総理 「最重視」の賃上げはまだら模様【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2025年1月25日)
24日から始まった通常国会で、石破茂総理は「一人一人が自己実現できる楽しい日本を目指す」と述べました。また成長戦略の要として、物価高に負けない賃上げの定着に決意を示しました。
■「賃上げ」動きが広がるも…
石破総理大臣
「これからは一人一人が主導する楽しい日本を目指していきたいと考えております。楽しい日本とはすべての人が安心と安全を感じ、自分の夢に挑戦しきょうより明日はよくなると実感できる、そうした活力ある国家です」
通常国会が始まった24日、施政方針演説に臨んだ石破総理が強調したのは賃上げについてです。
石破総理大臣
「人財尊重社会における経済政策にとって、最重視すべきは賃上げです。物価上昇に負けない賃上げを起点として、国民の皆様の所得と経済全体の生産性の向上を図っていく」
労働の中核的な担い手となる15歳~64歳の生産年齢人口が、今後20年で2割以上減ると見込まれる中、各業界では賃上げが加速しています。
大手電機メーカーなどの労働組合からなる「電機連合」は去年より4000円程度高い1万7000円以上のベースアップを要求。航空業界の労働組合からなる「航空連合」も、過去最高の要求水準となる1万2000円のベースアップを求めました。
賃上げの動きが広がっている一方で、浮き彫りとなっているのが給料の「世代間格差」です。
2019年と2023年の給料のアップ率を表したグラフでは、20代~30代は賃上げとなる中、50代前半はマイナスに。いわゆる「就職氷河期世代」の40代~50代前半は“賃金が上がりにくい現状”に直面しているのです。
27歳 接客業
「手当として頂いたり、結果としては上がりました。僕たちのことを考えてくれているんだなとモチベーションは上がります。趣味のものとか…。ランニングシューズとか買ってましたね」
26歳 人事コンサルタント
「企業の打ち出しとしては(賃上げは)当たり前かなと思っていて、その企業の魅力の打ち出しの一つとしてありかなと思います」
■専門家「社会保障のねじれどうするか」
一方、50代はからはこのような声が聞かれました。
55歳 建築業
「不満なんてない方がおかしいですよね。若い世代で初任給を上げてくれるんだって10万なら、じゃあ(50代は)15万上げてくれってなる。僕らだって15万上げるんなら(若い世代も)15万上げてくれってなる。でも、できるできないはあるし。そこは難しいんだと思うんですよ。バランスとるのも」
53歳 会社員
「うらやましい限りですね。(当時の)初任給はね、かなり抑えめな。これから頑張ってね、みたいな感じのところだったと思うんで。やはり最初からある程度優遇してるよっていう方が、若者的には『そりゃいいぞ』っていう話だと思う。子どもも大きくなってきて、学費がかかる学校なんか入れるとやっぱりかかりますね。若者が上がってるんでしたら、おじさんの方も考えてくださいって言いたい」
専門家は厳しい現状に直面している氷河期世代の老後について懸念しています。
第一生命経済研究所
熊野英生首席エコノミスト
「(就職氷河期世代が)老後社会保障に依存するようになってからも、なかなか待遇が良くない。年金が少なくなってしまう。そういう人たちは結局、誰が面倒見るのかというと、現役世代である若者たちが就職氷河世代の老後を支えなきゃいけない。社会保障のねじれをどうするかという矛盾もやはり将来の日本では解決していかないといけない課題」
石破総理は誰もが賃上げを享受でき「楽しい日本」を実現することができるのでしょうか。
(「グッド!モーニング」2025年1月25日放送分より)
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