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【報ステ解説】それぞれの思惑は?現実味は?“ウクライナ停戦”米ロ直接会談へ【報道ステーション】(2025年2月13日)

ANNnewsCH 319,599 5 days ago
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トランプ大統領とプーチン大統領が、ウクライナでの停戦に向け直接会談する見通しとなりました。ただ、当事者のウクライナはというと、この交渉にどう関与できるかは不透明で、ロシアに有利な条件で進むのではという見方も出ています。 ■「最初はサウジで」ロシア訪問も 11日、1人のアメリカ人男性が帰国してきました。ホワイトハウスでトランプ大統領も出迎えます。 アメリカ人教師 マーク・フォーゲルさん 「あなたをどれほど誇りに思うか言葉にできません。私を祖国に連れ戻してくださいました」 男性はロシアに医療大麻を持ち込んだことで逮捕され、懲役14年が言い渡されていたアメリカ人教師です。両国の交渉によって解放されました。 没交渉だったアメリカとロシアの関係が今、大きく変わろうとしています。メディアを執務室に集めたトランプ大統領。プーチン大統領と電話会談を行ったことを明らかにしました。 アメリカ トランプ大統領 「素晴らしい電話会談だった。1時間以上話した。今朝のことだ。その後、ゼレンスキー大統領とも電話でいい話ができた。和平に向かっていると思う。プーチンもゼレンスキーも私も和平を望んでいる。人が殺される姿をこれ以上、見たくない。何とかなるだろう。何かしらできるはずだ」 そして第三国の存在も口にしました。 アメリカ トランプ大統領 「プーチン大統領とは主に電話のやり取りになるだろうが、最後は直接会う予定だ。お互いの国を訪れるつもりだが、まずはサウジアラビアで会うだろう。そこで何が実現できるか確かめる」 サウジアラビアは第一次トランプ政権の時から関係を強化してきている一方、原油取引などでロシアとも緊密な距離感を保ってきた国です。 モスクワを訪問し、プーチン大統領と面会を行ってきたウィトコフ特使。アメリカ人受刑者の解放や米ロ首脳会談の仲介にサウジアラビアが大きく関わっていると説明しています。 アメリカ ウィトコフ中東担当特使 「解放にはサウジアラビアのムハンマド皇太子の尽力もありました。合意を率先して後押した。両指導者の接近を実現する一助となりました」 ■ウクライナ取引材料は“鉱物資源” 始まろうとしている停戦交渉ですが、ウクライナにとって良いものかは未知数です。 アメリカのベッセント財務長官がゼレンスキー大統領と停戦合意後の経済協力などを話し合いました。トランプ政権になって閣僚がキーウを訪問するのはこれが初めてです。 ウクライナ ゼレンスキー大統領 「生産的で建設的な会談でした。ウクライナの安全保障が重要です。“鉱物資源”についても話しました。今後、トランプ大統領と話し合うことになるでしょう。大統領として、ウクライナ国民として、非常に重要なことです」 ゼレンスキー大統領はウクライナに埋蔵する鉱物資源の採掘権などと引き換えに、アメリカからの軍事援助を継続させたい考えです。また、停戦するにしても、領土の返還や将来的なNATO加盟を確約したいとしています。 ■ウクライナ“蚊帳の外”の恐れ しかし、アメリカ側は、ウクライナ側を無視し、停戦ありきで物事を進めているようにも見えます。 アメリカ ヘグセス国防長官 「2014年以前のウクライナ国境に戻ることは非現実的な目標だと認識すべきです。我が国はウクライナのNATO加盟が和解交渉の成果となり得るとは考えていない」 アメリカ トランプ大統領 (Q.ウクライナは和平プロセスにおいて対等とみているか) 「興味深い質問だ。彼らは和平を成すべきだと思う。人が殺されている。和解するべきだと思う」 BBC 「プーチン氏はすでに望んだものを手にしている。それはウクライナやヨーロッパの頭越しにアメリカと直接交渉する機会だ」 外交問題評議会 ハース名誉会長 「アメリカがプーチン氏をのけ者にする段階は終わりを迎えた。本当に重要なことは2つ。1つはアメリカから無期限の武器供与の確約をとれるか。そして欧州が兵器だけでなく派兵するのをいとわないかです」 13日に始まったNATO国防相会合。米ロの首脳会談に対し、加盟国の反応は…。 リトアニア サカリーニ国防相 「選択肢は2つしかありません。トランプ氏とプーチン氏が解決策を見つけてくれるという致命的な幻想に陥るか、欧州が自ら経済力と財政力、軍事能力を生かし、アメリカと協力して欧州とウクライナの未来を形作るかです」 イギリス ヒーリー国防相 「ロシアの脅威はウクライナにとどまるものではありません。ウクライナ抜きに交渉などあり得ません。あらゆる協議でウクライナの声が中心にあるべきだ」 ■“停戦交渉”プーチン氏の思惑は プーチン大統領とゼレンスキー大統領の両名と電話会談したトランプ大統領。“停戦交渉の開始で合意した”としていますが、現実的なものとなるのでしょうか。防衛省防衛研究所・兵頭慎治さんに聞きます。 (Q.トランプ大統領の発言から何を感じますか) 防衛省防衛研究所 兵頭慎治さん 「トランプ大統領からすれば、バイデン氏は戦争を始めた大統領、自分は終わらせる大統領として、最後の4年の任期の間に歴史に名を刻みたいという思いがあるのではないでしょうか。トランプ大統領の側近からも『ノーベル平和賞を狙っている』という指摘もあります。他方でプーチン大統領は、今は疲弊感が出ていますが、今のレベルの戦闘を続ける能力は1年くらいなら何とか持つという見方があり、しかも大統領の任期が最長2036年まで続く可能性があるので、停戦を慌てていません。トランプ大統領の早期停戦の意向を踏まえて、何とかアメリカから利益を引き出すことができるのではないかと。ロシアからすると、アメリカのウクライナへの軍事支援を低下させたり、できれば経済制裁の緩和なども狙っていると思います」 (Q.トランプ大統領が功を焦っている面があるとすれば、プーチン大統領の方が余裕をもってみている印象ですか) 防衛省防衛研究所 兵頭慎治さん 「停戦合意を短期で達成しようと考えているのはトランプ大統領なので、プーチン大統領は足もとをみているような印象もあります」 (Q.ゼレンスキー大統領も『トランプ大統領との電話会談で、和平の可能性について長い会話をした』と述べています。一方、トランプ大統領は、NATO加盟といった、これまでのウクライナ側の要求に背を向けるような発言をしています。この状態で、ウクライナは交渉のテーブルにつくことはできますか) 防衛省防衛研究所 兵頭慎治さん 「なかなか難しいと思います。ただ、トランプ大統領の側近からすると、ゼレンスキー大統領を交渉のテーブルに引き寄せるために『交渉に応じなければ軍事支援を縮小する』というカードを切る可能性があります。軍事支援を断ち切られると困るので、ゼレンスキー大統領も無下にはできないと思います」 (Q.仮に停戦交渉が始まるとして、どんなテーマが交渉のテーブルに載るのでしょうか) 防衛省防衛研究所 兵頭慎治さん 「アメリカのウクライナ・ロシア担当特使、ケロッグ氏の停戦案があります。1つは占領地の取り扱い。今の戦線を凍結したうえで、非武装地帯を設置すると。ウクライナは外交交渉でいずれ取り返すと言っていますが、トランプ大統領は『ロシア領になるかもしれない』のような発言もしています」 「2つ目はウクライナの安全保障をどう確保するのか。これはロシアによる再侵攻をいかに防ぐかということです。ウクライナはNATO加盟を希望していますが、トランプ大統領は否定的なので、ヨーロッパの一部の国、フランスなどが停戦監視団としてウクライナ領内に軍隊を送る案が検討されています」 「3つ目がアメリカの軍事支援。トランプ大統領は最近『レアアースなどの鉱物支援と引き換えに』みたいな話をしていますので、これまでのような無条件の支援には否定的だと見受けられます」 (Q.ヨーロッパ抜きで交渉は進められますか) 防衛省防衛研究所 兵頭慎治さん 「本来であれば、これはヨーロッパの安全保障問題です。かつての東部の紛争でもフランスやドイツなどが介入したことがあります。しかし、トランプ大統領はヨーロッパ抜きで交渉を進めようという構えを示しているようです」 (Q.今後の展開をどうみますか) 防衛省防衛研究所 兵頭慎治さん 「対面での会談が実現して、交渉が本格化していく可能性はあります。ただ、短期に停戦にたどり着けるかはまだ不透明です。ウクライナとロシアの主張に大きな隔たりがあることに加えて、プーチン大統領はトランプ大統領と2者で取引をしながら、ロシアに有利な展開にしていきたい。それに対して、トランプ大統領が応じるような動きを示しています。サウジアラビアでの首脳会談がウクライナも交えた3者になるのか、トランプ&プーチンの2者になるのか。その後、モスクワで首脳会談が展開していくかどうか。その辺りも注目されます」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2025 [テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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