体力・燃料費でダブルパンチ…空き家は倒壊の恐れも“今シーズン最長”強烈寒波到来【報道ステーション】(2025年2月18日)
日本列島を冷たい空気が覆い、北海道から山陰にかけて広い範囲で雪となり、特に、日本海側には、活発な雪雲が流れ込みました。
福島県の高湯温泉では、雪が降るなか、ホテルに引き込む温泉の源泉を管理するため、近くの山に入っていたホテルの支配人と2人の従業員が死亡する事故が起きました。現場周辺は、硫化水素などガスの濃度が高く、近づくのも難しかったといいます。硫化水素は、濃度が高いと中毒を引き起こす恐れがあります。
2015年、秋田県の乳頭温泉でも、源泉で作業していた3人が死亡する事故がありました。硫化水素ガスを吸った中毒とみられます。現場は、ガスの熱で周囲の雪が溶けて空洞ができ、ガスが滞留しやすい状況でした。硫化水素の比重は空気より重く、“くぼ地”などにも、たまりやすい性質があります。
2005年、秋田の泥湯温泉では、雪のくぼ地にたまった硫化水素ガスを吸って、1家4人が亡くなる事故が起きました。
今回の死亡事故についても、警察は、3人が硫化水素ガスを吸った可能性があるとみて、死因を調べています。
岩手県の夏油高原スキー場では、アメリカ人男性が雪に埋もれて死亡しました。滑走禁止エリアを滑っていたところ、雪崩に巻き込まれたとみられています。
豪雪で知られる青森県酸ケ湯では491センチと、18日、全国で一番の積雪となりました。
酸ケ湯温泉 内本匡史さん
「車によっては、どこにあるのか探さなければ見つからない。データ以上に降ったんじゃないか」
NEXCO中日本は、午後4時から、名神高速や北陸道などで予防的通行止めを実施。それに伴い、付近の国道も通行止めとなりました。
岐阜県関ケ原町で電気店を営む北村一麿さん。店の前の国道が通行止めということで、仕事に出かけることができないといいます。心配なのは、今回の寒波が長いこと。
北村電化センター 北村一麿さん
「どれくらい長引く…本当に長引くんですかね。『またか…』という感じがします。でも仕方ないと思いますよ」
国道事務所は、雪の状況を注視しています。
国交省岐阜国道事務所 小松重成統括保全対策官
「路面温度とか、今後の気象が不確実ななかに、さらに不確実なものが積み重なっているというのが現状。(Q.通行止めはどれぐらい先までのびる)私どもも、そこがちょっと、うまく読みきれないところ」
再び、大雪の恐れがある福島県会津若松市。
災害救助法が適用されたことで、自力で除雪ができない人の支援に市の職員があたっています。
屋根からの雪で窓ガラスが割れそうになっていた家。職員による作業時間は30分ほどでした。
一人暮らしの女性(80代)
「去年までは一人でやっていたけど、今年は、具合悪くしちゃって。(Q.窓は補強した)しました。テープ貼って、割れても大丈夫なように」
職員が、18日に回れたのは6件。まだ150件以上が対応を待っている状態です。
会津若松市危機管理課 鈴木康弘主幹
「我々としても最善を尽くしているつもりですけど、市民の気持ちに沿った対応ができていないところがあるので、大変、心苦しく思っています」
地域特有の問題もあります。
新潟県南魚沼市には、172軒の空き家があります。当然、そうした家に積もった雪はそのままの状態。目の前の道は生活道路です。
市から依頼された業者
「ここは歩く方用の歩道。当然、通学路になっています。雪庇(せっぴ)が出ていると、いつ雪が落ちるかわからない。命に関わることですから」
南魚沼市防災庶務班 田村仁主幹
「空き家法に基づいて、市役所で調査をして、所有者がいれば、その所有者に適切に管理をしてと依頼をする。いなければ、私ども行政がやるしかない。所有者がいて、行政から通知をして、手をつけてもらえないのが、一番、困る」
新潟県津南町で、山菜の“うるい”のハウス栽培をしている河田太郎さん(43)。1日3回の除雪が必要な日もあります。
河田農場 河田太郎さん
「(Q.この雪が上までいくと)ハウスが引っ張られて、つぶれちゃいます。雪が引っ張っていくのでハウスを。(ハウスは)上の力には、結構、強いが、横から引っ張られるのは弱い。(除雪に)一回一回に時間がかかるので、機械も一生懸命動くので、燃料もたくさん食べます」
ハウスに積もる雪を溶かすため、ボイラーに火を入れました。今月の燃料費は先月の8倍。約80万円となる見通しです。
河田農場 河田太郎さん
「そろそろ雪が止まってくれないかな。雪で体も忙しいし、お金もすごくかかるし、ダブルパンチでかなり苦しい」
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