今シーズン最強、そして最長の寒波が襲来して4日目。スリップによる死亡事故も発生するなど、各地で大雪の影響がさらに広がっています。
■“ホワイトアウト”脱輪やスタックも
新潟県の上越市内では、トラックが道から落ちて横倒しに。さらに、トラックから100メートルほどの場所でもバスが脱輪しています。バスの運転手によると、視界が悪く、対向車とすれ違うときに少しずつ、側溝へと沈んでいったといいます。乗っていたのは運転手1人でけがはありませんでした。
近所の人
「今、警報が出ているけど、こんなにひどくなって。風が強いと事故があって運転する方も怖い。ホワイトアウトって」
“今季最強にして最長の大寒波”は6日が折り返しですが、長引く大雪で事故も多発しています。富山県小矢部市では、4日朝から行方不明だった寺口千鶴子さん(80)が用水路の暗きょの中で亡くなっているのが見つかりました。近くに除雪機が置いてあったことから、除雪の作業中に転落した可能性があります。
宮城県大崎市内で、白くなった路面を走る車。この、次の瞬間。突然飛び出してきた対向車と正面衝突。その後、車は炎上します。
被害に遭った男性
「何が起きたか分からなくて、車がぶつかったかどうかも」
2歳の女の子を含む、4人がけがをしました。
北陸自動車道のトンネル内では、軽ワゴン車がスリップして横転。後続の大型トラックが衝突しました。トンネルの中まで雪が吹き込んでいます。この事故で、軽ワゴン車を運転していた男性が亡くなりました。
■「100人キャンセル」“長引く大雪”影響
雪の状況を地図にすると、発達した帯状の雪雲『JPCZ』がかかり続けた北陸地方などの日本海側を中心に、列島の半分が大雪になっていたことが分かります。
長引く雪の影響で、観光業にも影響が出ています。
割烹旅館『音羽館』女将 岩船久子さん(74)
(Q.何日前にキャンセルが)
「きのう…おとといの夜ですね」
新潟県上越市内では7日から予定されていた高校生のバスケットボール大会が中止に。学生らが泊まるはずだった2泊分、延べ100人以上の宿泊がなくなりました。食事の材料も一部準備していたといいますが、キャンセル料はもらわなかったといいます。
割烹旅館『音羽館』女将 岩船久子さん
「こういう雪の状態だとお客さんもお見えにならない」
世界遺産『白川郷』。5日までの48時間で129センチの雪が降り、観測史上最大となりました。この大雪でも外国人観光客が大勢訪れていますが、バスは運休が相次ぎました。
■能登“震災以降”最大の積雪に
奥能登は震災後1番の大雪となりました。ただでさえ危険な雪道。被災地となると、こんな点にも注意が必要です。
車がパンクした人
「あそこの道路と道路の横に溝がある。道路が陥没しているんだ。中が空洞になってるんだな。前輪がパンクした」
破損してできた穴を雪が覆う輪島市。男性は建設関係の仕事で通ったといいます。ただ、道具もなく、結局救助を呼びました。
夕方、吹雪はどんどん激しさを増していきます。
住民
「(雪かきは)朝もしたんですけどすぐ積もるから。停電とかならないことを祈っています」
こういう時こそ助け合いが重要です。
仮設住宅で生活する女性
「起きとる?」
仮設住宅ではこうした声掛けは日常茶飯事。こちらの女性は、豪雨災害の時もこうして隣人を避難させたといいます。
仮設住宅で生活する女性
「地震で家もなくなった、仕事もなくなった、車もなくなった。でも健康という財産が残った。私の一番の財産やな」
仮設住宅に住む他の人のため、夜になっても雪かきを続けます。
仮設住宅で生活する女性
「地震の時もそう、水害の時もそう。こんな雪ぐらいどうでもないわ。はたから見ると『強い人たち』と言うけど、こういう過疎の所で生活してきた人間はそれが当たり前で生きてきたんです」
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