トランプ米大統領は3月4日、連邦議会の上下両院合同会議で、2期目就任後初の施政方針演説を行った。トランプ氏は演説の中で、「100件近い大統領令に署名し、400件以上の行政措置を発令した。実際、私たちの大統領任期の最初の1カ月は、米国史上、最も成功したと多くの人が言っている。ちなみに、2番目はジョージ・ワシントンらしい」と、米国の初代大統領のジョージ・ワシントンに自らをなぞらえ、業績を自画自賛した。史上初のZ世代議員となる民主党のマクスウェル・フロスト下院議員(28)は、「ここに王様は住んでいない」(NO KINGS LIVE HERE)と記されたTシャツを、議事堂の聴衆にアピールしながら、途中退場した。トランプ大統領はSNSに、自らを王様に例えたとみられる投稿をし、物議を醸した。ホワイトハウスのSNS「X」公式アカウントは19日、ニューヨーク・マンハッタンの街並みを背景として、トランプ氏が王冠を被っているイラストに「国王万歳」と記された雑誌「タイム」の表紙をイメージした画像を投稿した。
トランプ氏は3月4日、カナダとメキシコからの輸入品に対して、関税25%を発動した。しかし、トランプ氏は6日には、米国、メキシコ、カナダによる自由貿易協定(USMCA)の対象となる輸入品については、相互関税を発表する4月2日まで関税を免除する短期的な措置を発表した。免税対象は、USMCAの基準に適合した輸入品で、米国政府によると、昨年、メキシコからの輸入品のうち約50%、カナダからは約38%に及ぶとされている。米イエール大学は、メキシコ、カナダ、中国への関税の影響により、米国の1世帯あたりの家計負担は、年間約2000ドル(約30万円)増加するとの試算を発表した。
迷走する関税政策の影響は株式市場にも及んだ。トランプ大統領が1月下旬、自動車、半導体、また、医薬品などを対象に、関税25%の発動を2月18日に実施する可能性を表明した。この報道を受け、ニューヨーク株式市場は2月下旬から、ダウ平均株価の下落傾向が継続した。トランプ氏は3月6日、NY市場の軟調な状況に言及し、「マーケットとは何の関係もない。長期的には、ここで起きていることで、米国は非常に強くなるだろう」と強調した。一方、トランプ氏は3月4日、米自動車メーカーの「ゼネラル・モーターズ」、「フォードモーター」、「ステランティス」3社の経営幹部と、ホワイトハウスで会談した。米自動車メーカーは、カナダ、メキシコにまたがり、原材料の調達から部品製造、流通などの一連のプロセスを実施している。このサプライチェーンを展開するうえで、米国国境を何度も通過する必要があることから、関税が発動された場合、製造コストの増大が企業側から懸念されていた。米自動車メーカー3社は、トランプ氏に、「販売価格の上昇につながる」との訴えがあり、会談の結果、トランプ政権は5日、自動車の関税については、1カ月の免除とすることを発表した。
★ゲスト:峯村健司(キヤノングローバル戦略研究所)
★アンカー:杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長)
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