星野 太「真実の終わり? ‐ 21世紀の現代思想史のために」(2021年度「30年後の世界へ ―「世界」と「人間」の未来を共に考える(学術フロンティア講義)」第7回)
ポスト・トゥルース(post-truth)という言葉が聞かれるようになって久しい。2016年、イギリスの欧州連合離脱をめぐる国民投票やアメリカ大統領選挙が行なわれたこの年、オックスフォード大学出版局はこれを「2016年の言葉」に選んだ。それによると、ポスト・トゥルースとは「公共の意見を形成するさいに、客観的な事実よりも感情や個人的信念に訴えるほうが影響力のある状況を述べたり、示したりする」言葉であるという。以来、この言葉をめぐってさまざまな研究書や論文が書かれてきたことは周知の通りである。その内容は「ポスト・トゥルースの政治」をめぐる実証的考察から、21世紀になって勃興したソーシャル・メディアとの相関を示す統計的調査までさまざまだが、それらとともに目につく、ある気がかりな言説がある——すなわちそれは、20世紀後半に流行をみせた「フランス現代思想」こそが、今日のポスト・トゥルース状況を準備したというものである。いったいなぜ、そのような言説がまことしやかに広がっているのか。また、その内容ははたして妥当なものであるのか。本講義ではこれらのことについて概説的にお話ししたい。(シラバスより)
00:00 イントロダクション
07:59 チャプター1 導入-なぜ今ポストモダンか
09:58 チャプター2 ポスト・トゥルースとは何か
16:34 チャプター3 ポスト・トゥルースの系譜学
35:11 チャプター4 フランス現代思想の罪?
46:11 結語
56:54 質疑応答
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コース名:30年後の世界へ ― 学問とその“悪”について(学術フロンティア講義)
開講年度:2021年度開講
タイトル:真実の終わり? ‐ 21世紀の現代思想史のために
講師名:星野 太
講義ページ(講義資料の閲覧やキーワードで再生箇所を探す機能が使えます):https://ocw.u-tokyo.ac.jp/lecture_2078/
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