コメ2回収穫「再生二期作」 「にじのきらめき」で収穫↑ 田植えは1回だけ【詳細版】【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2025年1月31日)
コメの価格の高騰が止まらないなか、コメの収穫量を上げる取り組みが始まっています。1回の田植えで2回の収穫ができる「再生二期作」と呼ばれる農法です。どんな味のコメができるのでしょうか?
■コシヒカリ高騰 東京で7割高の4018円
横浜市にあるスーパーセルシオ和田町店の店内に並んでいる5キロのコメの価格は、すべて3800円を超えています。
茨城産「あきたこまち」は3878円。最も高いコメは新潟産「新之助」で4158円です。
客(40代)
「まだ高いです。ちょっと手が出ないですね」
客(70代)
「(10キロで)7000円くらいになるでしょ。昔から言えば、すごい高級品になっちゃう」
東京都のコシヒカリ5キロの平均小売り価格を見ると、おととし12月は2386円でしたが、猛暑の影響で去年は価格が右肩上がりに上昇。1年で7割高い4018円になっています。
スーパーセルシオ和田町店 久保田浩二さん
「同じおコメなのに同じ量なのに、販売価格が倍になっているということは相当異常なことだと感じています。2月にはさらに値上げという話を問屋からも連絡を受けていて。今のところ、そういう部分は不安でしかない」
■再生二期作に適した「にじのきらめき」
そこで注目されているのが「にじのきらめき」という銘柄です。
農研機構によると、にじのきらめきはコシヒカリと味が似ていて、高温障害にも強く、コシヒカリより15%多く収穫を見込めます。
さらに、この銘柄に向いているのが「再生二期作」です。
二期作とは、1年に2回収穫をする農法ですが、1回目の収穫後に再び田植えをする必要があります。
これに対し、再生二期作は1回目の稲刈りの後、残った株を育てることで2回収穫します。稲刈り後にも再び稲穂が実ることから名付けられた農法で、田植えが1回で済むため生産者の負担も少なくなります。
茨城県水戸市の農園では、去年初めて再生二期作に取り組みました。4月に田植えを行い、8月に1回目、10月に2回目の収穫をしました。
照沼農園 照沼洋平社長
「いろいろ品種を試したが、これだという品種が見つかったので、今年はその一本に絞ってやっていきたいと思っています」
■2回目の収穫「コメの味は変わらない」
試したのは4銘柄。コシヒカリは実が入らず、途中で断念。「美山錦」は穂の数が少なく、「とうごう4号」は土壌の環境が整わず失敗し、思うような収穫ができませんでした。
そんななか、成功したのが、にじのきらめきです。1回目に600キロ、2回目に90キロを収穫。1回目の収穫後に肥料を与えれば、さらなる収穫も見込めるということです。
気になるのは2回目に収穫したコメの味ですが…。
照沼社長
「粒感や食べた感触はそんなに変わらない」
2回目に収穫したコメは、1キロ500円と格安で販売。風味が落ちたため価格を下げましたが、コメのプロ以外が気付かないレベルの仕上がりだったそうです。
照沼社長
「とりあえず今この時代として、安いおコメが全くないので、2回目に収穫したコメであれば、割り切って客に安く出すという気持ちにもなれるので。きれいな状態で安価なコメを作って出せればいいなと思います。まだまだ未知の世界ですが、挑戦していければいいなと思います」
(「グッド!モーニング」2025年1月31日放送分より)
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