埋まる2階「どこも雪の壁」 再襲来の強烈寒波“隠れ積雪日本一”山形・志津温泉【羽鳥慎一モーニングショー】(2025年2月19日)
強烈な寒波の影響で、18日の夜から各地で大雪となっている。“隠れ積雪日本一”といわれている山形県西川町の志津温泉では、積雪が5メートルに迫っている。
■隠れ積雪日本一 高さは?
道路の前方は視界がかなり悪く、ホワイトアウト状態になっている。白くかすんだ中から現れたのは、電光掲示板。気温は-6℃と表示されている。
山形県西川町にある志津温泉。街の至る所で除雪作業が急ピッチで行われていた。
温泉街の中心では、ディレクターの身長170センチの2倍をゆうに超える高さまで積もっているのが分かる。屋根には今にも落雪しそうなほど積もり、窓の外にも雪が積もっている。
このドカ雪に、観光客は次のように話した。
宮崎からの観光客
「雪すごいですね。雪道ちょっと怖かったです」
はしごを運んでいるのは地元に住む今野信秋さん(74)。「雪の壁」にはしごを立てかけている。
今野さん
「測りますよ」
毎年11月~6月ごろまで、積もった雪の量を1日2回(午前8時・午後4時)県から委託されて観測しているという。果たしてどれくらい積もっているのだろうか。
今野さん
「4メートル80センチですね」
カメラで確認すると、18日の志津の積雪深は480センチだった。
今野さん
「(観測始めて)50年以上ですよ。だんだん年取ってきて、体力がなくなってきて」
■雪の壁5メートル 埋まる2階
月山まいづるや 志津在住
今野美佳さん
「窓を開けると…こんな感じ」
「(Q.もう雪しか見えない)雪しか見えない」
1階の風呂場の窓を開けると、目の前に広がる「雪の壁」。志津に住みながら旅館を営んでいる今野さんはこのように話す。
今野さん
「どこに行っても雪の壁です。本来だったら何もないはずの所に雪の山が出現して、もう何も見えなくなってしまったのでね」
風呂場のちょうど真上にある2階の部屋に案内してもらうと、窓の下まで雪が積もっている。
今野さん
「ちょうど窓の下まで…」
「(Q.ここ2階ですよね?)ここ2階です」
「生活するにはここの雪を落とさないと、下がお風呂場になっているので、風呂の窓が埋まってしまったりもあるので。片づけるんですけど、そこまで手が回らない」
雪の量が多いため除雪が追い付いていないという。
今季最強・最長寒波が襲来した今月8日の志津温泉は、今季最大となる496センチの積雪深を観測した。気象庁の観測地点がないことから“隠れ積雪日本一”と言われている。
気象庁の観測地点がある青森県酸ケ湯の18日の最深積雪は491センチ。酸ケ湯よりも、志津が5センチ上回っている。
■家に入るのに雪かき3時間
山形県の隣の福島県では…。福島県金山町の古民家では、明かりがともった玄関の脇に大量の雪が積もっている。
民宿 たまがわ屋 眞鍋一郎代表
「前回の寒波の時(の雪)が半分残っていて、それがきのうから積もった雪で増えた」
玄関側から撮影した映像では、雪が家の中までなだれ込もうとしている。外に出ると上にはつららも。国道に面した古民家は玄関まで緩やかな傾斜になっていて、本来なら10メートルほどの距離だが…。
眞鍋代表
「妻と2人で雪かきをして、(通れるまで)大体3時間前後ぐらいですかね」
列島を襲う強烈な寒波は関東でも見られた。群馬県みなかみ町では坂道の途中で車がスタック。神奈川県秦野市や東京・六本木でも、強風とともに横殴りの大粒の雪が降った。普段雪があまり降らない伊豆大島でも雪が舞った。
■除雪追い付かず…雪かき高齢夫婦「雪重い」
全国3位となる306センチの積雪を観測した新潟県魚沼市守門。魚沼市で降った雪は18日だけで38センチ。市内の住宅では大粒で水分を含んだ雪が降りしきる中、急ピッチで雪下ろしが行われていた。
4人がかりでの雪下ろし。屋根から雪を落とすと、締まって硬い雪なのか、落とされた雪の塊が鈍い音を立てる。
平年以上の大雪となっている魚沼市では業者に雪降ろしの依頼が殺到。特に高齢者からの依頼が多いという。
雪下ろし業者 北栄総業
八木沢寛士さん
「いろんな所から(依頼が)来るので、どうしても行けない状況ではあります」
「(Q.なかなか手が回っていない感じは?)ありますね」
「(Q.雪質は?)重たいですよ。硬いし重たいし。いいことないですね」
高齢化率が高い魚沼市では18日も高齢の夫婦が雪かきをしていた。
理髪店を営む70代の夫婦、車で来る客が多いため、駐車スペースの除雪は欠かせないという。
理髪店店主
「せっかくこの真冬に、散髪で来てくれるお客さんに、うちに来てくれても『駐車もできない』なんて怒られて帰られても困るんですよ」
雪下ろしをしてはドカ雪に見舞われ、除雪が追い付いていないといい、業者に除雪を依頼しているものの、順番待ちになっている。
理髪店店主
「自分がお願いしている業者が、工務店なんだけど、30件ぐらい請け負ってるから順番がぐるっと回るまで順番が来ないわけ。われわれ年寄りが(屋根に)上がると危ない。なかなかうまくいかない」
■名神など予防的通行止め
雪による事故も発生。岩手県北上市のスキー場では、スキー客のアメリカ人男性1人が雪に埋もれて死亡。男性は滑走禁止エリアを滑っていたところ雪崩に巻き込まれたとみられている。
福島市の高湯温泉では、ホテルの支配人と2人の従業員、合わせて3人の死亡を確認した。
亡くなった3人は、ホテルに引き込む源泉を管理するため近くの山に入っていた。現場は、硫化水素などの有毒ガスの濃度が高かったといい、警察は死亡原因などを調べている。
名古屋市でひょうやあられが降るなど、山間部以外でも荒れた天気となった18日。ネクスコ中日本は大雪による大規模な立往生を防ぐため、18日午後4時から名神高速や北陸道などで「予防的通行止め」を実施した。
ネクスコ中日本によると、雪の状況によっては現在通行止めになっていない区間でも規制が行われる可能性があるという。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年2月19日放送分より)
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