西森 純子 記者
「中土佐町の久礼大正町市場です。午前10時前ですがご覧ください、メジカの新子を求めてこんなに多くの人が並んでいます」
県の内外から集まった人達のお目当ては、この魚です。
「きょうは、えい新子が釣れてます。えい新子ですよ。最高の」
メジカの新子とは、マルソウダガツオの生後1年未満の幼魚の事で、とれるのは8月と9月の2カ月間のみ。高知県の中土佐町や須崎市などで昔から親しまれてきた旬の味です。
東京から
「新子目当てで、この時期に旅行先に選んできました。きのうも来たけど売り切れだったので、きょう2日目です」
関西からのグループ
「ここまで並ぶってことは、それなりの味があるんだろうってことで、胸膨らませながら並んでます」
Q:(新子)食べられそうですか?
「怪しいっす…」
鮮度が命のメジカの新子を刺身で食べられるのが久礼大正町市場。2023年新たにお目見えしたのが、小屋が並んだ「メジカ横丁」です。以前は、通路沿いに設けた簡易な調理台でさばいて提供していましたが、来年度から施行される改正された食品衛生法に合わせて衛生管理を高めるため、水道設備を備えた箱型の施設を整備しました。
久礼大正町市場協同組合 田中 隆博 理事長
「僕たちの目的はカツオ文化を守る、残し続けること。ソウダガツオも久礼のカツオ文化の大事な一つなんで末永く残していく、生き残りの方法としてみんなでこういうものを作って、チャレンジし続けるのが楽しみでもあり仕事」
それぞれの小屋では、家族が漁師をしているおかみさんたちが一本釣りの新子を目の前で手際よくさばいて提供。きょうも旬の味を求める人が詰めかけ、開店30分足らずで完売する店もあり大盛況でした。
3年連続広島から
「モチモチ…初めて食べたときの食感がおいしかったんで、時期のもんですし今年も食べられて良かった」
今年の新子の味は?同じ時期に旬を迎えるブシュカンの皮とたっぷりの果汁でいただきます。
西森 純子 記者
「すごいおいしい。臭みが全くないですし、ブシュカンの香りがすごく効いてて、柔らかい食感と魚のうま味があいまってとっても美味しいです」
メジカ横丁では、1匹600円から800円で刺身で販売しています。市場によると土日は特に混雑するため「できるだけ平日に来て欲しい」と話していました。漁の入荷状況などは、久礼大正町市場のSNS“X”とインスタグラムで紹介しています。