岡山県内で性感染症、「梅毒」の流行に歯止めがかかりません。感染者数は3年連続で過去最多を更新。特に若い女性の感染が目立っています。
(岡山健康づくり総合センター 岸本寿男相談役)
「どんどん若い層にうつっていって、20代、10代、若い女性には知って予防してほしい。」
梅毒トレポネーマという細菌が原因で起きる性感染症、梅毒。主に性行為で感染し、口の中や性器にしこりができ、進行すると手のひらや足、全身に発疹が広がります。痛みやかゆみを伴わないため症状に気付かなかったり、無症状だったりすることもあり、「偽装の達人」とも呼ばれています。
岡山県によりますと県内の患者数は2017年から急増。2024年1年間では355人と現在の集計方式となった1999年以降、3年連続で過去最多を更新しました。特に、女性は2015年の3人から激増し、初めて100人を超えました。
そのうち、7割が20代以下の若年層となっています。人口100万人当たりでは186.4人で東京・大阪に次いで全国3番目。香川県も8番目に多くなっています。患者が急増している背景について性感染症に詳しい医師はこう指摘します。
(岡山県健康づくり総合センター 岸本寿男相談役)
「SNSやマッチングアプリ・出会い系サイト不特定多数の人とつながりやすい素地があることその状況の中に梅毒が入り込み、知らないうちに広がってしまったというのが現状ではないか」
若い女性への広まりで懸念されるのが妊娠前、妊娠中の感染、「先天梅毒」です。胎盤を通じて、お腹の赤ちゃんも感染は6割から8割に上ると言い、死産や早産の原因となるほか生まれてくる赤ちゃんに障害が生じるリスクがあります。現在は特効薬があり早期に治療すれば完治する病気ですが、油断はできないと言います。
(岡山健康づくり総合センター 岸本寿男相談役)
「梅毒は何回でもかかる。不特定多数の人との性行為はリスクが高いことを心に留めてほしい早期に受診して感染を調べても結果が出ないことがある(感染が疑われる行為から)6週間ほど空けて受診することが一つのポイント」
岡山県内の保健所では、梅毒の検査を匿名、無料で受けられます。県は、気になる症状や心配があれば、検査を受けるよう呼びかけています。