2023年10月28日(土)午後2時からオンライン開催された第16回 新潟ダンマサークル 初期仏教勉強会の録画を編集しました。今回のテーマは『カーラーマ経(Kālāmasuttaṃ 増支部 AN.3-66)』です。私たちが〝ある説かれたもの〟を真理として受け取るときに、チェックすべきポイントがあります。お釈迦さまがカーラーマ族に説かれた自ら確かめるための教え。約2600年後の、情報に溢れた現代に生きる私たちにももちろん有用で、しっかりこころに留めておくべき内容だと思います。
Kālāmasuttaṃ カーラーマ経ーーバイアスを破って自ら善に達する
釈尊が遊行中に立ち寄った町での出来事「カーラーマの皆さん、あなたがたに疑惑があるのは当然です。疑念があるのは当然です。」
Kālāmasuttaṃ(Kesamuttisuttaṃ)
カーラーマ経(ケーサムッタ経)増支部 AN.3-66
※光明寺経蔵の日本語訳を適宜改訳した。
https://komyojikyozo.web.fc2.com/
響きわたる釈尊の名声
釈尊に挨拶する人々
自説をアピールする宗教家たち
カーラーマの人々の疑念
釈尊:正しい疑念であることを認める
真理を覆い隠す10種類のバイアス
①mā anussavena「口伝」は真理の保証ではない
②mā paramparāya 伝統、師匠の家系なども真理の保証ではない。
③mā itikirāya「推測」は「真理」の保証ではない
④mā piṭakasampadānena 聖典・古典などは真理の保証ではない
⑤mā takkahetu 理論的に成り立つだけでは「真理」の保証にならない
⑥mā nayahetu 帰納的な論理も納得出来ない
⑦mā ākāraparivitakkena 優れた発表の技、表現力に誘惑されてはならない
⑧mā diṭṭhinijjhānakkhantiyā 自分の考え、気持ちなどと合うことも証拠にならない
⑨mā bhabbarūpatāya あり得る、可能性では決定できない
⑩mā samaṇo no garūti 聖職者を尊敬するべきだという感情
科学精神とバイアスーーフランシス・ベーコンの「イドラ」、無数の認知バイアス)
経典に戻りますーーバイアスを離れ、自分で善悪を知る、心の安穏に達する
善悪は自分で知ることができる
貪りの検証
怒りの検証
無知の検証
釈尊の問いに自ら答える
教えの真意を明かす
カーラーマ族への教えを繰り返す
悪を捨てる → 善を実践する
不貪の検証
不瞋・不痴の検証
釈尊の問いに自ら答える
教えの真意を明かす
四無量心で生きること
心清らかな人が達する四つの安心
1)もし「あの世」があっても安心
2)もし「あの世」がなくても安心
3)悪業の異熟(報い)があっても安心
4)悪業の異熟(報い)がなくても安心
カーラーマの人々が教えを繰り返す
カーラーマ族が仏教徒になる
おまけ:カーラーマ経の関連経典(サーラ経、バッディヤ経、伽藍経)
Sāḷhasuttaṃ サーラ経 増支部 AN.3-67
Bhaddiyasuttaṃ バッディヤ経 増支部 AN.4-193
伽藍経 漢訳中阿含経16
#パーリ仏典 #認知科学 #初期仏教
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~生きとし生けるものが幸せでありますように~