札幌市職員を30分にわたり叱責した音声入手〝威圧的発言〟問題の長谷川岳議員が釈明 無理な要求をしたことは「基本ない」
パワハラ的な言動が問題となっている自民党の長谷川岳参議院議員。
HBCはある音声データを入手しました。
長谷川岳参議院議員
「そこの札幌市の連中!みんな、あなたもそうじゃん。みんな仕事するけど、そういうところ一番大事にしなきゃいけないところを無視じゃん。信じられない」
関係者によりますと、長谷川議員が、3月の会合で、札幌市の職員をおよそ30分間にわたり叱責したといいます。
長谷川岳参議院議員
「あなたも、毎回毎回こっちは毎日勉強しながら、各省庁のみなさんと…あいながら、要は規制緩和を全部通すようにやってるよ、あんたから1回も、ありがとうもクソもメールもない。ありがとうもない。結果もない。誰だお前は?って感じだよね」
札幌市職員
「はい、申し訳ございません」
「ありがとうございました」
長谷川岳参議院議員
「札幌市さんを残して帰りましょう。ここ札幌市の会議場所にしてください」
札幌市の秋元市長は、長谷川議員本人から、これまでの威圧的な言動について、先月下旬に謝罪の電話があったと明らかにしました
札幌市 秋元克広市長
「長谷川参議の物言いそのものについてはかなりきつく、対応した職員などについては萎縮をする、こういった報告を過去に受けている」
12日、渦中の長谷川議員がHBCの単独取材に応じました。
パワハラ疑惑の告発にどう答えるのか、もうひとホリします。
鈴木直道知事
「威圧的だというふうに受け止めた職員が複数確認をされましたので」
北海道が行った聞き取り調査でも、複数の幹部職員が長谷川議員の言動を「威圧的」と受け止めていたことが明らかになりました。
東京での会議で、長谷川岳参院議員は、
「この資料、私はもらっていませんね。資料がないので急に聞かれて分かりません。どうなっているんですか?」などと話し、
道職員が、長谷川議員に根回ししていなかったため、つるしあげられたと言います。
こうした言動の数々が職員を委縮させているという指摘に、長谷川議員は、こう釈明します。
長谷川岳参院議員
「地域への対応が遅いときは、厳しいことは投げかけたり、熱くなったりすることはよくあったと思う。こういう表現方法はやっぱり避けるべきだと、事務所のスタッフからも厳重に注意をされた」
また、関係者によりますと、去年1年間に、道の幹部職員4人が長谷川議員への説明などのために東京へ出張した回数は70回。その費用はおよそ550万円にのぼります。
このうち約2割は、長谷川議員に会うためだけの出張でした。
さらに、北海道幹部職員は、
「前の日の夕方に、『あすの午前9時に来るように』と幹部職員が急に呼ばれることもあった」と証言します。
これに対して、長谷川議員はこう釈明します。
長谷川岳参院議員
「何らかのそういう例えば災害とか、緊急な話でどうしても対応しなきゃいけないという話があれば、そこはそういうふうに北海道との中であるのかもしれないが、個別に具体的な急ぐ必要のない話を、午後5時で午前9時(に来るように)というのは、申し訳ないですが、うちの事務所も応対しきれない」
堀内大輝キャスター
「そういうちょっと無理な要求を長谷川さんの方からしたということはない?」
長谷川岳参院議員
「基本ないですね」
北海道は、長谷川議員への面会を伴う出張の実態について、今後、対象の職員を拡大して、さらに調査することを決めました。
また、道の計画推進課が、各部署に対し、国の予算成立時に、長谷川議員にお礼の連絡をするよう、複数回にわたってメールで依頼していました。
このメールでは、上京中の職員に「飛行機内でWi-Fiが使える場合は成立後に、使えない場合は新千歳空港到着時にお礼をするように」と具体的なタイミングまで示していました。
こうした対応は、長谷川議員だけの「特別対応」でした。
もし長谷川議員にお礼をしないと、何か不都合が生じるのでしょうか?
長谷川岳参院議員
「いわゆるその忖度とかそういうことがあったんじゃないかというふうに言われると、それはそれぞれの判断であったかもしれないが、私のいわゆる表現方法という部分も含めて、何となくメールを送らなきゃとか、そういうことを含めて、(メールを送る)流れになったのなら、私自身も変えていく」
そして、政治家としての今後については…。
長谷川岳参院議員
「(今回の件を)自分の中での最大の汚点であると教訓にして、しっかりと活動をしていきたい」
長谷川議員への告発が相次ぐ一方で、札幌市の幹部からは長谷川議員を頼る声も聞かれます。
ある札幌市幹部は、「GX(グリーントランスフォーメーション)や丘珠空港など市の政策に対して、他に誰が一生懸命力をいれてくれるかというと、長谷川議員の他にはいない」と話します。
10日の記者会見で、札幌市の秋元市長は、「上司と部下の関係ではない」として、パワハラなどの行為等にあたるかについて“調査しない”と発言。
これに対し、札幌市のある職員は「がく然としている、職員を守らないんだと感じた」と話しました。
北海道文教大学の宮本融教授は、本来、対等であるべき国会議員と自治体職員の間に、”上下関係ができている”と指摘します。
北海道文教大学 宮本融教授
「国会議員として階段を上がっていくには、2種類方法がある。“優等生と”うるさ型”。”うるさ型”は、人間関係で嫌われるけど、自分の言ったことは通すし、通る。本人はすごく使命感があって、北海道のために仕事をしなきゃいけないと。他の国会議員よりも自分はもっと進んで走り回っていろんなものを獲得していきたし、しなきゃいけないし、するんだという強い意志があって『お前黙っとけ!』というそういう言い方になっていると思う。さすがに反省して変わると思う」
12日、長谷川岳参議院議員は、次のような説明をしています。
■厳しい発言について
・かなり、厳しい言葉を投げかけるということはあった。私なりに反省していく
・スピード感が求められる中で、熱くなってしまうことはよくあった
・熱くなると、強い調子だったのは間違いない
■北海道の幹部から長谷川議員へのお礼メール
・私から求めたものではない
・私の表現方法などがメールを送らせることになったのなら、改善していきたい
■北海道職員などの出張について
・私単独で来たのは16回くらい。そのほかは、ほかの議員(への面会)も含めた回数
・出張権限は、北海道や札幌市にある。来てくれといったことはない。基本的に無駄なことは嫌い
今回の件について、北海道内の政治に詳しい北海道文教大学の宮本教授は、「国会議員と自治体職員に上下関係がある」「今の国会議員は共通して、自分たちが権力をもっているという意識が浸透している」と話していて、そのアンバランスさも今回の件の要因の一つになったのかもしれません。2024年04月12日(金) 18時32分 更新
#北海道 #ニュース #HBC
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