生姜醤油ラーメンや背脂ラーメンなどいまや全国に知られる新潟のラーメンですが、今年も〝日本一〟には届きませんでした。
総務省がまとめたラーメン年間支出額で、新潟市は山形市に敗れ3年連続の2位でした。官民一体で1位を目指しましたが、思わぬ伏兵の追い上げにもあいました。
■富山詠美アナウンサー
「発表の瞬間まで10分を切っています。2年連続で1位を山形市に奪われてきた新潟市。今年度は市の予算もつけて首位奪還に向けて望んできました。担当者の皆さんも、かたずを飲んで発表の瞬間を待っています。」
新潟市役所ふるまち庁舎に集まったラーメン関係者たち。
■新潟拉麺協同組合 石黒純一代表理事
「今年はどうなったか気になるところ、待つだけです。」
午前8時半過ぎついにその時が・・・
「結果を発表します。どうぞ!今発表されました。年間支出額新潟市は2位!」
「(山形市)すごいですね。なんで?また差が開いた。」
またも逃した〝日本一〟の座。
新潟市の年間支出額は1万6292円と去年より約1000円伸ばしましたが、1位の山形市は2万円を超え6000円あまりの差がつきました。
■新潟市 野島晶子副市長
「山形市さんとは差が開いてしまいましたが、全国の中で2位というのは素晴らしいことだと思います。」
これで3年連続の『2位』。しかし、今回は例年より本気度が違っていました。
2021年に初めて首位の座に就くも、翌年、山形市にわずか623円で敗れた新潟市。2023年は複数の店舗が新メニューを共同開発し、3000円近く伸ばしたものの過去最高額となった山形市に連敗を喫しました。
■新潟拉麺協同組合 笠原義貴専務理事
「正直に悔しいところはあるんですけれども、ただまた2位で盛り上がれるきっかけを、またいただいたなと正直思いました。」
そんな中、行政が動きました。
新潟市は観光客の誘致につながるとして、市としては初めて新潟ラーメンのプロモーションなどに1400万円の予算を付けました。
『ラーメン愛いっぱい(一杯)プロジェクト』と銘打ち、有名ラーメン店をモチーフとしたカプセルトイを販売。お店で使える特典もついていて、第1弾は予定の2倍・約1万3000個が売れました。また、70店舗を紹介するガイドブックも作成しました。
■新潟市 中原八一市長
「ラーメンを通じて、改めて新潟の豊富な食の魅力に県内外のみなさんに気付いていただきたい。」
2024年10月末に劣勢が伝えられると、12月には10店舗を加えた第2弾も販売。さらに、JR東日本などが企画して中心部のラーメン店を巡るイベントも開催。官民一体で1位を目指してきました。
■新潟拉麺協同組合 石黒純一代表理事
「非常に新潟ラーメンを外に打ち出すいい機会だった。外にはすごいアピールができた。結果も出すことができた1年だった。」
新潟市の担当者は、2位という結果について-
■新潟市観光国際交流部 関川丈彦部長
「多くの人が来るたびに『新潟のラーメン』という声も聞くし、新潟のラーメンは知名度が上がっていると思う。」
過去最高額の2万2389円で3連覇を果たした山形市。
「2024年も1位となりました。無事3連覇となりました。どうもありがとうございました。」
官民連携によるスタンプラリーの開催や、『山ラー』というフレーズを活用したPRを続け消費拡大に取り組みました。
■「ラーメンの聖地、山形市」を創る協議会 鈴木敏彦会長
「我々ラーメン店・業者さん、そして市が一体となってやっていった結果、市民の方々がより多く食べていただいた結果。」
■山形市 佐藤孝弘市長
「楽しくお互いに盛り上げながらやることが大切なので、これからも2位の新潟市、3位の仙台市さんと色々切磋琢磨しながら盛り上げられればいいなと思う。」
『山形市』と『新潟市』・・・何が勝敗を分けたのか?
新潟拉麺協同組合の専務理事を務める笠原義貴さんは、こう分析します。
■新潟拉麺協同組合 笠原義貴専務理事
「中間発表の時点で、かなり差をつけられていた実態がある。夏の暑い期間、山形の冷やしラーメン。あの文化に立ち向かいそこをおさえて山形を抜いて、来年こそは必ず1位奪還を目指して頑張りたい。」
そして今回、新潟市は意外な第三勢力の追い上げも受けていました。
3位の仙台市。支出額は1万5534円で、新潟市との差は700円ほど。ラーメン1杯分の差まで迫ってきました。有名店の出店や大規模なラーメンイベントの開催が後押ししたといいます。
■新潟拉麺協同組合 笠原義貴専務理事
「かなりヒヤヒヤしてました。正直。ラーメン自体の人気が高くて、新潟に比べるとかなり若いというかラーメン自体がその勢いにおされているかなという印象です。」
新潟のラーメン関係者は、次に向けて気持ちを切り替えています。
新潟拉麺協同組合は『生姜醤油らーめんフェア』を7日から開いて、さらなる盛り上げを図ります。
■海老寿DELUX 川崎満店長
「山形はライバル。ライバルがいるということは、切磋琢磨してラーメンが進化していくと思う。全国2位ということで、今年1年はもっと愛してもらえるように努力を積み重ねていく。」
■お客さん
「(新潟市が2位だった)ええ!そうなんですか。今年こそはと思っていたけど。新潟のラーメンのおいしさが、もっと全国に広がっていくと良い。おいしいラーメンがいっぱいあるので。」
■週4でラーメンを食べるお客さん
「山形の取り組みが結構大きいと思うので、みんなでもっと盛り上げていく必要がある。(Q.これ以上増やすと毎日食べることになるが?)毎日食べます!汁を全部飲むくらい大好き。来年こそがんばります。」
ラーメン関係者からは、行政にこんなお願いも-
■新潟拉麺協同組合 笠原義貴専務理事
「新潟市もたくさんの予算をラーメンにつけていただいて、いろんな活動があった。ぜひ今年(来年度)も予算をぜひよろしくお願いします。」
■新潟市観光国際交流部 関川丈彦部長
「はい、がんばりたいと思います。1年で終わるのも取り組みとしてはどうかなと思うので、引き続き予算確保に向けて動いております。」
市民の受け止めは-
■新潟市民
「(新潟市が山形に敗れて2位になった)ちょっと悔しいですね。2位だったなら1位になりたいので、(ラーメンを食べる回数を)週3くらいに増やしますかね。」
■新潟市民
「新潟のラーメン好きですね。色々種類があって飽きない。(Q.新潟市民としてこのニュースはどう?)正直気にしたことはなかったが、とるからには1位になってほしい。」
2025年2月7日放送時点の情報です。
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