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3代目女将の年越し密着! 365日休まず“おもてなし” 一年で最も忙しい「雪国食堂」【Jの追跡】【スーパーJチャンネル】(2024年1月20日)

ANNnewsCH 137,488 1 year ago
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 どんな悪天候でも、365日一日も休まず営業する雪国の食堂。世界中から観光客が殺到する名物食堂の女将の信念は「お客さんのおなかと心を満たすこと」。年中無休で奮闘する名物女将の一年で最も忙しい年越しに密着しました。 ■物価高も…「おなかいっぱいの料理」でおもてなし  北海道のほぼ中心に位置する上富良野町は、住民の過疎高齢化が進む小さな町。特別に有名な観光スポットはありませんが、我々が取材を始めて1年、これまで以上に世界中からお客さんが押し寄せるようになった名物食堂があります。 マレーシアから来た客 「マレーシアから来ました。グーグルで高評価だったの」 オーストラリアから来た客 「口コミで評判だよ。料理だけじゃなくて、おもてなしとフレンドリーなところもね」  切り盛りするのは、西永理佳さん(42)。66年前に創業した第一食堂の3代目女将です。 理佳さん 「笑って帰ってくれたら、腹いっぱいになって帰ってくれればいい」  理佳さんのモットーは、「おなかいっぱいの料理で幸せに」です。丼からあふれんばかりに盛られた「デラックス豚玉丼」は1200円です。40種類以上のメニューは、どれもボリュームが自慢です。 シンガポールから来た客 「ビッグ」 理佳さん 「ノーマル、ノーマル。ビッグはブワッ」  そんな理佳さんは、なんと365日、一日も休むことなく店に立つ働き者なんです。 マレーシアから来た客 「インターネットで。この食堂の評価が高かったから、来てみたかったんだ」  口コミがさらに広がり、とにかく大忙し。あまりの人気ぶりにお客さんが入りきれず、今では何と隣のお店を間借りしているほどなんです。 理佳さん 「みんな忙しいって、もうかっているでしょって言うけど、本当に日々値上がっていく。何でも灯油も電気代も食べ物も全部上がっているから、大変だよ」  押し寄せる物価高。それでも「おなかいっぱいの料理」でもてなすのが、理佳さんの信念です。毎日、安くて良い食材を調達するため、食堂の閉店後、自ら足を運びます。 理佳さん 「私がいつも見るところがあって、おつとめ品がここにある。もう最高!」  値引きされたお買い得品を、次々とお買い上げ。予算1万円で町内にある2軒のスーパーをハシゴするといいます。  一方、大事な商売道具には、お金をかける余裕はないようです。包丁の刃先が欠けています。 理佳さん 「変だなと思ったでしょ?折れた。いいの!使えるの」 「(Q.その鍋も取っ手ない?)ヤバいでしょ。だから、こっち持つ。いいの!使えるから」 ■難しい外出…理佳さんの手作り弁当が支える  番組では、1年前にも理佳さんを取材しました。そこで、彼女が休まず働く理由を知りました。 理佳さん 「ひとり暮らしの高齢者のお食事も朝昼晩という人もいる」  早朝4時、食堂の仕込みと同時に行うのは、高齢者に届けるお弁当作りです。配達料は無料で、外出が困難な雪国で古くからのお客さんの暮らしを支えたいという思いがありました。 理佳さん 「伊藤さーん!どうだい。体調はどうですか?」 伊藤さん 「おなか痛くて。今、寝とった。もうお迎え来てもいいな」 理佳さん 「ダメだよ!何言っているんだよ」  配達も自ら行うのは、高齢者の体調の変化を見逃したくないからだといいます。 理佳さん 「毎日行っている人は見られるから、変化に気付ける。朝、おしゃべりしてね、健康チェックOKって言ってね。必然的に休まない365日になってしまうんだな。お客さんがいる限り、休まない」  「祖母の代から続く食堂の味で、高齢で店に来られなくなった常連客たちも支えたい」。それが年中無休の理由です。 次女・朱里さん 「自慢のお母さんです。さすがに心配、体が。365日ずっと 何年もやっているから。だから洗濯とか掃除はお父さんと2人でやっています」  家族の支えを受けながら、奮闘していた理佳さん。あれから1年、高齢者に届けるお弁当は一人一人の体調や好みに合わせて中身を変えているため、「献立作りにはこれまで以上に頭を悩ませるようになった」といいますが…。 理佳さん 「大変なの。本当は、大変なの。だけど、楽しくやってんの」 「(Q.なんで楽しくやっている?)仕事が好きだから」 「どんな天気でも、届けんきゃならんのさ」  毎日、昼ごはんをお届けしている80代の片倉さんは外出ができないということですが、理佳さんの日替わり弁当が何よりの楽しみだといいます。 片倉さん 「おいしいですよ」 「(Q.中でも好きなのは?)全部好きよ。私出て歩いて、迷ったら困るからダメって娘に」 理佳さん 「ダメよってね」 片倉さん 「理佳さんいなかったら、私死んじゃう」 理佳さん 「うれしいこと言ってくれるのさ」 片倉さん 「本当に生きていられる、理佳さんおったら、生きていられる」 住民 「町のことも考えているしね。とにかく人のことが好きで考えている」 理佳さん 「どうやったら盛り上がるかね」 住民 「ここがアツい人」 理佳さん 「一緒一緒」 住民 「いや足元にも及びません」 理佳さん 「なにをゆーてますがな」 ■理佳さんの活動を支える…心強いボランティア  毎日、早朝4時の仕込みから午後7時の閉店まで、年中無休で大忙しの理佳さん。その活動を応援したいと、心強い助っ人も現れました。おにぎりを作る女性は、理佳さんの思いに共感した地元住民のボランティアです。しかも、この日は4人も! ボランティア店員 「輝いている理佳ちゃんがうらやましい。自分のできることで手伝えるんだから、最高」  さらに、この日は地元住民から申し出もありました。 地元住民 「ここで活用してもらおうと。お客さんにいっぱい食べさせているから、お裾分け」  「食堂で役立ててほしい」と、食材の差し入れです。珍しい黒大豆のおからがたくさんあります。早速、いただき物のおからでおかずを作ります。 理佳さん 「うの花だわ。おばあちゃんとかは好きかも。もらったもので、一品できました。本当に恵まれているなと、この食堂。だからやっていける。何もなかったら、潰れとるよ。きっと」 ■原動力は「町を元気にしたい」という思い  365日奮闘する理佳さんにとって、一年で最も忙しい日がやってきました。それは、大みそかです。もちろん、食堂の仕込みや高齢者への配達も通常営業。それどころか、食堂はいつも以上の盛況ぶりです。 シンガポールから来た客 「北の大文字のカウントダウンイベントが見たいの。大文字は京都でしか見られないと思っていたけど、北海道でも見られるなら行きたいと思って」  上富良野町で4年ぶりに完全開催される年越しイベントを見ようと、観光客がいつも以上に多かったんです。そのため、食堂の営業を終えたのは、いつもより1時間遅い午後8時でした。  早朝4時から、すでに14時間働き詰めの理佳さんが休む間もなく向かったのは、観光客が期待していた年越しイベントの会場でした。 理佳さん 「若者が一体となり、町の発展を祈願する」  自分の食堂だけでなく、この町を訪れる人をおもてなししたい。 理佳さん 「ハッピーニューイヤー!終わった!2024年の幕開けだ!始まるよ」  理佳さんは数時間の仮眠だけで、再び動き出します。 理佳さん 「ほら初日の出!ジャッジャジャーン。まぶしい!」 「お正月っぽくしてあげようかな」  「町を元気にしたい」という思いが原動力だといいます。 ■「初詣」 理佳さんの今年の願いは?  元日の午後4時半、食堂にやってきたのは…。 理佳さん 「あけましておめでとうございます。どうもお元気でしたか」 朱里さん 「はい」  娘の朱里さんが、新年のごあいさつに来ました。 理佳さん 「会いたかったら、食堂に来てって」 朱里さん 「(Q.お母さん、本当に休まない?)ね~正月なのにね」 「(Q.寂しくない?)慣れちゃった」  ちなみに自衛官をしている理佳さんの夫は、正月も勤務だといいます。朱里さん、この後のご予定は? 朱里さん 「バイトです」 「(Q.みなさん、よう働きますね?)遺伝です」  正月の家族そろっての団らんは、この2日後だったそうです。さて、初詣での理佳さんの今年の願いは? 理佳さん 「今年も元気に仕事ができるように」    きょうも、理佳さんは元気いっぱいのおもてなしをしています。 [テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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