彩りや健康に欠かせない野菜。その食料自給率は75%と高いですが、流通は海外に頼りきりです。トマトやレタス、ホウレンソウ、九条ネギなど、野菜の種のほとんどは、タイや南米のチリ、アメリカなどから輸入されています。
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しかし、ロシアによるウクライナ侵攻や、円安、中国の爆食といった影響により、海外からの食料や肥料、種の買い付けが困難になっているのです。日本の農業の行く末を考えます。
外国産のトマトの種を使用
「生で食べてもおいしいトマト」と松岡さん
この日訪れた弥富市のトマト農家では、収穫作業をしていました。松岡明廣さんのハウスでは1日3000個を収穫します。「生で食べてもおいしいし、加工して調理してもおいしいトマトです」と話す松岡さん。出荷場に運ばれたトマトは、大きさや色づきごとに選別され、店頭に並ぶころには食べごろになるといいます。
十分、自給できていると思いきや、じつは種は海外産。
松岡さん:
「『かれん』というトマトの品種の種なんですけど、タイ産なんです。ほとんどの(日本の)農家は、外国で採れた種を輸入して日本で栽培しています」
調べてみると「ホウレンソウ」、「レタス」、「ニンジン」、「九条ネギ」などなど、野菜の種はほとんど外国産。南米のチリやアメリカなどから輸入されていました。
海外に依存するのは、「種」だけではありません。
野菜作りに欠かせない肥料も輸入
茨城県・鹿島港に運ばれてきたのは、カナダ産の塩化カリウム。「塩化カリウム」は、根の発育を良くする肥料の原料です。花や実のつきを良くする「りん安」や葉と茎の成長を促す「尿素」と並び、現代の野菜作りには欠かせません。
日本ではそれらの資源を、ほぼ100%輸入しています。加工工場で製品化された肥料は、全国の農家の手にわたり、野菜の栽培に使用。つまり「肥料」も「種」も輸入が頼りなのです。しかも野菜の“本当の”食料自給率は3.8%との試算もあります。
「戦後の占領政策が今も続いている」
東京大学 鈴木宣弘特任教授
「野菜の食料自給率は3.8%」と計算したのは、東京大学の鈴木宣弘特任教授です。鈴木教授は、戦後の体制の中で食料の海外依存が決まってしまったと話します。
東京大学 鈴木宣弘特任教授:
「アメリカからの余剰農産物を日本は受け入れました。日本人が生きていくような方向性の戦後の占領政策が行われ、今も続いています。農産物は関税撤廃、これを“いけにえ”に差し出して、日本は自動車やほかの製造業の製品を売ってもうけて、食料はいつでもお金を出せば安く買える。これが食料安全保障だ、と。 こういう流れを我々自身もつくってきたわけですよね。それが今の結果なのです」
円安などの影響が続く
そして今、ロシアによるウクライナ侵攻や円安、中国の爆食の影響で、海外からの食料や肥料、種の買い付けが困難になってきています。
鈴木教授:
「輸入食料が買えなくなるとかね、そういうことにまだ実感が湧かないわけですよ。お店に行けば、食品は十分売っているじゃないか、と。皆さん、食糧危機が起こりうるそのときに、国内の農業がなかったらどうするのかという危機感がないんですよね」
「メディアがきちんと情報を伝えていくことが重要」と強く訴えた鈴木教授。日本国内でどのように種や肥料、それを作る農家を支えていくのか。具体的な政策を考えるときがきたのではないでしょうか。
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