MENU

Fun & Interesting

【うつ病】うつ病とアルコールの関係4つ【精神科医が11分で説明】アルコール依存症|自己治療|メンタルヘルス

Video Not Working? Fix It Now

0:00 (1)はじめに 0:20 (2)うつ病とアルコール依存症 3:59 (3)うつ病とアルコールの関係4つ 4:06 ①合併しやすい 5:46 ②自己治療としてのアルコール 7:28 ③アルコールでのうつ病悪化 9:16 ④重なって悪循環になる 10:23(4)まとめ うつ病とアルコールの関係は深いです。しばしばうつ病のつらさへの自己治療でアルコール多飲や依存が始まり、双方が合併して影響しあい悪循環になることがあります。 「うつ病とアルコールの関係4つ」について、精神科医が11分で説明しています。 出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長) こころ診療所吉祥寺駅前 https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所 https://fuchu-kokoro.com チャンネル登録お願いします https://www.youtube.com/c/こころ診療所チャンネル ↓詳しい内容はこちらです。 【テーマ】 うつ病とアルコールの関係4つ (1)はじめに うつ病になった人のアルコール依存の合併がよく言われます。一方で、アルコール依存になった人のうつ病の悪化や合併もまた指摘されています。この両者の関係はしばしば強く深いものがあります。本記事では、うつ病とアルコールの関係について4つの重要な点を解説していきます。 (2)うつ病とアルコール依存症 まず、うつ病とアルコール依存症について整理しましょう。 うつ病は、落ち込みなどの症状が続く脳の不調です。脳内物質セロトニンの不足などが主な背景とされます。うつ病の主な症状には、心の症状(落ち込みや不安、意欲の低下、集中力の低下)、体の症状(食欲の低下、疲れやすさ、自律神経症状)、行動の変化(人を避ける、声が小さくなるなど)があります。治療の3本柱は、休養、薬物療法、精神療法です。 一方、アルコール依存症は、アルコールの摂取に依存し、それを制御できなくなった状態です。進行すると身体的・精神的依存を合併し、急にやめると離脱症状が出ることもあります。重度になると脳機能の障害や肝臓などの重度の障害も合併し、身体面に重大な影響が出ることがあります。 アルコール依存症の可能性を見分けるCAGEスクリーニングでは、4つの質問のうち2つ以上該当すると要注意とされます。治療としては、断酒(解毒)が必要な場合があり、グループ活動も含めた内省などを主に行います。 (3)うつ病とアルコールの関係4つ ①合併しやすい うつ病とアルコール依存症は合併しやすいので注意が必要です。うつ病があって2次的にアルコール依存症を合併する場合や、アルコール依存症が続いた結果、2次的にうつ病を合併する場合があります。 うつ病からアルコール依存症への合併では、つらさを和らげる方法として飲酒が増え、次第に飲酒自体が目的となってアルコール依存に至る場合があります。アルコール依存症からうつ病への合併では、脳内バランスの不調やアルコール依存症の慢性化による身体的不調、生活の破綻などがストレスとなり、うつ病のリスクとなります。 合併した場合は、両者の治療を同時並行的に行う必要があります。重度のアルコール依存の場合は、解毒入院を行いながらうつ病の治療を重点的に行い、その後依存症への専門的な治療を並行して行います。 ②自己治療としてのアルコール うつ病のつらさに対して、自己治療としてアルコールを用いる場合があります。アルコールは短期的には不安を和らげ、寝付きを良くする効果がありますが、これらの効果は耐性がつきやすく、長期的には逆効果になることが多いです。 慢性的に自己治療としてアルコールを摂取し続けると、必要量が増加し、多量飲酒やアルコール依存につながります。元のうつ症状は改善せず、むしろ悪循環となって悪化しやすくなります。また、多量飲酒が続くと脳や身体面にも影響し、生活面でも困難が目立つようになります。 ③アルコールでのうつ病悪化 多量飲酒が続くと、脳内のバランスの不調からうつ病が悪化しやすくなります。また、多量飲酒による様々な身体不調がストレスとなり、うつ病悪化につながります。アルコール依存症に至ると、さらに悪循環が強くなり、うつ病も悪化します。 アルコール依存症の主な身体合併症には、肝機能障害、食道静脈瘤、筋力低下、脳の機能障害、末梢神経障害などがあります。これらの身体合併症は、さらなるストレス要因となり、うつ病を悪化させる可能性があります。 ④重なって悪循環になる うつ病とアルコール依存症が合併すると、相互に悪影響を及ぼし合い、悪循環に陥りやすくなります。うつ病のつらさがアルコール依存症を悪化させ、アルコール依存症の悪化がうつ病を悪化させるという関係性が生まれます。 この悪循環により、飲酒しないと落ち着いた生活や会話が困難になったり、日常生活全般に支障をきたすことがあります。また、自己判断で急にアルコールを断つと、強い離脱症状が出る場合もあり、専門的な入院治療(解毒)が必要になることもあります。 (4)まとめ うつ病とアルコールの関係について、4つの重要な点を見てきました。 1. 合併しやすい 2. 自己治療としてのアルコール 3. アルコールでうつ病が悪化 4. 重なって悪循環になる これらの関係性を理解することで、うつ病とアルコール依存症の複雑な相互作用が明らかになります。両者が悪循環に陥ると、対策が非常に困難になるため、うつ病もアルコール依存症も早期発見と早期治療が極めて重要です。心身の健康に不安を感じたら、速やかに専門医に相談することをおすすめします。 こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station) 府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695) #うつ病 #アルコール  #自己治療  #メンタルヘルス  #精神科医  【監修者】 医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎 精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医) 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

Comment