石本美由起作詞、船村徹作曲。
ちあきなおみと細川たかしの競作となった曲です。
作者も競作者も同じ「さだめ川」も投稿しておりますが、この二曲に共通するのは『川を渡る恋の歌』ということです。小説や詩の世界では『川』は人と人を隔てるものや暮らしを隔てるものの比喩として使われてきました。
東京葛飾区柴又と千葉県松戸市下矢切の江戸川を行き来する『矢切の渡し』は、都内に唯一残る渡し舟です。もともとは江戸川の両岸に農地を持つ農民のための渡し舟でしたが、現在は柴又帝釈天などと共に観光コースのひとつになっています。
曲を通して刻まれる艪を漕ぐようなリズムは、聞いても弾いても心地よく、舟で揺られている気分になります。
様々なしがらみを捨てて川を渡ったふたりは、新しい土地で幸せに暮らしているでしょうか。そんなふたりに思いを馳せて『川を渡る恋の歌』を、同じテーマでも曲調の違う「さだめ川」とあわせてお楽しみください。