長年にわたって東京の地下鉄丸ノ内線で使用され、その後、アルゼンチンに渡っていた車両「500形」が20年ぶりに里帰りし、走行当時の姿に修復されてお披露目されました。
お披露目された500形は1957年に丸ノ内線でデビューし、長らく親しまれてきましたが、1996年に引退し、その後アルゼンチンのブエノスアイレス地下鉄に譲渡されていました。
東京メトロは社員の技術教育の充実を目的に2016年の7月、20年ぶりに500形を里帰りさせ、プロジェクトチームを立ち上げて修復を進めてきました。
修復された車両は3両で、手動で開け閉めする窓や荷物棚など、60年前の丸ノ内線の雰囲気が再現されています。赤い車体と白い帯に加え、丸ノ内線のシンボルといわれる「サインウエーブ」の模様もきれいに修復され、戦後の昭和を走り抜けた往時の姿が現代によみがえりました。
東京メトロの留岡正男常務は「昔に思いをはせる人もいるだろうし、今の人には60年前でもこういう電車を作るスピリットがあったことを見てもらいたい」と話しています。
東京メトロは今後、500形をイベントなどで公開するほか、さらに修復を進めて、実際に走ることができるようにする考えです。