紀伊半島南東部、奈良県と三重県の県境に位置し、標高1695mの最高峰・日出ヶ岳を中心に台地状のたおやかな山並が広がる大台ヶ原。日本百名山にも選定され、また山頂近くまでドライブウェイが通じていることから、シーズンには登山者のみならず多くの観光客が訪れますが、そんな賑わいをよそに今は人知れずひっそりと山上に眠る鉄道遺構(軌道跡)を訪ねます。
後編はかつて大台ヶ原山上から三重県側の樫山へと敷設されていた森林軌道のうち、尾鷲辻南東の白サコと呼ばれる地点から大蛇嵓方面への軌道跡を辿り、大蛇嵓と蒸篭嵓に遺された隧道(トンネル)を目指します。
今回の軌道跡の探索及び軌道に関する史実は、主に
日本の廃道第44号「大台林業軌道探索OFF報告 資料編」
日本の廃道第45号「大台林業軌道探索OFF報告 報告編」
三重県の森林鉄道 -知られざる東紀州の鉄道網ー
を参考にさせていただきました。