MENU

Fun & Interesting

なぜあの人はうつ病なのに人前で明るいの?【精神科医が7分でまとめ】微笑みうつ病|過剰適応|躁的防衛

Video Not Working? Fix It Now

0:05 (1)はじめに 0:27 (2)うつ病と、人前では明るい「微笑みうつ病」 1:29 (3)微笑みうつ病の背景やサイン等 4:41 (4)微笑みうつ病の可能性があった時の対策 6:29 (5)まとめ うつ病で「なぜうつ病なのに人前で明るいの?」との質問を受ける事があります。うつ病の中に、人前では明るくふるまう「微笑みうつ病」があり、「過剰適応」や「躁的防衛」が主な背景とされます。無理する事からの悪化リスクもあるため、早めに気づくことが大事です。 その背景と対策も含め精神科医が要点を約7分の動画にまとめています。 出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長) こころ診療所吉祥寺駅前 https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所 https://fuchu-kokoro.com チャンネル登録お願いします https://www.youtube.com/c/こころ診療所チャンネル ↓↓内容の詳細は下記になります。 (1)はじめに ご質問にお答えします。今回は「なぜあの人はうつ病なのに人前で明るいの?」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。 今回お受けしましたご質問は「なぜあの人はうつ病なのに人前で明るいの?」という質問になります。 お答えとしては、「もしかすると微笑みうつ病」とお答えします。 (2)うつ病と、人前では明るい「微笑みうつ病」 <うつ病とは> うつ病は、各種のうつ症状が続く脳の不調です。 脳内物質「セロトニン」の不足などが背景と言われています。 その中で、典型的な落ち込みが目立たないタイプのうつ病の方もいます。 <典型的なうつ病の症状> まずは「落ち込み」いわゆる「抑うつ気分」。 また楽しみがなくなる「興味の減退」ややる気がなくなる「意欲の減退」。 あとは「罪悪感」、自分を責めすぎ「周りに迷惑かけてしまう」と感じる事があります。 これらが一般的なうつの症状になりますが一方で「一見人前では明るいうつ病も」あります。 <微笑みうつ病> これは正式な医学用語ではないですが、俗称で使われます。 内側にはうつ病の落ち込みを秘めている一方、人前では明るく振る舞うタイプのうつ病の方です。 そのため、一見すると「うつ病」のようには見えにくいのが特徴です。 (3)微笑みうつ病の背景やサイン等 <微笑みうつ病の状況> 一つは「つらいけれどもつらく見せない」というところ。 そしてある種「その場を装うという力はまだ残ってはいる」状態です。 ただ後で説明するように、この「エネルギー」が消耗しやすいのも微笑みうつ病の特徴になります。 <微笑みうつ病の背景> これは「本当はつらいんだけどつらく見せない」というメカニズムです。 代表的には、「過剰適応」と「躁的防衛」の2つが言われます。 ①過剰適応 過剰適応は「自分の状況を無視して相手に合わせすぎる」状態です。 その結果、本当の状態「つらい状態」と人前での「明るい状態」、この2つが大きく乖離してします。 これは無理をしているためストレスはむしろ強まり、エネルギーを消耗し悪化するリスクが高いため注意が必要です。 ②躁的防衛 これはつらいときに「むしろ逆のことをする」ことで自分を守る「防衛機制」の一つです。 これをすると本当は「つらい」が外には逆の「明るく元気に見せる」状態となり、見え方は「うつ」に見えにくいです。 一方で、これもやはり無理をしている状態のため、悪化のリスクが高く注意が必要です。 <微笑みうつ病のサイン> まずは「仕事中は動けるが終わると体が重くなって動けなくなる」方がいます。 また「仕事中は明るく振る舞うが、仕事が終わり一人になると強く落ち込む」方もいます。 また、休みの日に非常にぐったりしてしまう方もいます。 <微笑みうつ病でのリスク> 「助けを求めない」、「理解されにくい」、「進行しやすい」の3つが主なリスクです。 ①助けを求めない 基本的には「過剰適応」のため「外にはつらさを出す罪悪感」から助けを求めない事があります。 そして、自分でも日中は元気だと思ってしまう場合もあります。 また、「話しても理解されないのでは」と思い言えない場合もあります。 ②理解されにくい 微笑みうつ病は外からは元気に見え、落ち込みが目立ちにくい状態です。 いわゆる「うつ病」のイメージとは違う面があり理解されにくいところがあります。 そして、相談時の様子も一見元気に見えることがあり、さらに理解されにくい場合があります。 ③進行しやすい 基本的に「過剰適応」「躁的防衛」とも無理してある種「とりつくろう状態」で、そのストレスが重なります。 「本来のストレス」と「とりつくろうストレス」が両方重なり、負担が強まりリスクが上がります。 そして「自分のつらさに気付きにくい」面があり、無理してしまって不調になりやすくなります。 そして、上の2つを背景に「他者のサポートが入りにくい」ことも悪化のリスクになります。 (4)微笑みうつ病の可能性があった時の対策 「この微笑みうつ病と自分で思ったらどうすればいいか?」というご質問があります。 答えとしては「段階的に対策をとっていきましょう」ということになります。 微笑みうつ病の対策は、「自分の状態を知る」、「自主的に対策する」、「相談する」、「受診する」の4段階です。 ①自分の状態を知る まずは今の状態が典型的ではないが「うつかもしれない」と知ることです。 そして背景にある「過剰適応」的な状態を知ること。 そしてこれらは「対策が必要」なことを知ることです。 ②自主的に対策する まずは「基本の睡眠や疲労の対策」十分行い疲れを少しでも取ること。 続いてはストレスをなるべく発散し「ためない」ようにすること。 そして3つ目は「負荷の調整」やることを絞る等で負担感を少しでも減らすことです。 ③相談をする まず、今の状態が(非典型的だが)うつの状態と思われることを伝えます。 そして可能なら「業務の軽減」等の対策がとれないかを相談します。 ここで大事なのが「理解されないリスク」を予め想定し、否定されたときの影響を減らすことです。 ④受診する いろいろ対策をとっても難しい場合は受診を想定します。 まずは「会社に行けない時」、これは早めに受診が必要です。 そして「不調かつ相談がうまくいかない」時も受診を想定します。 あとは「自主的な対策などをしても悪化が続く時」も受診が選択肢です。 (5)まとめ 今回はご質問「なぜあの人はうつ病なのに人前で明るいの?」について見てきました。 うつ病の中には典型的な落ち込みが目立たず、人前では明るい「微笑みうつ病」というタイプの方がいます。 一見軽そうにも見えますが多くの場合実際は異なり、かつ無理してしまうなどから悪化リスクもあります。 もし、自分で気付いたら状態を知りつつできる対策を取って、周りと相談していきます。 それらでも打開することが困難であれば受診を検討します。 こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station) 府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695) #うつ病  #微笑みうつ病  #人前では明るい #過剰適応 #躁的防衛   【解説者】 医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎 精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医) 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

Comment