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70歳以上の地下鉄・バスの優待乗車証“敬老パス”最大5万円以上の優待制度見直しめぐり、利用者から困惑と怒りの声 札幌市

HBCニュース 北海道放送 15,783 lượt xem 1 year ago
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札幌市が高齢者に交付する優待乗車証「敬老パス」。
 札幌市は制度の見直しを進めていますが、利用者から困惑と怒りの声が上がっています。
 背景には、制度の目的と利用実態のかい離があるようです。

札幌市の敬老パス利用者
「地域でのコミュニケーションと言うが、敬老パスと関係がないのではないかと思う」
「(上限額を)目いっぱい使って、いろいろな活動や外出してる人にとってみると、縮小されたような、後退したような、そんな印象を持ちました」
「悪いものにする案ばっかりです。本当に改善して下さい。だめです、この案は」

 札幌市の職員に投げかけられた市民からの困惑の声。
 その理由は、札幌市が70歳以上の市民を対象に交付している、地下鉄やバスなどの優待乗車証「敬老パス」についてです。
 現在の敬老パスは、利用者の自己負担額に応じて、優待を受けられる仕組みです。
 1000円の自己負担で1万円、最大1万7000円の自己負担で、5万3000円の優待が付き、7万円分利用できます。
 1975年の導入当初は無料でしたが、高齢者の増加と市の財政状況から、2005年に自己負担制度に変更。
 2009年には負担率の引き上げなど、段階的な見直しが行われてきました。

 去年11月、市が発表した見直し案が、いま物議を呼んでいます。
 見直し案は、現在の自己負担による優待制度をなくし、新たにポイント制度にするものです。
 スマートフォンの専用アプリやポイントカードを使い、日常生活で歩いた歩数、介護予防教室や地域の活動に参加することで得たポイントを、2万円を上限に、敬老パスにチャージして利用できる仕組みです。
 また、これまで要望が多かった、JRやタクシーでの利用も検討されています。

札幌市高齢保健福祉部 横谷大二郎調整担当課長
「(敬老パスを交付した)半分以上の方々が実は利用していない。健康や社会参加を促すための仕組みが、必ずしもすべての対象者には届いていない点が制度の大きな課題となっている」

 札幌市は、制度の見直しの背景に、交付者の利用実態に大きな偏りがあると話します。
 敬老パス交付者のうち、およそ57%が「利用していない」一方、およそ9%が「5万円以上」を利用しています。
 その9%の人に、敬老パスの事業費の半分となる約24億円が必要とされています。
 一方、敬老パスを利用している人も黙ってはいません。

敬老パスの利用者
「結局ポイントがなければ、一切使えないということなんでしょうか?」

 利用者が憤る、その訳は。

敬老パスの利用者
「何万歩、歩いたら2万円のポイントが付くのか?本当に歩くのが大変で…」
「いまのカード(現行制度)を残すことも選択肢に残して下さい」

 札幌市が制度の見直しを進める優待乗車証「敬老パス」。
 利用者から寄せられた困惑の声に、札幌市は…

札幌市高齢保健福祉部 横谷大二郎調整担当課長
「(敬老パスは)交通機関に乗っていく目的の交通施策ではなく、福祉施策ですので、身近な(福祉)活動をしっかり支えて、(敬老パスを)今まで利用していない人々にも役に立てる制度にしていきたい」

 意見交換会に参加した手稲区の高橋孝夫さん(72)です。
 75歳で運転免許の返納を考えていましたが、敬老パス制度の見直しを知り、不安を感じています。

敬老パスを利用 高橋孝夫さん(72)
「見直し案には反対。75歳ぐらいになったら、免許返納を考え出したときに足がないと困る。社会参加うんぬん言われても、もう年齢的にそういうことができる年代じゃない」

 体力づくりが日課という高橋さん。
 この日、車で向かった先は、週に1度通っている市の健康づくりセンターです。
 ほかにも週に3回、市内各区のプールにも、バスと地下鉄を使い、通う高橋さん。
 健康づくりのため、移動に敬老パスは欠かせないといいます。

敬老パスを利用 高橋孝夫さん(72)
「(高齢者は)足があって外に出る算段なので、外に出るのを『ポイント付くよ』と言われても、『足はどうするんだ』という話になる。“意識高い系”のお年寄りは言われなくてもやってんじゃないすか。ポイント付いても付かなくても」

 敬老パスを使い健康づくりにつなげたい札幌市。
 市民の意見をどう制度の見直しに繋げていくか問われています。

札幌市高齢保健福祉部 横谷大二郎調整担当課長
「半分以上の高齢者の人々に福祉施策が届いていない状況がある。ここは何らかの形で必ず改善を図っていく。(年間)50億円規模の事業費を維持しながら、公平に受益が行き渡るような制度にしていきたい。幅広く、若い世代にも意見をもらいながら、市民で制度を作っていきたい」

 人口のおよそ3割と高齢化が進む札幌市で、移動の足として定着した「敬老パス」の見直しには、市民とのさらなる対話が必要です。

 札幌市は今月末までに、北・清田・中央・豊平・厚別・西・東の7区で市民との意見交換会(事前申し込み不要、在住の区以外も参加可)を開く予定で、2025年度の新制度開始を目標に見直しを進めています。2024年01月10日(水) 19時24分 更新

#北海道 #ニュース #HBC

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