日本における人形の歴史は縄文時代の土偶にまで遡り、信仰の対象としてつくられはじめたとされます。不思議な力を持つと信じられ、ときには身代わりとしても使われた一方で、玩具としての人形も1000年以上前から存在していました。これらが江戸時代になると節句の行事と結びつき、やがて雛人形や五月人形がつくられるようになります。現在、日本人形は国内外で美術品や工芸品として高く評価され、とりわけ埼玉県は岩槻、鴻巣、越谷を筆 頭に日本最大の人形生産地として知られています。狭山市も浅草橋で修行した小澤雛屋(現・狭山清玉)を師とする人形店が立ち並び、 最盛期には職人の家が20軒ほど存在しました。
今回は、収蔵品の中から狭山市内にあった人形店「川島屋」や「岡野人形店」のものをはじめとする、選りすぐりの人形たちを大公開します。また、奥富公民館で開催される 「奥富ひなまつり」より、段飾りと吊るし雛の特別展示もあります。人形の文化や人形づくりを通し、「ものづくりの街 さやま」をご案内します。
制作:狭山市立博物館
構成:小林二季、梶浦さくら(狭山市立博物館)
編集・撮影:梶浦さくら(狭山市立博物館)
音楽:和を感じさせるピアノソロBGM
NaruIDEA / Audiostock