シリア北西部ラタキアは、イスラム教シーア派の分派アラウィ派が多く住む地域で、アサド一族とその支持者にとって権力基盤の中枢だった。それでも13日には、アサド政権の崩壊を歓迎するためあらゆる宗派の住民が市内中心部に集まり、独裁政権からの解放を祝った。
シリア各地の都市と同様、ラタキアにもさまざまな武装勢力が権力の空白に入り込んだ。アサド政権打倒の動きを主導したスンニ派勢力「ハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS、「シャーム解放機構」の意味)」は、シリアのすべての宗教・宗派を尊重すると約束しているが、ラタキアに住むアラウィ派の住民はおびえている。
シリアでは人口の大半がスンニ派で、アラウィ派は約1割。
夫が旧政権の軍高官だったというアラウィ派のヌールさん(仮名)は、HTSとは異なる武装勢力に自宅を占拠されたとHTSに訴えた。HTSの部隊が彼女を救出し、ヌールさん宅に押し入った勢力の指揮官を電話越しに𠮟責(しっせき)する事態となった。
ヌールさんはラタキアに残るのは不安なので、出来る限り早く街を出るつもりだと話す。
ラタキアを離れるのはアラウィ派だけでなく、近くの空軍基地からはアサド政権を支えたロシア軍の兵も次々とシリアを発っている。
BBCのクエンティン・サマヴィル特派員が現地から報告する。
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