MENU

Fun & Interesting

【ルート解説】両神山 八丁峠コース詳細ガイド「鎖場天国は鎖場地獄?」Course Guide of Mt. Ryogami

Video Not Working? Fix It Now

2022年6月18日土曜日、秩父の百名山「両神山」に登りました。両神山は百名山の中でもややマイナーで取っ付きにくい雰囲気のある山です。秩父の奥地という立地もさることながら、鎖場が連続するルートを擁する険しい山であることも、そのような雰囲気を醸し出している要因でしょう。 4月に二子山に登った時、両神山の山頂へギザギザと続く異様な姿の稜線が見え、そこを歩いてみたい気持ちが高まりました。両神山は標高が1723mと百名山としては低く、夏は暑すぎて登山に向きません。アカヤシオなどの花の季節も終わった梅雨の時期。最適の時期とは言えませんが、我慢できずに山へ向かいました。 今回は両神山の数ある登山ルートの中でも最も個性的で険しい「八丁峠ルート」から山頂を目指します。 【お知らせ】 ★4Kに対応した編集をしています。メインカメラは4Kで撮影しておりますが、一部のシーンは4K非対応のカメラで撮影しておりますのでそれほど画質が良くありません。また、薄暗い道のシーンは光量不足により手ブレしております。ご承知おきください。 【チャプターリスト】 0:00 オープニング・登山口へのアクセス 1:36 上落合橋駐車場~八丁峠 4:36 八丁峠~行蔵峠 9:25 行蔵峠・西岳 13:23 社ピーク 15:49 東岳 20:54 両神山山頂へ 24:04 両神山山頂~八丁峠 27:09 下山・エンディング 【アクセス】 秩父市街から国道140号を西へ走り、滝沢ダムのダム湖に架かる中津川大橋の直前で県道210号へ右折。中津峡に沿ってどんどん山奥へ進んで行きます。ダム湖からは携帯の電波どころかGoogleマップがGPSを掴まなくなりました。石灰採取工場などを越えて山道を奥へと進みます。手掘りのようなトンネルを通ったり、廃墟のような建物の横を通ったり、夜は完全にホラー映画の舞台でした。(早朝から行動したかったので車中泊です)しばらく行くと林道になり、道の真ん中に小さな落石があったり路肩に土砂が積もっていたりの荒れた道になります。ですが、道はずっと舗装されているので慎重に運転すればパンクの心配はないと思います。 ダム湖の分岐から210号線を走ること約30分、道の左側に8台ほど駐車できる無料の上落合橋駐車場があります。このすぐ先に上落合橋登山口があります。ちなみに車道をそのまま進むと八丁隧道を抜けて国道299号へ抜けられますが、2022年6月現在通行止めになっていてこれ以上は進むことができません。 上落合橋駐車場が満車の場合、来た道を少し戻れば路肩に駐車スペースが何か所もあります。それほどメジャーなルートではありませんので、全てが塞がることはないと思います。私は前夜から車中泊をしましたが、4時半頃までは完全に貸し切り。下山した11時台は駐車場のみ満車で路肩の駐車はゼロでした。 ★注意★ 今年の7月1日から平日の8:30~15:30は途中のトンネル工事のため駐車場までの道が全面通行止めになります。平日はほぼ登山不能になるようですのでご注意ください。 【ルート概要】 ①上落合橋登山口~八丁峠 登山口にあるハシゴを登って登山スタート。しばらくは沢の左側をゆるやかに登っていきます。一枚岩が削られた滑らかな沢や小さな滝を右に見ながら気持ちよく歩きます。少し行くと道は沢から離れ、左の急な斜面をつづら折りに登っていく道になります。手を使って登るような岩場はありませんが急な斜面です。登山口から標高差約350m、50分程登り続けると、八丁峠に到着します。分岐を左に少し進むとテーブルとベンチが置かれた展望台があります。木の葉が落ちる冬以外は全く展望がありません。八丁峠には八丁トンネル登山口や、赤岩尾根への分岐があります。 ②八丁峠~西岳 八丁峠からしばらくなだらかな道ですが、鉄塔の跡を通り過ぎた辺りから徐々に傾斜がきつくなっていきます。そして峠から10分程で1つ目の鎖場が出てきます。ここから両神山山頂まで約20か所の鎖場があり、30本を超える鎖が設置されているそうです。中には数10m続く長い所やオーバーハングした崖を登る箇所もあります。鎖がない場所も基本的には岩の道で、手も足も使って進むことになります。 峠から30分程進むと1つ目のピークに到着。そこからは両神山の山頂とそこに続く八丁尾根が見渡せます。両神山があまりにも近くに見え、平坦な道ならすぐについてしまいそうに思えます。ところが、せっかく登り切ったピークをまた下り、再び急な斜面を登ります。 アップダウンを繰り返し長い鎖場を登りきると「行蔵峠」のピークに着きます。峠というよりは山頂のような地形です。地形図ではすぐ先が西岳ですが、かなりの崖を下ってまた登ると、ようやく西岳に到着。八丁峠から800m程の道のりにも関わらず1時間近く掛かりました。 ③西岳~東岳 西岳の端まで行くと両神山山頂が見えますが、あまり近付いた実感が得られません。足元はかなりの傾斜で下りていく岩場、そしてその先にほぼ垂直にそびえ立っているように見える東岳が見えます。 西岳から急傾斜を下り切ると、岩が庇のように張り出したところに出ます。雨が降ってきたときの避難所にもなります。そして西岳から20分程進んだところの長い長い鎖場を登り切ると、小さな社があるピークに出ます。その社の後ろには「尾の内ルート」への分岐があります。入口を完全に塞ぐように厳重に張り巡らされたトラロープと警告の看板が、間違えて進むと危険であることを示しています。地図にもこのルートは載っていません。 その先は蟻の戸渡りのような細い岩の上を歩く場所があったり、オーバーハングした岩を登る鎖場があったりと、このルート上で最も危険で困難な岩場が続きます。岩を直登するか左右に巻くか、迷いやすい箇所もあります。 西岳から800m程の道のりを50分程掛かって辿り着いたピークが東岳です。山頂は少し広くなっており、ベンチとテーブルが1セットありました。北側の眺望は両神山山頂よりも良く、二子山やその奥の群馬の山々、武甲山に続く秩父の山々などが良く見えます。このルート上で最高の休憩場所です。 ③東岳~両神山山頂 東岳から先は今まで比べればなだらかな道が多くなります。地形図を見るとなだらかな稜線上を進めばいいように見え、すっかり油断して手袋を外してリラックスして進みました。ところが、両神山直前のピークを過ぎた辺りに標識が出てきました。どう考えても尾根上を直進したくなる道ですが、そちらは行き止まり。左に降りて行ってしまうように見える方に向かって「両神山頂」の指示標が。何かの間違いのようですが、標識を信じて斜面を降ります。尾根の左の斜面を横切るように道が続き、最後にまたしても鎖場。この鎖場が長い上、岩が「逆層スラブ」のようになっていて掴みにくく滑りやすい。慎重に登っていくと岩場の先に明るい空が見え、唐突に両神山山頂に飛び出します。登山口から山頂までは3㎞にも満たない距離ですが、所要時間は約3時間半。横より縦の移動が多く感じられるとてもハードなルートでした。 両神山山頂には木も多く生えていますが、場所を選べば色々な方角の展望が楽しめます。晴れた日には奥秩父の山々やその奥に八ヶ岳、富士山、アルプスなどの山々が見渡せます。 両神山山頂から登山口へは作業道で下山すると1時間半ほどで下れるそうですが、現在は通行止め。来た道を戻ります。八丁峠までは登り同様アップダウンを繰り返すので足も手もヘトヘトになります。八丁峠からはずっと下りで登山口に戻ることができます。 【感想】 八丁峠コースで登る両神山。全身を使って進むトゲトゲの岩尾根歩きは、体力的にも技術的にも難易度の高いコースでした。しかし、尾根上の色々な所から楽しめる眺望や、変化に富んだ登山道、全身を使うアスレチック感が楽しめる、両神山の個性が凝縮されたようなコースでもありました。鎖場に慣れた人が慎重に行動すればそれほど危険な箇所はありません。とても楽しいおすすめのコースです。 このルートですれ違った方は全員ヘルメットを着用していました。また、ほどんどの場所で手を使うので滑り止め付きの軍手がおすすめです。(ワークマンのTAKUMIという軍手は100円程度なのに最高でした) 【BGM】 Song2,4,5,8,10:from MATSU(https://www.youtube.com/c/MATSU_MA2Sound) Song3: Green Forest - Riot(YouTube Audio Library) Song6,9: Kevin Graham - Breaking Through(Vlog No Copyright Music) Song7: Omri Smadar - Shallow Water Remix(Vlog No Copyright Music) Song11: Roman Müller - Easy Life (Vlog No Copyright Music) 【YAMAP活動記録】 https://yamap.com/activities/17981991 #日本百名山 #両神山 #八丁峠 #鎖場 #クライミング

Comment