今回の山行は、私達にも起こりうる道迷い遭難について考えさせられました。
その事について、まず書きたいと思います。
タカハタ谷ルートで下山中のことです。
尾根から谷へ向かう途中に水場があります。
水場を過ぎると下山時は登山道の左側が谷になります。
その谷の向こうの尾根(かなり急斜面)から人が転がり落ちる姿が見えました。
落ちる方向は私達の進む方向と同じですが、その先が見えません。
滑り落ちる状態ではなく、転がり落ちており滑落状態です。
幸いすぐに留まって、私達から見える位置にいます。
私達も混乱してしまい、なぜあんなところに人がいるのか分かりませんでした。
最初、ルートファイティングをしているのだろうかとも思いました。
しかし転がり落ちている状況は普通ではありません。
こういう場面では、すぐに理解が出来ないのですね。
とりあえず大声で「大丈夫ですか」と声をかけました。
そうすると「道に迷って、こんなところに来てしまった」と返答がありました。
幸い怪我はなく動けそうです。
登山道はこちら側ということを伝え、相手側の状況を聞きました。
そうすると下側はもう崖で下れないとのこと。
上側を見ても、登るには厳しい斜面です。
少し待ってもらい、私達も下山方向に進んでいくと、比較的相手の方と近い位置まで来ることが出来ました。
登山道との位置関係を見るとこちら側に来れそうです。
しかし斜面は厳しく、こちら側に来るにも危険があります。
レスキューも考えましたが、斜面を見てこちら側に向かいますとのこと。
私達はどのあたりを通る方が良いかを、声をかけながら見守りました。
ですが相手の方もかなり怖かったようで足の踏ん張りが弱くなってました。
何度も滑り落ちそうになりながら、トラバースして来ます。
私達も緊張が続きます。
なんとか大丈夫な場所までたどり着きましたが、相手の方も緊張のために足元がおぼつきません。
かなり怖かったと思います。
装備を見ると、しっかりした山登りの格好をされています。
最初はカトラ谷で登ろうと思って来たが、通行止になっており、急遽タカハタ谷で登ったとのこと。
登山は一年半ぶりでブランクがあったようです。
予定変更と過信が今回の道迷いの原因だったようです。
その方は私達にお礼をおっしゃられて、また登っていかれました。
無事に登頂と下山されていることと思います。
道迷いや事故によって遭難は私達にも起こりうることは理解しているつもりでも、どこかで楽観的に考えていると思います。
道迷いをされた方に対して、「なぜ」や「どうして」等、偉そうに言う気持ちはありません。
今回の方も金剛山を楽しむつもりで登ったが、失敗をしたということ。
道に迷われても生きるために、その方のベストを尽くして登っていたと思います。
長くなりましたが、このような経験をしました。
登りで通ったツツジオ谷も金剛山では人気のルートです。
ですがこのルートも事故が多く、滑落死されている方もいます。
金剛山は初心者からベテランの方が楽しめる山です。
そのため、初心者の方が間違って難ルートに入ってしまうことが多いようです。
実際、金剛山のバリエーションルートは危険箇所が多く、案内板もありませんので、普通の登山道よりはるかに難しいです。
ですが、そのような道も慎重に歩けば楽しい道になります。
ツツジオ谷ルートも氷瀑やアドベンチャー気分を味わえる登山道でした。
今回歩いたルート
ヤマレコ
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1683115.html
YAMAP
https://yamap.co.jp/activity/2874451
#ハイキング #健康 #趣味 #登山