0:05 (1)はじめに
0:26 (2)HSPとは何か
2:54 (3)HSPの特徴5つ
3:02 ①物事に気づきやすい
3:55 ②刺激に圧倒されやすい
5:00 ③深く考える
5:55 ④共感しやすい
6:52 ⑤疲れやすい
7:50 (4)まとめ
HSP(Highly Sensitive Person)は「とても敏感な人」を意味する心理学用語で、日本では「繊細さん」と言われることもあります。精神医学的には「生来の不安障害(不安神経症)」のことが多いですが、時に発達障害の感覚過敏が背景のことがあります。
「HSPの特徴5つ」につき、精神科医が要点を約8.5分の動画にまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)
こころ診療所吉祥寺駅前 https://kokoro-kichijoji.com
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↓↓内容の詳細は下記になります。
(1)はじめに
精神疾患セルフチェック。今回は「HSPの特徴5つ」を見ていきたいと思います。よろしくお願いします。
とても敏感な人を指す「HSP」医学用語ではありませんが、最近話題になることが増えています。
今回は、この「HSPの特徴5つ」を見ていきます。
(2)HSPとは何か
「敏感な人」を表す心理学用語です。
<HSPとは>
HSPは英語では「Highly Sensitive Person」、日本語では「とても敏感な人」俗称として「繊細さん」とも言われます。
意味としても「とても敏感な人」を指す心理学的な概念で、心理学者アーロン博士が提唱したものです。
該当する人の割合には諸説ありますが、広くとると10-20%が該当するという説もあります。
<精神医学的には…>
あくまでHSPは「心理学的な用語」のため、医学的な話とは別になります。
ではHSPが「精神医学的」に何かというと、生来の「不安障害」(日本でいう不安神経症)に該当することが多いです。
その中で、一部「発達障害(ASD・ADHD)での感覚過敏」が背景の方もいるようです。
<HSPの4つの特性>
略称として、4つの特性の英語の頭文字を取ってDOES(ダズ)とも言われます。
①処理の深さ(Depth of processing)
良くも悪くも「深く考える」特性です。
②刺激を受けやすい(Overstimulated)
いろいろな物事に対して刺激を強く受け反応しやすい特性です。
③感情的反応性・共感性の強さ(Emotional reactivity and High Empathy)
人との関わりで、感情的に反応しやすく共感しやすい特性です。
④些細な刺激への敏感さ(Sensitivity to Subtleties)
いろいろな刺激に対して、「ささいな刺激でも敏感に反応する」特性です。
<HSPで困ること>
まずは「疲れやすい」色々な刺激を強く受け取る等から疲れてしまいやすい特徴があります。
次に「巻き込まれやすい」人に良くも悪くも共感する結果、悪いことにも巻き込まれやすい弱点があります。
そして「二次的な精神不調のリスク」疲労やストレスの蓄積などから、うつなど「二次的な精神不調」のリスクが生じます。
<HSPの対策の方向性>
まずは「考えすぎない練習」が大事になります。
そして、刺激で疲れてしまうので、「なるべく刺激を減らす方向の環境調整」が大事です。
もう一つが人に巻き込まれ過ぎないように「対人距離をしっかり確保する」こと。
4つ目は疲れなどに対しての「リラックスと休養」を、方法論等も含め身に着けることです。
(3)HSPの特徴5つ
「敏感さがさまざまな形で出る」ことがあります。
①物事に気づきやすい
プラスもありますが、疲弊には注意です。
<物事に気づきやすい>
HSPでは些細な刺激に敏感で色々なことに気付きやすいです。
その結果、難しい発見や改善につながることもあります。
一方で疲弊や対人関係の悪化に注意が必要です。
<プラスの面>
まずは色々気づくことで「新しい発見につながる」こと。
そして「見落としやミスが少ない」点も長所になります。
そして、色々気づくことで「内面の充実にもつながる」面があります。
<マイナス面>
まずは「疲れやすくなる」、気づきすぎて疲れやすいことがあります。
そして細かいことを指摘しすぎて相手から嫌われる「対人トラブルのリスク」。。
もう一つが気づき気を取られる事での「集中しにくくなる」ことです。
②刺激に圧倒されやすい
「敏感さがマイナスにいくことも」あります。
<刺激に圧倒されやすい>
HSPでは「同じ刺激をより強いものに感じる」特徴があります。
その結果、刺激に対して圧倒されやすくなる面があります。
そして人間関係も含めた「強い刺激」に巻き込まれやすいところも指摘されます。
<起こりうる影響>
まずは「刺激に圧倒されて混乱しやすい」ことが指摘されます。
そして圧倒されダメージを受けることで「疲弊してしまう」ことが言われます。
また対人関係では、巻き込まれて操作されてしまうリスクもあります。
<対策>
まずは刺激を減らすための「環境調整」が大事です。なるべく刺激が少ないところが適していることも多いです。
そして「リラックスや休養の確保」リラックスなどを活用し圧倒されることを防ぎます。
もう一つは「自分軸を確立する」こと、明確な自分軸を持つことで圧倒されたり、巻き込まれたりを防ぎます。
③深く考える
「建設的な考えか、違う考えか」見分けることが大事になります。
<深く考える>
HSPでは、一つのことを深く考える傾向があります。
その結果、本質をつかむなどプラスに行くことは期待されます。
一方で「考え過ぎ」などでの疲弊などに注意が必要になります。
<プラスの面>
まずうまくいくと、物事の本質を見抜ける場合があります。
そして、深く考え考察できることからいろいろ発見があります。
結果、改善やイノベーションなどにつながることもあります。
<マイナス面>
まずは「考えすぎて疲弊してしまう」ことがあります。
そして、特に注意が必要なのが「ぐるぐる思考(反芻思考)」建設的な方向に行かず疲弊だけする結果になります。
考えた時に、それが建設的な「いい思考」か、疲弊につながる「ぐるぐる思考」かを見極めることが大事です。
④共感しやすい
「長所にも、不安定の原因にも」なります。
<共感しやすい>
HSPでは、他者の感情に反応して共感しやすい特徴があります。
その結果、対人交流においては大きな強みになる面があります。
ただし疲弊してしまったり、相手に悪意があった場合のダメージと不安定には注意が必要です。
<プラスの面>
ますは「対人交流が非常にうまくいきやすい」これは大きな長所になります。
その結果、相手への「サービス」や「思いやり」がうまく伝わります。
その結果「人に好かれやすく」なり、対人面では大きな強みになります。
<マイナス面>
まずは「注意しないと気疲れしやすい」面があります。
そして、「他者の怒りや否定的感情にも影響されてしまう」ことに注意が必要で、怒号が響くような環境は相性が悪いです。
さらに「相手に悪意があった場合」、それに影響されて支配・操作されダメージを受けやすいことがあります。
⑤疲れやすい
「敏感な反応は疲労とセット」です。
<疲れやすい>
HSPでは、外の刺激に強く反応して疲れやすいことがあります。
そして考えすぎたり、気の使いすぎで疲れやすいことがあります。
それで疲れ過ぎると、うつ状態など「二次的な精神不調」のリスクにつながります。
<起こりうる影響>
まずは「疲弊し続ける」慢性的に疲れている状態になることがあります。
そして「常に落ち着かない」休まらず緊張が続く場合があります。
その結果、「二次的な精神不調」を合併することが少なくありません。
<対策>
まずは「休養やリラックス方法を習得する」意識的に技術として習得することが大事です。
そして「刺激を減らして対人距離を確保する」ことで疲れを少しでも防ぎます。
もう一つは「考え過ぎに気づいて考えすぎをやめる」技術を練習して身につけることです。
(4)まとめ
今回は精神疾患セルフチェック「HSPの特徴5つ」を見てきました。
HSPは「とても敏感な人」を指す心理学用語で、次の5つの特徴があります。
①物事に気づきやすい
②刺激に圧倒されやすい
③深く考える
④共感しやすい
⑤疲れやすい
疲弊しての不調を防ぐため、「環境調整」と「休養方法の習得」が特に大事になります。
こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695)
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【解説者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。