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外国人が“おもてなし”に感動…サムライロードの魅力「美しいものは心癒してくれる」【Jの追跡】(2023年7月1日)

ANNnewsCH 1,791,027 2 years ago
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外国人から“サムライロード”と呼ばれる、江戸と京都を結んだ街道「中山道」。今、この道を一度歩いてみたいと、世界中の人が詰め掛けています。中には、切実な思いを抱えて歩く人もいました。 外国人を魅了してやまない“サムライロード”の魅力を追跡しました。 ■江戸の面影残す宿場町に心奪われる 江戸時代、参勤交代などで多くの人が行きかった「中山道」。道中には、69の宿場町がありました。 現在、外国人に人気なのが、長野県の宿場町「妻籠宿」と岐阜県の宿場町「馬籠宿」を結ぶ山道です。距離およそ9キロ。歩いて3時間ほど。自然を満喫しながら、昔に思いを馳せる歴史散策が人気です。 スイスから:「この道を歩くことで、昔はどうだったのか、日本の歴史を感じることができる」 妻籠宿は、宿場町として日本で初めて保存地区に指定されました。江戸時代の面影を残す美しい宿場町に、心奪われる外国人も多いのです。 オランダから:「目で見るよりも、じっくり風景を観察して絵を描くことで、ここの良さをより感じられるの」 ■コロナ禍で断念…念願叶っての旅行 岐阜県の馬籠宿でこの日、荷物を引きながら歩く女性2人組に出会いました。オーストラリアから来たマーリーンさん(75)と、ダイアンさん(77)です。こんな荷物を持って山道を!? マーリーンさん:「この案内所で、荷物を預けられるのよ」 実は馬籠宿と妻籠宿の案内所では、荷物を相互に送ってくれるサービスがあるのです。 マーリーンさん:「ついてきたいの?もちろん、いいわよ。みんなで歩けるわね」 2人は馬籠宿から妻籠宿を目指すといいます。下りのほうが長いため、このルートをたどる人が多いといいます。 聞けば、3年前に計画したものの、コロナ禍で断念したため、念願叶っての旅行だとか。 マーリーンさん:「400年以上前に、歴史上の人物がこの道を歩いたというので、私たちも同じことをしてみたいと思ったの。そのほうが、日本を知ることができると思ったから」 ■お茶とアメ、民謡披露も…“無料おもてなし” 出発して1時間。標高790メートルの「馬籠峠」に到着しました。 この峠にある茶屋では、地域の名物が食べられます。 「五平餅」です。つぶしたうるち米を団子状にして、クルミ入りの醤油ダレを付けて焼き上げています。 ハワイから来た男性が舌鼓。 ハワイから:「アメイジング。今まで食べた餅の中で一番だよ」 オーストラリアから来た女性たちは、寄りたかった場所があるといいます。 ダイアンさん:「これが、ティーハウス?」 江戸初期から茶屋として使われてきた無料休憩所。お茶やアメを無料で頂くことができます。 マーリーンさん:「いいわ。私、お茶が大好きなの」 江戸時代から旅人を受け入れてきたこの茶屋。ボランティアが、民謡を披露したり、料理をふるまうなど、様々なおもてなしをしています。 妻籠を愛する会 藤原義則理事長:「中山道を歩いてくれる世界中の人々に、行って良かったという評価をもらいたい」 ■マーリーンさん「すべてが素晴らしかった」 道中では、旅人のノドをうるおしてきた滝をのぞむこともできます。マーリーンさんは、せわしなく先を急ぐ人たちに、こんな苦言を…。 マーリーンさん:「彼らは何も見ていないわ。ただ目的地に着くために歩いているだけ。ゆっくり歩いて、色々なことを感じないと。次は、自分自身を見つめ直して歩けるわね」 歩くこと4時間。ようやく、妻籠宿に到着しました。 マーリーンさん:「素晴らしい旅だったわ。目に入るものすべてが素晴らしかったわ」 おなかを空かせた2人はお店へ。宿場町では、長野の郷土料理である「おやき」や、季節限定の「朴葉巻」など、この土地ならではのグルメを堪能できます。 マーリーンさん:「ナスだわ」 観光案内所で荷物を受け取った2人。本当にお世話になりました。 ダイアンさん:「私たちの宿に泊まりに来てもいいわよ」 マーリーンさん:「そうよ、私たちはもう家族よ」 中山道には、様々な宿が点在しています。およそ200年の歴史を持つ蔵に泊まることもできるのです。 アメリカから来たカップルは、庶民的な畳の部屋を選びました。 アメリカから:「(Q.布団で寝たことは?)きのう寝ました。実に心地よかったです。アメリカの床は硬いけど、畳は気持ち良いね」 ■「息子のため」夫婦が旅する理由 この日、あの「無料休憩所」で思いもよらぬ出来事が起きました。それは、忘れ物の問い合わせがキッカケでした。 無料休憩所のスタッフ:「スタンプ帳?名前の書いてあるスタンプ帳ですね」 探してみると、確かに手帳が置きっぱなしになっていました。 無料休憩所のスタッフ:「うーんとね、ちょっと待ってね。これ届けることできる?」 取材スタッフ:「できますよ」 取材スタッフが、妻籠宿の案内所まで手帳を届けることに。 観光案内所スタッフ:「ありがとうございます。エクスキューズミー」 ビッキーさん(61):「届けてくれてありがとう。これは、とっても大切なモノ」 オーストラリアの小学校で美術の先生をしているビッキーさん。 ビッキーさん:「ここには、私の思い出がすべて書かれているわ。それに生徒が表紙を作ってくれたの」 大切な手帳には、ビッキーさんが、この地にやってきた理由がしたためられていました。 ビッキーさん:「実は…私の息子に脳腫瘍(しゅよう)ができて、去年12月に亡くなったんです。だから、私は夫とここに来たの。息子は以前に日本へ来ていて、ここを歩いたんです。彼は山や自然が好きでした。これは息子のための旅なんです」 26歳で亡くなった息子さん。生前、この街道がいかに美しいか語っていたといいます。 ビッキーさん:「本当、人生ってままならない。でも、美しいものは心を癒やしてくれるわ」 きょうも、サムライロードには、様々な思いを抱えた人たちが足を運んでいます。 [テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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