冬こそ行きたい「東京の離島」の魅力 独自グルメや露天温泉に…砂漠も!?【Jの追跡】【スーパーJチャンネル】(2024年12月28日)
意外と近くて、意外と知らない東京の離島。今が旬のキンメダイは、しゃぶしゃぶや焼き鳥に。さらに、サンセットがウリの絶景露天温泉に、日本で唯一の“砂漠”も冬ならではの景色に!東京の離島は、真冬だからこその魅力がたっぷり詰まっていました。
■寿司にカラシ? 新島流グルメを追跡
知る人ぞ知る、東京の離島の冬の魅力。
乗船客
「星がきれいに見えるのは冬のほうがいい。暑すぎない今の季節が山登るにもちょうどいい」
都内から(40代)
「非日常も味わえるし、パパッと行けて地球の息吹を感じられる」
島々と東京・竹芝を結ぶ客船。実は、冬の時期でもかなりにぎわっています。
乗船客
「仕事終わりに飲んで、タクシー乗るお金で島に行ける」
例えば、都心から最も近く、観光客が最も多い大島の場合、片道5820円から。しかし、冬に離島に行く理由は手頃な値段で行けるからだけではないようです。
都内から(50代)
「温泉でしょう。無料で24時間入れる露天風呂。海のそばにあって誰でも好きな時に入れる」
乗船客
「夕日を見ながら温泉につかるのが新島は最高。そこは行ってください」
やっぱり冬といったら、温泉ですよね!取材班は早速おすすめされた新島へ向かいました。
都心から南におよそ150キロ。新島と言えば、白い砂浜にミルキーブルーと呼ばれる海。
埼玉から(40代)
「白い砂浜で景色を見ているだけで疲れが取れる」
グルメにも島独自の文化が根付いています。
客
「新島はカラシがのっている」
「食べやすくてスッキリ」
「ワサビはツンとするので、こっちのほうが好きな人もいるかも」
キンメダイをはじめ、脂がのった日替わりの白身魚を一味などが入ったしょうゆに漬け込んで作る、通称・べっこう寿司。ワサビの代わりにカラシを使うのが新島流です。
栄寿司 宮川浩一さん
「川がなくてワサビが採れなかったので畑で採れるカラシをのせた」
さらに、焼き鳥店も新島流です。
島民
「うまいなぁ!」
「人気ナンバーワン」
島民イチオシが、世にも珍しい「キンメダイのねぎ間」です。炭火で焼き上げたキンメダイは、このサイズでもネギに負けない濃厚な味。
人気の定食メニューでも新島の特産品が堪能できます。「摘んでも明日には葉を伸ばす」ことからその名がついた明日葉を練りこんだうどんや、明日葉の天ぷらを豪快にのせたボリューム満点のそばもあります。
■無料&絶景の温泉はギリシャ神殿風?
冬はより楽しみな温泉だって新島流です。
島民
「露天温泉もそう。“映え”はいっぱいある」
埼玉から(40代)
「例えるならギリシャ」
それは海の目の前にある、ギリシャ神殿風の「湯の浜露天温泉」です。男女混浴のため、水着を着用するのがルール。
この温泉の楽しみ方は3つ。階段を上ると目の前には大海原と大空だけ。開放感抜群の高台風呂”その下には、海との一体感を感じられるインフィニティ風呂、保温効果が高い温泉なので、足湯でもポカポカ。
24時間、誰でも無料で入浴できるこの露天温泉。夜には、幻想的なライトアップも楽しめます。
「島民の憩いの場となる露天風呂を作ってほしい」と依頼を受けた設計事務所が、ギリシャ神殿をモチーフにしたのには、理由があるといいます。
温泉を設計した「宮川設計」
「使った石はコーガ石という新島特産の石。元から崩した形で作れば風化してもそれが味になる。長く皆さんに愛される施設になれば」
新島とイタリアのリパリ島でしか産出されないという世界でも貴重なコーガ石。島では100体以上のモヤイ像が観光客をおもてなししています。
■東京の離島ファン あえて冬に来たワケ
この日出会ったのは、東京の離島ファンだというヨシコさん・ユキホさん親子。
名古屋から 娘・ユキホさん(40代)
「去年は神津島と式根島に行って、新島も絶対に行こうと。無料でありがたい」
母 ヨシコさん(70代)
「景色がすごく良い」
ユキホさん
「目の前、海で」
東京の離島を次々巡ったうえで、新島はあえてこの時期に来たといいます。
ユキホさん
「キャンプ場ですごく星がきれいだった。すごく広い海岸線、ザッパーンって感じ。誰もいなかったし。絶対に来年また来ようと話していた」
ヨシコさん
「3日くらい経つとまた来たくなる」
3日間かけて、新島をゆっくり堪能したという親子。絶景を独占できるぜいたくな時間が、冬の新島の魅力なのかもしれません。
■大島にも絶品冬グルメが盛りだくさん
もちろん冬にも魅力的な東京の離島は新島だけではありません。
聞き込みを続ける取材班は、予想していなかった“あるワード”を耳にしました。
都内から(40代)
「“砂漠”は気になっている」
横浜から
「日本で唯一の“砂漠”。伊豆大島ですね」
なんと東京に砂漠がある島が?一体どういうことなのでしょうか?取材班は早速、大島へ向かいました。
都心から南におよそ120キロ。冬のこの時期でも、1カ月に1万5000人ほどがやってきます。
埼玉から
「しゃぶしゃぶがおいしかった、初めて食べたので、キンメ」
「(Q.キンメのしゃぶしゃぶがある?)おいしかったです」
魅惑の大島グルメも盛りだくさん。こちらは、今が旬のキンメダイのしゃぶしゃぶ。最も脂がのるこの時期イチオシの食べ方なんだとか。
埼玉から(50代)
「おいしい」
埼玉から
「食感も弾力があって」
横浜から
「魚のうまみが口の中にガッとくる」
さらに寿司店では、温かい“べっこう”グルメもあります。
ベッコウ漬けと一緒に、特産の島ノリをアツアツの鍋にのせた「石焼きべっこう」。
まずはアツアツのうちによく混ぜてチャーハン風に、味変でおだしをかけてお茶漬け風にも頂けます。
都内から
「おこげみたいになっておいしい」
「バクバク食っちゃって(味変の分が)なくなっちゃう」
■日本で唯一の“砂漠”が存在?!
そんな大島は、名所が点在する観光アイランド。
およそ60種類の動物を飼育する動物園は年中無休。東京都が運営するため、誰でも無料で楽しめます。
空気が澄んだこの時期は、絶景の魅力もさらにアップ。
島のシンボルが、標高758メートルの三原山。涼しくなった今こそ、トレッキングがオススメです。直径300メートル、深さ200メートルの巨大な噴火口は圧巻の迫力です。
大阪から
「“砂漠”が歩けるので行ってみようかと」
ここが、国土地理院が発行する地図で日本で唯一“砂漠”と表記される場所。一面、黒い世界が広がります。
三原山の火山活動により噴出物が降り積もり、360度見渡す限り広がるこの景色。風が強く吹き付ける場所のため、植物が育ちにくく、“砂漠”のようになったんだとか。
都内から
「火星ですよね。写真撮ろうと思ったけど写真じゃ写せない壮大さ…」
観光客(50代)
「この時期にしかない景色」
「ススキとかきれいだもんね。砂漠のススキ」
「都内から2時間かからないでこの景色はここしかない」
確かにススキが、より砂漠感を演出していますね。
都内から来たという2人には、この砂漠でどうしてもやりたかったことがあるそうです。それは、砂漠に寝転がること!
観光客(50代)
「結構あたたかいんですよ、サンドバスみたいな」
「こうやって寝転んで大地を感じる」
砂漠に来たら寝転ぶべし!とSNSでも話題になっています。
■長さ600m超の巨大バウムクーヘン
一方、観光客の中には、意外なモノがお目当ての人もいます。
大阪から
「バウムクーヘン」
大島のバウムクーヘンとは?
その正体は、スイーツではありません。大島をドライブ中に突如現れたのは、まるで巨大なバウムクーヘン。およそ1万8000年の間に繰り返し起こった、100回以上の噴火による噴出物が作り出した地層大切断面です。高さはおよそ24メートル、長さはなんと600メートル以上あります。
神奈川から(60代)
「素晴らしいですね。どうしてもこれが見たくて来た。島の一周道路を建設するために山を削って偶然発見された」
島の洋菓子店が手がけているのが、地層そっくりの、こちらは食べられるバウムクーヘン。確かにこれは食べてみたい!
千葉から
「大島の地層食べていますね、かみごたえがあっておいしい」
大島の自然が生み出す名所は、巨大バウムクーヘンだけではありません。
■島民オススメのオーシャンビュー露天温泉
都内から
「(Q.お目当ては?)温泉」
もちろん大島にも、オーシャンビューの露天温泉があります。こちらは、大島温泉・元町浜の湯。入浴料は300円。男女混浴のため、水着を着用して入浴します。
島民(80代)
「三原山が噴火した時に水が温泉になった。その温泉を山から引いている」
1986年に発生した三原山の噴火が収束した後、地下水の温度が上昇して温泉に。自然の恵みが生み出した温泉は、団体客が少ない冬のこの時期だからこそ、ぜひ訪れたいスポットです。
島民
「海が広がる開放感。最高の露天風呂」
「あと30分もしないうちにサンセット。何も邪魔するものがない、きょうもそれを狙って」
島民のオススメが、温泉に入りながら眺めるサンセット。これは、写真に収めたくなる美しさですね。
都内から
「ありがたい。300円でこんな景色が見られるなんて。(他の客が)少ない時期で、ゆっくりできて良い。いろいろと都内で汚れた心を洗い流したい人に最適だよねって」
雄大な自然が観光客を呼ぶ、冬もオススメの東京の離島です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp