JR東北新幹線が、走行中に列車の連結部分が分離して緊急停車したため、東北、上越、北陸の各新幹線は一時、運転を見合わせましたが、3時間余りが経った6日午後2時半過ぎに運転を再開しました。
鉄道工学が専門の日本大学・綱島均特任教授とお伝えします。
青井実キャスター:
まず、なぜまたこんなトラブルが起きてしまったのか教えてください。
日本大学・綱島特任教授:
今回は2024年9月の列車分離に続いて2回目ということで、非常に衝撃を受けています。前回は金属片が回路内にあって、それがショートして列車を強制的に分離する信号が誤って出たということで、300km/hで走行している「こまち」「はやぶさ」が分離してしまった現象ですが、その後JR東は対策をとって、こういうことが起こらないようにしているはずなのに、なぜ、また再び起こったのかというのは非常に疑問な点です。
青井実キャスター:
その辺り、2024年にあったという話も、もう一度詳しく見ていきたいと思います。
東北新幹線は2024年9月、今回と同じく「はやぶさ」と「こまち」が走行中に連結部分が外れて緊急停止しました。
JR東日本は原因につきまして、「こまち」の運転台にある、強制的に車両を分離するスイッチの裏側に2cm程度の金属片が多数見つかり、この金属片がショートしてしまい、スイッチが誤作動して外れてしまった。
このトラブル以降、連結器を分割させる回路が走っている時には動作しない仕組みに見直すと言っていた中で、今回起きたということです。
青井実キャスター:
そういう意味では、2024年のトラブルとの関連性はどういうふうに考えますか?
日本大学・綱島特任教授:
列車が分離してしまうということにはいくつか要因があって、1つは物理的に構造が壊れて分離してしまうというケースと、前回の9月に起こったように、間違って強制的に分離するという信号を出力した結果、分離したという2つのケースがありますよね。今回の映像から見ると、連結器自体には大きな損傷が見られないので、やはり原因としては昨年の9月に起こったように、強制的に列車を分離するという信号が誤って出て分離したのではないかと思うんですが、これについて、走行中にはそういうことは起こらないように対策をして、回路にそういった条件を組み込んでいると認識をしてるんだけども、なぜ、そういうことが起こったのか。まだ、そういった対策が実際とられていなかったのか、そういったところが非常に重要になりますね。
宮司愛海キャスター:
物理的なという話がありましたが、そもそも連結の構造というのはどうなっているんでしょうか。
どうつながっているのかを詳しく見ていきます。
映像は別の車両ですが、「はやぶさ」と「こまち」が駅で連結する際の様子です。
車両の先端部分が開いて、「こまち」が移動しながら「はやぶさ」とドッキングしています。
2024年にトラブルがあった車両の連結部分を見ると、とがった部分があります。
このとがった部分を穴のほうにつなげて連結させるという構造で、直接手を使わなくても連結できるようになっているということです。
宮司愛海キャスター:
物理的にも構造的にも、スイッチの誤作動だとしてもここまで頻発してしまうと、そもそもの構造自体、連結部分の構造自体に問題があるのではないか。その点、教えてください。
日本大学・綱島特任教授:
まず構造的、機械的な部分というのは、これは非常に多くの回数連結、それから離したり、分離するということを頻繁に繰り返してきてるんですね。ですから、回数を考えると十分信頼性があるということで、連結器自体に問題があるということにはならないと。むしろ、分離するという信号を出すというのは正常な動作なんです。列車を、例えば盛岡で「こまち」は秋田のほうに行きますし、「はやぶさ」は東北新幹線で青森などに行きますので、分離すること自体が正常な動作なんですよね。
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