ある日、仏陀が弟子たちにこう尋ねられました。
『川の流れが激しく、渡るのが難しいとき、どうすればよいか』
ある弟子が答えました。
『無理に渡ろうとせず、流れが穏やかになるのを待ちます』
仏陀は微笑みながら、こう言われました。
『そのときこそ、“何もしない”という智慧が必要なのです』
人生にも、どうにもならない時があります。
努力しても、祈っても、何も変わらない。
そんな時、私たちは焦り、無力感に飲み込まれがちです。
でも、その苦しさの中で、ふと『もう、どうでもいいや』と思える瞬間があります。
それは、あきらめではありません。
執着を手放す、心の余白です。
『何が起きても、私は大丈夫』という、静かな受け入れ。
仏教ではこれを“無執着”と呼びます。
執着を離れることで、心は軽くなり、人生の流れに逆らわず、ただあるがままを生きることができます。
では、その“何でもいい”という気持ちが、なぜ人生において大切なのでしょうか？
今日は、仏陀の教えと哲学者たちの言葉をもとに、
人生が苦しいときにこそ必要な、『あきらめではなく、受け入れる心』について考えてみましょう。
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