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「あの人の手紙(Live Ver. )」かぐや姫(浜辺美波)

風の風来坊 1,163,635 lượt xem 2 years ago
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1972年4月20日発売の「南こうせつとかぐや姫(第2期かぐや姫)」1stアルバム『はじめまして』の最後の曲12曲目に収録されている。
シングル『神田川』が発売されるのが1973年9月だから、世に名前が知れ渡る1年半前になる。
プロデュースは吉田拓郎。(というか、吉田拓郎のレコーディングの合間に同スタジオで収録されたらしいから、その時のノリというかほとんど勢いだけでレコーディングされたらしい)
サブタイトル「・・・かぐや姫フォーク・セッション」まさしくセッション形式でこのアルバムは制作された。
ただセッション形式といえば聞こえはいいが、単なる一発録りなわけで、時間がない中の強行でレコーディングは行われ、わずか一日でこんな名盤が生まれたわけだからとにかく凄いとしか言いようがない。

作詞:伊勢正三
作曲:南こうせつ
編曲:小山恭弘

今回使用したライブ音源は、2005年8月6日、広島サンプラザホールにて行なわれた かぐや姫 再結成特別コンサート「ヒロシマ60」〜被爆60年〜 南こうせつ、伊勢正三、山田パンダらの「かぐや姫」一夜限りの再結成コンサートからである。
「かぐや姫」はたった4年間の活動にも関わらず、解散から50年近く経った今でも、多くのファンが再結成を熱望して止まない…。


 泳ぐ魚の群に 石を投げてみた
 逃げる魚達には 何の罪があるの
 でも今の私には こうせずにはいられない
 私の大事なあの人は 今は戦いの中

おそらく平時には、泳ぐ魚たちを微笑みを持って眺めて、餌を与えるような心優しき人でも、ひとたび戦時に入ると平常心を失ってしまうのは仕方のないことかもしれない。
もちろん、恋人や夫や息子たちが、戦場にて生死を賭けた戦いの中にあることを思うときに、平静、平常心でいられるわけがない。

 戦場への招待券という ただ一枚の紙きれが
 楽しい語らいの日々を 悲しい別れの日にした

戦場への招待券、つまり召集令状は、薄紅色に近い赤色の紙に、黒の文字で印刷されていたことから「赤紙」と呼ばれていた。
現存する「赤紙」は、召集された本人が兵営に持って行ったために、極めて少ないようだ。

 いいのよ やさしいあなた 私にはもうわかっているの
 ありがとう私のあの人
 本当はもう死んでいるのでしょう
 昨日 手紙がついたのあなたの 死を告げた手紙が

出征した兵士が戦死すると、市町村の役場の兵事係から、戦死公報というものが届く。
激戦地の場合は、遺骨が戻ることはまれで、骨箱には木や石が入っていたこともあったそうだ。

どんな国家大義があろうと、ひとりの人間の命よりも大切なものはないはず。

この曲は「かぐや姫」としては、おそらく唯一、ストレートな反戦歌と呼べるものだろう。

もちろん歌詞内容としては、召集されて戦地に赴き、散っていった恋人のことを歌ったラブソングとも言えなくもないが、罪なき恋人たちを戦争に巻き込んで、そして、永遠に引き裂いた戦争の悲惨さ、理不尽さが、切々と伝わる名曲だと思う。


ある日突然帰ってきた彼はなんだったのだろう。

幽霊かもしれない。
妄想かもしれない。
幻覚かもしれない。
夢だったのかもしれない。

この曲を聴いた我々自身が、それぞれに納得できる解釈で良いのではないだろうか。

#あの人の手紙
#浜辺美波

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