概要
私たちの身の回りで「美しい」と感じる形や模様には、どんな共通点があるでしょうか?その美しさを説明できるものの一つが「対称性」です。見回してみると、世界にはたくさんの「対称性」が溢れています。それは、花のかたちや昆虫など自然にあるもの、そしてエッシャーやペンローズによるデザインや日本の家紋など、人間が作ったものとさまざまですが、このように目に見えるものに限らず、バッハの作る音楽などにも対称性は隠れているのです。
このシリーズでは、対称性という切り口でデザインや音楽の背後に存在する数学を学び、この数学を用いて簡単にオリジナルの繰り返し模様をデザインすることができます。一方で、物理法則の観点から、「対称性の破れ」によって得られる不思議で多様な宇宙の姿についても紹介します。
[本プログラムの展開]
Module 1:対称性って何?
Module 2:いろいろな繰り返し模様から対称性を発見してみよう!
Module 3:オリジナルの繰り返し模様を創ってみよう!
Module 4:消しゴムハンコを作ろう!
Module 5:(Optional) アイビスペイントを使って繰り返し模様を作ろう!
Module 6:秋山仁先生による四面体テセレーションのお話
Module 7:(Optional) ペンローズタイリングの不思議
Module 8:(Optional) やわらかな世界:トポロジー
Module 9:バッハの曲に潜む対称性
Module 10: 空間対称性の破れ〜鏡に映した世界の物理〜
Module 11:時間対称性の破れ
特別講師
・秋山仁(東京理科大学特任副学長、数学体験館館長、steAm Experiencial Math Architect)
講師:
・中島さち子(steAm, Inc. CEO)
・大山口菜都美(秀明大学、steAm Math&Knot Architect)
・田中香津生(東北大学、steAm Physics&Universe Architect)
協力:
・山内佑輔(新渡戸文化学園)
・新庄玲子(国士舘大学准教授)
・Chenhe Zhang(Mixed Media Artist)
・谷岡一郎(大阪商業大学学長)
・数学体験館(東京理科大学)
提供:steAm, Inc. https://steam21.com/ (steAm PLAYGROUNDシリーズ)
注:本テーマは、株式会社 STEAM Sports Laboratory との協力・監修体制のもと、株式会社 steAmにて開発・制作しました
【参考図書】
「タイショウ星人のふしぎな絵」(作:中島さち子、絵:くすはら順子、文研出版)
「離散幾何学フロンティア」(著:秋山仁、近代科学社)
「Newton別冊『数学の世界 図形編 改訂第2版』」(ニュートンプレス)
「ティンカリングをはじめよう ―アート、サイエンス、テクノロジーの交差点で作って遊ぶ (Make:Japan Books)」(著:Karen Wilkinson/Mike Petrich、訳:金井 哲夫)
「錯視図鑑―脳がだまされる錯覚の世界」(著:杉原厚吉、誠文堂新光社)
「不可能図形コレクション90選」(著:アル・セッケル、内藤憲吾(翻訳)、創元社)
「ざっくりわかるトポロジー 内側も外側もない「クラインの壺」ってどんな壺?」(著:今野紀雄、名倉真紀、SBクリエイティブ)
「はじめてのトポロジー」(著:瀬山士郎、PHP研究所)
「対称性と数学 〜繰り返し模様に潜む幾何と代数〜」(著:筱田健一、技術評論社)
「人生を変える「数学」そして「音楽」」(著:中島さち子、講談社)
「音楽から聴こえる数学 『数学の音』43分♪CD付」(著:中島さち子、講談社)
他多数・・・
本プログラムの目的
・身の回りにあるかたちやデザインを例に「対称性」について学ぶことで、より数学を身近なものとして感じることができる
・自分で絵を描いたり模様を考えることが苦手な児童・生徒も、繰り返し模様のパターンを使って簡単にたくさんのオリジナル作品を作ることができる
・「対称性」という身近なテーマから出発し、「トポロジー」や「対称性の破れ」といった数学や物理の深い世界に触れることができる
身に付けられる力
メタ思考:試行錯誤力(失敗力)、振り返る力、成長思考、多角的な世界観
社会や世界と関わる態度:つなげる力(創造力・想像力)、身近なものから数学を探し出そうとする態度、学んだことを利用して社会に関わろうとする態度
活用力(思考・判断・表現):アイディアを形にする力、対称性や学んだことをうまく活用してオリジナル作品を生み出す力、対称性・非対称性を発見する力
知識・技能:対称性(平行移動対称性・回転対称性・線対称性)の概念理解
「STEAMライブラリーのリンク」
https://www.steam-library.go.jp/lectures/301