モノレールのサイズ・大中小(跨座式・アルウェーグ式モノレール)| Monorail comes in large, medium and small sizes.
今回紹介する内容は跨座式モノレールのサイズについて。現在世界規模で主流 かつ標準的となりつつあるのが、コンクリート軌道桁をゴムタイヤで走行するタイプの跨座式モノレール、通称 アルウェーグ式モノレールです。どれも構造上の外観が似通っていて、ぱっと見た感じではサイズ感が同じに見えますよね。ただ実際は、導入する都市や 輸送需要規模に応じ、実に様々なサイズの跨座式モノレールが存在しています。今回はおおざっぱにではありますが、現在営業中のモノレールが、大型 中型 小型のどのサイズとなっているのかを紹介していきたいと思います。
なお、ここでいう大型 中型 小型のサイズ感については、日立アルウェーグ式モノレールが設定しているサイズ感をベースにします。また今回は 日立製作所以外のモノレールについても触れていきますが、ここでのサイズ感は 輸送量や車両の定員ではなく、軌道桁のサイズをベースとしていきます。
日本国内でモノレールという交通システムが定着する要因となったのが 都心の浜松町から羽田空港を結ぶ東京モノレール。これは中型サイズに分類されます。日立が展開するモノレールシステムの軌道桁は、700mm、800mm、850mmの三種類に大別する事ができるのですが、この東京モノレールは軌道桁幅が800mmとなっており、中型に分類されます。なお、沖縄都市モノレールや舞浜リゾートラインも軌道桁幅が800mmとなっていますが、こちらは日本跨座式と定義された 床面をフルフラットにしたタイプのモノレール。同じ中型でも、純粋なアルウェーグ式中型と、日本跨座式中型という2種類に細分化されます。
日本においては、主要な都市内における交通機関として、比較的大量に人員を輸送できる乗り物として モノレールを利用しようとしましたが、これを可能とするために、軌道桁の幅を拡大し850mmまで拡大した物が、大型タイプのモノレールと呼ばれる様になりました。大型として日本で初めて開業したのが、福岡県は北九州市 小倉駅と住宅地の企救丘を結ぶ 北九州モノレール。都市部にモノレールを導入しやすくするため、都市モノレール法という法律が作られたのですが、これを用いた第一号路線となりました。この次に開業したのが大阪モノレール、さらに多摩モノレールと続きます。これら3路線は いずれも軌道桁幅850mmの大型タイプのモノレールとして開業しました。
モノレールの導入は大都市向けだけでなく、観光地や需要規模の小さな都市向けとしても検討が成されました。この検討の結果生まれたのが、日立アルウェーグ式モノレールの小型と呼ばれるタイプ。軌道桁幅は700mmと小型化され、建設コストも大幅に圧縮させています。日立製作所ではスマートランという商品名で展開を図っていますが、導入実績としてはシンガポールのセントーサエキスプレスのみとなっています。
軌道桁幅こそ690mmと小型タイプに分類されますが、中型タイプと同程度のキャパシティを持つモノレールとして活躍するのが、旧ボンバルディアが商品展開を進めるイノビアモノレール300シリーズ。1両当たり平均 120人強の乗車定員を持ち、日立大型タイプと同程度の容量を誇ります。
といった所で今回は跨座式モノレールのサイズについて紹介します。
【目次】
00:00 はじめに
00:53 モノレール大中小の定義
01:35 中型のモノレール
02:34 大型のモノレール
04:59 小型のモノレール
07:08 モノレールのサイズ一覧