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アルフィー 「Musician」 1994年King's Night Dream

cootaichi0811 278,234 13 years ago
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1980年発売「讃集詩」収録。 シングル曲ではないが、フォーク時代アルフィーの代表曲と言える。 「夢を追い続けること」は多くの辛苦を伴う厳しさがある。 それはミュージシャンに限らず、どんな事にでも言えることであるが、反面、そんな辛いことも乗り越えていける達成感や、そばにいて支えてくれる恋人の存在、仲間の存在もある。 目標に向かって頑張っていればきっと夢がかなう時が来る。 そんなメッセージを、坂崎氏のドライでクールなボーカルに乗せて表現している。 坂崎氏のボーカルは不思議な魅力がある。 ドライでクールなボーカルなのだが、ふんわり包む「優しさ」も持ち合わせている。 どんな曲でも「メッセージ」が胸に染みこんでくる。 この「Musician」も、その1つである。 フォーク時代のアルフィーは、ヒット曲こそなかったものの、時代を問わず人の心をうつ曲が多い。 いろんな日常をとらえ、さりげなく「がんばれ」と応援している。 (そのスタンスは今も変わらないが) ただ、当時(80年代前半頃)は既に「フォークソング」に取って代わる「ニューミュージック」と呼ばれるジャンルがトレンドだったこともあり、「時代おくれ」とも言われていた。 アルフィーはそんな「世代のギャップ」に押しつぶされかけていたとも言える。 実際、松任谷由美やサザンオールスターズ、オフコース等、抽象的で遊び心をくすぐる歌詞がついた曲がヒットする中で、アルフィーの曲はストレートすぎた部分があった。 アルフィーがビクターとの契約を解消し、「オリジナル曲で勝負したい!」と決めた時、高見沢氏に曲作りを伝授したのが、GAROの大野真澄氏だった。 (GAROは「学生街の喫茶店」が大ヒットしメジャーに駆け上がったフォークグループ) その大野氏から伝授されたフォークの作風に、高見沢氏が持つロックの精神が乗れば、やはりメッセージ性が強くストレートな作品になるのは必然であった。 もちろん、曲の完成度は高く、ヒットしないのが不思議なくらいだった。 それでもアルフィーは、ライブ活動を中心に、洋楽コピーやトーク、コントなど、とにかくファンサービスのためにいろんなことを取り入れた。 (実際、坂崎氏は林家三平へ師事したこともある) その結果、ライブの評判が高くなり、固定ファンも全国に持つなど着実にスターダムの階段を上っていた。 それが、83年の武道館の成功、メリーアンのヒットにつながったわけである。 ちなみに、この「Musician」。 1992年に発売されたセレクションアルバム「Promised Love」の中でリメイクされているが、このとき3番の歌詞が付け加えられた。 「夢をつかんだ後も、原点を忘れてはいけない」という、多くの経験を持つアルフィーだからこそ説得力を持つ内容である。 デビューから間もなく40年。 アルフィーが長く活動できる理由が感じ取れる作品である。

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