【発送は”闇バイト”の中国人か】通販サイトで横行する“偽コスメ” 見分け方は?成分は? 資生堂の人気ブランド「NARS」模造品を徹底調査
「いや、もうがっかりですね。やられたという気持ちが大きいですね」
偽物を購入した30代の女性は、こう訴えました。
世界中で絶大な人気を誇るブランド化粧品。
「高級コスメを少しでも安く手に入れたい」そんな気持ちにつけ込んだ“偽コスメ”が今通販サイトで横行しています。
(30代女性)「(偽物は)こうやってやるとかなり白くつくが、本物はかなり透明感があるのでこんなに白くならない」
購入者やブランドイメージにも傷をつける“偽コスメ”の実態に迫りました。
31日逮捕されたのは、中国籍の会社員ファン・ジャシ容疑者(30)と留学生のチェン・フェイ容疑者(30)。
去年12月、資生堂の人気コスメブランド「NARS」の化粧品の偽物1個を通販サイトで北陸地方に住む男性(36)に販売した疑いが持たれています。
警察によると2人は中国のSNSで「大手フリマで販売代行」「月20から30万円稼げます」とうたう“闇バイト”に応募し、商品の発送役を担っていたとみられています
警察の調べに対し、ファン容疑者らは「偽物とは知りませんでした」と容疑を否認しているということです。
偽物が多く出回っているのは『NARS』のフェイスパウダー。仕上げにさっと塗るだけでメイクが長持ちするというもので、大手美容情報サイトのランキングで2年連続1位に輝いた人気商品です。
取材班は、偽物を購入したと訴える女性に話を聞くことができました。
2年ほど前に店頭でパウダーを試したことがあるという埼玉県に住む30代の女性。このときは購入を迷っていたそうです。
そんなときに通販サイトのセールで定価の半額以下で販売されているのを見つけ、すぐさま購入することにしました。
ところが届いた商品には違和感があったといいます。
(30代女性)「店頭で触った特徴的な粉質じゃなかった。(偽物は指で触ると)かなり白くつくが、本物はかなり透明感があるのでこんなに白くならない」
見た目だけでは違いが分からない本物と偽物。しかしパウダーを指にとってみると本物はきらっと輝く程度で色はつきません。
一方で、偽物はべたっとしていて粉が指に張り付きかなり白くなってしまいます。
他にも付属のパフからは糸が出ていてぼさぼさっとしているなど、偽物は粗い作りであることが分かります。
(30代女性)「(偽物を購入した通販サイトでは)今まで買った物が明らかに偽物ということがなかったので、『まさか』という気持ちがあった」
女性は偽物だと気づき使用をやめたため、健康被害などはなかったそうです。
(30代女性)「箱に書いている成分は本物とあまり変わらないですけど、全く全然違うもので作られている可能性があるので、それを肌につけるのはちょっと怖い」
では、その成分には実際どのような違いがあるのでしょうか?取材班は、専門家に実験を依頼しました。
本物と偽物、それぞれを砕いて入れた容器。そこに水と油を加えて、ふってみると・・・
(日本分析化学専門学校・宮道隆教務部長)「まず2層に分かれていますね、どちらも。下が水の層、上が油の層になります。明らかに違いを見てとれると思います」
ポイントは“水の層” 本物は濁っていますが、偽物は透明です。なぜこの違いが生まれるのでしょうか?
(宮道教務部長)「商品の成分表示を見ると2番目に多いのが『シリカ』という成分です。シリカそのものというのは、水となじみやすい部分はありますので」
宮道氏によると、正規品に含まれる『シリカ』はしわを目立たなくする化粧品によく含まれる成分で“水になじみやすい”性質を持っているといいます。
つまり、本物にはシリカが多く含まれていることから、そのシリカと水が混ざり合い、白く濁ったのです。
(宮道教務部長)「それに比べると偽物のほうは水の方が透明ですので、シリカが含まれている可能性はだいぶ低いのかなと」
(「newsおかえり」2023年2月1日放送)