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今回はフォークリフトの出張修理の依頼がありました、「油圧シリンダーからの油漏れ」と「ブレーキがまったく効かない」っていう内容です。
他人の車の「分解整備」今で言う「特定整備」は有償でも無償でも基本的にやったらダメなんです、ちゃんと運輸局に届け出を出す必要があるんですね。
今回のフォークリフトはナンバープレートが付いていない状態なので、大目に見て下さい。
それでは現場に向かって行きます。
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小松製作所製1.4tガソリンエンジンのフォークリフトです、一般的なフォークリフトは「リフトシリンダー」と「ティルトシリンダー」で構成されているんですが、
この機械はフォークの角度を変えるシリンダーが追加されています、これを「ヒンジドフォーク」といいフォーク部分にバケットを装着する事で、タイヤショベルのような使い方も出来ます。
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左右のティルトシリンダーから油漏れしているので、シリンダーのオーバーホールから始めます。
まずは、マストをある程度下げてティルトシリンダーにかかる荷重を0にします。これをしないとシリンダーを外した時、マストが動く危険性があります。
ロッドの長さ調整部分が元の位置になるようにマーキングします、ここの長さが変われば左右のマストの角度にズレが生じます。
シリンダー部分は本体に残して、ロッド側で分解します。周り止めを外して、ロッドを縮める方向に回していくとマストと切り離す事が出来ます。
チルトシリンダーが固定されている状態なので、キャップをパイプレンチで緩めておきます。
シリンダーの内圧が抜けやすいように、油圧ホースを取り外します。
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出ましたね、カップが二個付いているのは前輪の右と左へ油圧を送っている為です。
自動車の場合は後輪と前輪で分けて油圧を送っています、ブレーキを踏んだ時に後輪が先にブレーキがかかり、前輪に油圧を送っています。何故かは知らんのですけど、ハンドルがとられたりするんでしょうかね?
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ハブベアリングが一番奥まで入った所から、少し緩めます。
ハンマーで叩いて、テーパーローラーベアリングをフリーにします。
ベアリングにかかる荷重が無くなったので、少しガタが出ました。
そこからベアリングに荷重がかかる直前までナットを締めます、締めすぎるとベアリングに荷重がかかり破損の原因になります。緩すぎるとベアリングの中心が不安定になるので破損の原因になります。
感覚的に言うと、芯出し作業をしながらベアリングの遊びを調整しているイメージですね。
ガタが無くなったのが解りました?ベアリングに荷重がかかる直前の状態がベストです。ハンマーで叩く理由は、緩かった場合衝撃によってガタが発生するので調整する度ハンマーで叩いてガタの確認をします。
本来であれば、この後「プリロード測定」をするのが確実なんですが今回は省略します。