【瓦?金属屋根?どっちがいい?| Q&A 】一級建築士が解説 | 瓦 | メンテナンス | デザイン性 | 勾配の自由度 | 耐震設計
岡山県倉敷市でパッシブ和モダンの注文住宅を手がけている木絆(きずな)。今回は、お施主様からよく質問される「屋根材」について。瓦屋根にするか?金属屋根するか?それぞれのメリット・デメリットを一級建築士の守屋がわかりやすくお答えしています。家づくりで後悔しないためにも、知っておいていただきたい内容。ぜひ最後までご覧ください。
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<動画チャプター>
00:00 屋根材は、瓦?金属?
00:21 コストが高いのは?
00:58 メンテナンスが楽なのは?
02:01 金属屋根は、錆びますか?
02:56 金属屋根が錆びやすい環境は?
04:22 デザイン性の違いは?
04:40 建物の高さ制限がある場合、順応性が高いのは?
05:58 耐震設計で融通が効くのは?
<動画の内容>
◆屋根材は、瓦?金属?
今回は、屋根の素材について。瓦屋根か、金属屋根。どちらがいいでしょうか?と、お施主様によく聞かれるテーマです。
◆コストが高いのは?
コストの面では、おおむね瓦の方がやや割高です。ただ、これも少し地域性があるかもしれません。瓦の産地に近いと、瓦が割安になることもあると思います。
ただ、コストについてはそんなに大きな差があるわけではないので、選ぶための条件ではなく、どちらが高くつくのかを知っておくという程度でいいのかなと思います。
◆メンテナンスが楽なのは?
みなさんがよく気にされるのが、メンテナンスについて。現在の瓦屋根は、基本的にはメンテナンスフリーです。
昔、瓦は、土団子と言って土を練ったようなものを瓦の下にくっつけて、それを屋根板の上に載せていました。
なので、台風が来ると木の葉のように飛ぶという現象がありました。しかし現在は、ビスや釘などでしっかり留めるようになっています。
なので、すごい台風だとわからないですが、ちょっとやそっとでは飛びません。また、瓦は褪色しないし錆びないので「一生モノ」と思っていただいて良いかと思います。
◆金属屋根は、錆びますか?
最近よく用いられる金属屋根材は「ガルバリウム鋼板」です。これは素地が鉄、その上に亜鉛やアルミニウムなどを混ぜた合金です。
この「ガルバリウム鋼板」は、錆びにくいという性質に加え、錆が広がりにくいという性質もあります。なので、以前使われていた「トタン板」よりかなり寿命が長いです。
ただ金属ですので、錆びないかというと、錆びないことはない、ということになります。
◆金属屋根が錆びやすい環境は?
ガルバリウム鋼板は、自ら錆びるというより「もらい錆」と言って、鉄粉などが飛んできて付着し、そこから錆が広がります。
たとえば、鉄道の線路のそばに家を建てる場合。電車がブレーキをかける際に細かな金属片がかなり飛びます。そういうものが付着して錆になることが多いです。
あとは、沿岸部。海に近いところは「塩害」というものがあります。なので、金属メーカーも海から500m以内は保証しないことがほとんどです。
それと、工業地帯が近くにあって粉塵などが多い場合です。粉塵が付着すると、水の流れが滞ってしまい、それによって錆ができてしまうことがあります。
ですので、立地条件によって屋根材を選択していただければいいかなと思います。
◆デザイン性の違いは?
デザイン性はどうか?と言うと、瓦は重厚感ある雰囲気になります。それに対して「ガルバリウム鋼板」を用いるとシャープな感じに仕上がります。
◆建物の高さ制限がある場合、順応性が高いのは?
街中だと「斜線制限」と言われるエリアがあります。ここでは、何m以上の高さの建物は建てられない、という制限があります。
このようなエリアに家を建てる場合、屋根の勾配がきついと高さ制限を超えてしまうことがあります。その際、勾配を緩くすると、規制ラインよりも屋根を低く納めることができます。
瓦ですと、10行って3.5上がる勾配、3.5寸勾配以上でないといけないなど、瓦によって何寸勾配以上というのが決まっています。
それに対して、金属屋根は葺き方にもよりますが、1.5寸勾配や2寸勾配といった緩い勾配の屋根を作ることができます。
なので、建物の高さ制限が厳しい所は「ガルバリウム鋼板」を使う必要があるかもしれません。
◆耐震設計で融通が効くのは?
それと、耐震の問題です。瓦は非常に重たいです。なので、耐震設計をするときに、軽い金属屋根なのか、それとも、重い瓦屋根なのかによって計算値が変わってきます。
「ガルバリウム鋼板」であれば2階建ての1階部分の間取りで、ここに壁がなくても大丈夫ですよ、広い空間ができますよ。というように自由に設計できます。
重い瓦屋根にすると、上部に太い梁が必要になるなど、コストに影響することもあります。
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