佐藤眞作曲 混声合唱のためのカンタータ『土の歌』より抜粋
合唱:東京混声合唱団、神戸市混声合唱団
指揮:髙谷光信
ピアノ:児嶋一江
2020年12月12日 住友生命いずみホール(大阪府)
『東京混声合唱団いずみホール定期演奏会No.25〜神戸市混声合唱団を迎えて〜』にてライブ演奏
Shin Sato- Cantata "the Songs of Land" (Extracts)
chorus: The Philharmonic Chorus of Tokyo & The Philharmonic Chorus of Kobe
conductor: Mitsunobu Takaya
piano: Kazue Kojima
Live performance during Izumi-Hall annual concert No.25 in Sumitomo-seimei Izumi Hall, Osaka, Japan, 12 December 2020.
以下、字幕日本語訳
カンタータ『土の歌』
作曲年 1962年
作詞 大木 惇夫 (おおき・あつお)
作曲 佐藤 眞 (さとう・しん)
初演時キャスト 合唱 東京混声合唱団
指揮 岩城 宏之(いわき・ひろゆき)
管弦楽 NHK交響楽団
東京混声合唱団 The Philharmonic Chorus of Tokyo は、1956年創立、東京・大阪を拠点に世界で活動を展開する日本のプロフェッショナル合唱団です。中核となるメンバーは現在26名。日本の合唱曲の創作・普及を大切な柱とし、世界初演も多く含む積極的なコンサート・録音活動を行っています。
神戸市混声合唱団は1989年に神戸市により設立された日本を代表するプロフェッショナルな合唱団です。神戸を拠点に活動し、童謡・唱歌、日本歌曲、外国歌曲、オペラ、シャンソンまで豊富なレパートリーをもち、澄みきった密度の高い合唱は、美しい神戸ハーモニーとして高い評価を得ています。
「土の歌」について:
土には命が宿り、われわれはそれを育み、自身の糧とする。土は我々に仕事を与えてくれる。肉体のみならず、精神にも糧を与えてくれる。しかし、土(自然)の尊厳を軽視し、慢心に傾く我々(人間)は、取り返しのつかない「死の灰」をも、母なる土の上に降らせる。それは、もし我々が人ではなく、地中のもぐらのように無欲な動物だったなら、決して起こすことのなかった愚行。自分の故郷が被爆地となった詩人大木敦夫は、ごく少ない語数で言葉を選び、そこに濃やかで深い心を込めている。「平和な大地を 静かな大地を」「母なる大地を ああ たたえよ大地を ああ」
各楽曲大意:
1.農夫と土
農夫は土を耕し、種を撒く。
夜が明ける前から日が沈むまで。
祈りを込めて撒いた種は花となり実となる。
3.死の灰
死の灰に覆われたヒロシマと長崎に再び生命は宿るのだろうか。
人は文明の不安、科学の恥辱、自らの愚かさを知るべきだ。
被爆犠牲者の霊に想いを寄せる。
4.もぐらもち
もぐらは土にもぐっている。
地上に住み、火の槍や死の灰に怯える人間よりも、争いを知らない
もぐらの方が幸せだろう。
7.大地讃頌
人は大地に還るべきだ。
母なる大地に、大地をほめ大地をたたえれば、
そこに生きる喜びがある。
©️2020 Tokon