23日東京都内の書店で新刊のサイン会が行われました。
客「すごく元気をもらっています」
みずき「きょう笑顔が見れてよかった。辛いと思いますけど、頑張りましょう、抗がん剤」
なかには涙を流す人も。本のタイトルは
「日本一周中に彼女が余命宣告されました。すい臓がんステージ4 カップル YouTuber 愛の闘病記」
「みなさん こんにちは 家がなくなくりました」
#サニージャーニー 沖縄で暮らしていたカップルのこうへいさんとみずきさんが 2022 年4月にキャンピングカーで日本一周の旅をスタート。その様子を楽しく伝えるユーチューブチャンネルが人気となっていました。
元気に旅をしていたみずきさんでしたが、突然、体調不良に。旅先の病院で膵臓がんの宣告をうけたのです。
こうへい「このまま何もしなければあと4ヶ月」
みずき 「何もしなければね」
こうへい「抗がん剤で延命したとして長くて 2 年」
みずきさんのがんは珍しい膵臓の腺房細胞がん。リンパ節や鎖骨のまわりに転移が見られステージ4。突然の展開に動画が拡散。400万回以上再生されました。闘病中も配信を続けるとみずきさんが決めたといいます。
みずき
「30代ですい臓がんという方が多くないので知識を欲しいと思っている方にとって何か有益な情報源になるんじゃないかなと思ってつづけたいとおもいましたし、治療のモチベーションになるなと思いました」
病気を心配し、応援する声が多く寄せられた一方で、なかには誹謗中傷も…
きっかけは治療費のためにクラウドファンディングをよびかけたこと。
「本当に膵臓がんですか?」
「嘘でガンって言って、金巻きあげるのヤバないかこいつら」
「詐病の詐欺師サニージャーニー 覚悟しろ」
コメントや匿名掲示板などに100件以上寄せられることもあったといいます。とうとう ふたりは炎上にこたえる形で病気が本当であるという動画の配信をすることになりました。
こうへい
「別にね、テレビの前でスマホの前でこれがんじゃないんじゃないんじゃないかとか、嘘じゃないかと思うのって僕もわかるんですよ。僕もよくいろんなメディアを見て本当は嘘かもなって思うんですね。だけどそれを僕は発信しようとは思わないです。コメントでも DM でも。なんでかって言ったら、(みずきは)がんですからね。」
みずき
「何が悲しくて自分が病気だということをこんなに一生懸命証明しなきゃいけないのかなって思います」
こうへい
「(滅多に人に怒りを向けないみずきが、目に涙をためて怒っていた。 胸元の CV ホートを見せることも、ウィッグを外して脱毛している姿を見せるのを決めたのも、みずきだ。脱毛を隠すためにウィッグを被っているのに、なぜそれを何十万人、何百万人にわざわざ見せなければならないのか? この事態を引き起こした人は、これで満足だろうか?(中略)積み重なった名前のない人々の悪意は、少しずつ、少しずつ僕の心を壊していく」
SNS の誹謗中傷に街の人は…
「思っているのは自由だけど、わざわざ書くのは違う」
「自分の学校の口コミとかみて、いろいろ書かれていて。一番悪いとか。根の葉もない情報だったりだとか。規制して行った方がいいんじゃないかな」
「TicTok 配信者なんでめちゃくちゃわかりますね」
「包丁マークいっぱいで、お姉さん近くなんですね、みたいな。ブロックしてもブロックしてもこういうのってアカウントが何個も作れちゃうんで、何をしても新しいアカウントで同じように包丁マークいっぱいで…」
」
誹謗中傷は名誉毀損罪・侮辱罪、脅迫罪などさまざまな罪に該当する可能性があります。いわれのない誹謗中傷に対して民事訴訟で訴えた人もいます。
大阪大学の忽那賢志教授はコロナ禍で感染対策やワクチン接種を呼びかけたことで「ヤブ医者」「死刑」といった誹謗中傷を受けたとして大阪地裁に対し投稿者17人を提訴。3月までに判決が出た5人に対し、合計106万円の賠償命令が出ています。しかし、訴訟をおこすことは簡単ではありません。
そこで大阪府では被害者救済に乗り出そうと来月からある条例を施行させます。
大阪府人権局課長
「被害者が削除要請を行なっても、なお削除されないことも多々あるかと思います。そういう場合、発信者に対して情報の削除に向けた説示・助言を実施する。大阪府の方で
注意喚起ですね。そういうものをすると考えています」
明らかに不当な差別的言動にあたった場合、大阪府が発信者に口頭や書面、ダイレクトメッセージで削除を求めてくれるのです。全国でもめずらしい取り組みですが、あくまで強制力の伴わない行政指導だといいます。
記者「強制力がない行政指導ていうのは、どうしてそういうふうになってしまったのか」
大阪府人権局課長「やはり憲法で保障された“表現の自由”は最大限尊重されないといけないと考えております」
「表現の自由」憲法が定める基本的な人権です。再び街の人にききました。
「人を傷つけるところには自由はない。規制すべきかなと思います」
「あ〜 全員が全員法律になっちゃったら大変なことになっちゃうと思う」
「発言ができなくなってしまう」
「全年代に関して使い方だったりとか、教育だったりとか、そっちの方に力入れていかないといけないのかなと思います」
みなさんは、どう思いますか?
宣告から8ヶ月抗がん剤治療がきいたみずきさんは手術までたどりつくことができました
こうへい
「余命がこれだけですって言われて何も考えられないくらいの状態だったんですけど、今、こうして無事手術まで辿り着くことができて手術が終わって・・・本当になんだろう、全身の力が抜けるようなほっとしたような感じは…あります。本当に…(涙)ありがとうございます」
それから9ヶ月。二人を誹謗中傷した発信者は警察の捜査で逮捕され2月、書類送検されました。そして2月入籍から 1 年おくれの結婚式が行われました。
みずき
「私はこうへいくんだったりとか本当にたくさんの方に支えていただけることができたのでとても恵まれた環境で闘病できたなと思っています」
こうへい
「困っているという声をあげると助けてくれる人がいる。というのが一番、ぼくらが一連のことで感じたことだと思うんですね。困っていると言っても誰にも気づいてもらえない人がほとんど。ネットでもちゃんと相手のことおもいやって発言することは大事だよねと思うので少しでも社会がそうなればいいなと思いやっていこうと決めました」
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