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抗うつ薬SSRI【うつ病・うつ状態等に使う代表的な抗うつ薬を詳しく説明、精神科医が13分でまとめ】

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0:05 はじめに 0:46 うつ病や抗うつ薬・SSRI等の概略 1:47 SSRIの詳しいメカニズムと効果・副作用 5:10 SSRIの離脱症状と対策 7:59 各論(各種のSSRI5種) 12:07 まとめ うつ病では薬物療法が重要ですが、その中でも代表的な抗うつ薬が今回扱うSSRIです。これは脳内のセロトニンを増やすことでうつ病・うつ状態の改善を図る薬で、パニック障害等にも使う事があります。 精神科医が要点を約13分の動画にまとめています。 出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長) こころ診療所吉祥寺駅前 https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所 https://fuchu-kokoro.com チャンネル登録お願いします https://www.youtube.com/c/こころ診療所チャンネル ↓↓内容の詳細は下記になります。 <はじめに:SSRI> うつ病・うつ状態の治療では薬物療法その中でも抗うつ薬による治療は非常に大事です。その抗うつ薬の中で、現在第1選択とされるのがSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)です。 <総論> (1)うつ病と抗うつ薬・SSRIの概略 まずうつ病ですが、これは落ち込みなど「うつ症状」が目立つ脳の不調です。 脳の不調というのは、主には脳内のセロトニンの不足が関与するとされます。 そのため、脳内のセロトニンを増やす「抗うつ薬」を主に使います。 抗うつ薬は、続けることでうつ病・うつ状態を改善する薬です。 セロトニンを増やすなどして改善をする、効くまでに1から4週、いろいろな薬がありますけど、大体時間がかかります。 様々な種類ありますが、主に使うのが今回扱う「SSRI」です。 SSRI、まず大まかにまとめると、これは代表的な抗うつ薬でして、第1選択で使われることも多いものです。 主に脳のセロトニンを増やし、その結果、うつの改善を図ります。 効くまでが2から4週、初期に吐き気などの副作用が出ることがあります。 (2)脳の神経細胞でのセロトニンの動き では、少し今回は詳しく見ていきたいと思います。 セロトニンの脳の神経での役割を見ていきます。 神経細胞があって一直線じゃなくて、大体間があいています。シナプス間隙という間が空いていまして、その部分は直接ではなくて、脳内の色々な伝達物質を使って伝達していきます。この一つがセロトニンです。 神経細胞が前の方と後の方があって、前の方のところからセロトニンが出る。で、後の方に受容体・受け取るところがあるので、受け取って伝達していくという流れです。 そうするとセロトニンという物質は、そのシナプス間隙・細胞の外にあるわけですけれども、量が多くなり過ぎることがあります。それをバランスを取るために「再取り込み」をするための「トランスポーター」があります。それで再取り込みをして、セロトニンが多くなり過ぎないようにバランスをとっているというのがまず仕組みになります。 (3)うつ病の薬理的背景とSSRIの作用 その中で、うつ病の時の変化ですが、まず1つ目として、細胞の外・先ほどのシナプス間隙のセロトニンが基本的に「慢性的に減っている」という状態。 そうすると脳の状態が変化します。(セロトニンの)受容体が敏感になり過ぎるなど色々ありますけれども、変化をしまして、その結果、うつや不安の症状が出てくるというところが薬理学的には言われます。 SSRIは作用を見ていくと、これは「再取り込み阻害薬」ですけれども、これは先ほどの「セロトニンの再取り込みをするところ」をブロックする。 そうすると、セロトニンが出ても回収されないという状況になるので、結果細胞外のセロトニンが増えるということになります。 SSRIを使った後の変化というのを一回振り返りますと、セロトニン再取り込み阻害・それをすると結果(セロトニンが)回収されないのでセロトニンが増えると、これはもう1日から数日で増えまして、この結果(効果ではなく)副作用が出ることがあります。 そして、さらに時間がたつと、セロトニンが多い状態が続いた結果、脳のバランスが変化をしてきます。慣れてきて変化をしていきます。それが2から4週かかってきまして、ここにおいて効果が出る。こういった順番になってきます。 (4)初期の副作用と、2-4週後の効果 初期の副作用ですが、これはセロトニンが増えて体がまだ対応できていないというところの身体の反応になります。 特に胃腸で反応が出やすく、例えば吐き気や食欲低下などが出てくることがあります。 基本的には数日でいろいろ受容体などが慣れてきまして、こういった初期の副作用は減ってくることが多いです。 続いては効果、脳のバランスの変化による効果というところですけれども、これは2から4週です。メカニズム不明な点もあるんですけれども、言われていることを少し挙げてみたいと思います。 まずは受容体・セロトニンを受け取るところ、さっきの神経細胞の受容体・受け取るところの過敏さが改善されてくるということが言われます。 その結果、神経の新生・神経を生み出すことにかかわるBDNFというのがありますけれども、その上昇などがあって、いろいろなことがあって、脳のバランスが変わってくると。そうしてうつや不安の改善ということが図られるということになります。 (5)離脱症状について ここではあともう一つ無視しちゃいけないものが離脱症状になります。 これは急に抗うつ薬をやめたことによって出る各種の心身の症状です。、めまいであったり、敏感・過敏など様々です。 初日から数日がピークとしてありまして、数週で収まることが多いんですけど、個人差が多いです。 この離脱症状のメカニズムなんですけれども、正直不明の面もあるんですけれども、推測されているところは先程の逆になります。 先程はセロトニンが急に増えて「初期の副作用」が出ましたけれども、今回は「再取り込み阻害」がなくなり、急にセロトニンが減ります。 それによって体が慣れないので、体が反応が起こってくる。一方、慣れてくると見えづらくなってきます。 なお、この(SSRIの)離脱症状は精神的な依存とは異なるものになります。 この離脱症状の予防と対策、一番の対策は急にやめずにゆっくり減らしていく、慣らしながら減らすことです。 離脱症状が起こった場合ですが、基本的には慣れるまで経過観察ですが、症状があまりに強い場合は、減らす前の量に戻すと改善します。 実際、飲み忘れて離脱症状が出る場合がありますがその時は速やかに薬を再開してください。 (6)抗うつ薬の中でのSSRIの立ち位置 効果と副作用の点、効果があって副作用は比較的少ないため、第1選択としてよく使われます。 症状の中でも、特に不安に強く、不安障害圏にも使うことがあります。 一方で、意欲に対してはやや効果弱めな部分が指摘されますので、その場合はSNRIなど別の抗うつ薬を検討する場合があります。 (7)SSRI総論まとめ SSRIは、脳のセロトニンを増やすことで、うつや不安を改善する代表的な抗うつ薬。 セロトニンが増えてから、脳内でバランスが変わる。この2段階の効き方をするために、初期には副作用が目立って時間差で効果が出ます。 そして、急にやめると離脱症状が出るおそれがあるため、減らす時は時間をかけてかつペースもゆっくり減らしていくことが大事です。 <各論> 日本で使えるSSRIは、次の5種類になります。まずは(セロトニン間違いましたね)セルトラリン(ジェイゾロフト)、エスシタロプラム(レクサプロ)、パロキセチン(パキシル)、パロキセチン徐放錠(パキシルCR)、フルボキサミン(ルボックスもしくはでブロメール)。 セロトニン再取り込み阻害ということで、大まかには共通ですが、細かい違いというのはあります。 <セルトラリン(ジェイゾロフト)> これは安全に使うことが期待されるタイプの抗うつ薬です。 うつ病の効果、うつ状態に対しての適応のほかに、パニック障害にも適応があります。少量25ミリから始めまして、徐々に増やし、最大100ミリグラムです。 副作用や離脱症状が比較的少ないという臨床的な印象があります。ただ、少ない量から徐々に増やしますので、効果出るまでに時間がかかる場合があります。 <エスシタロプラム(レクサプロ)> これは早い効果を期待する、社会不安障害にも使う薬になってきます。 うつ病・うつ状態のほか、社会不安障害にも適応があります。原則10ミリグラムとから始めて、最大20ミリ、副作用を減らすためには、5ミリから始める場合もあり得ます。 10ミリから始めると比較的多い量なので、早い効果を期待できるというのがこの薬の強みです。ただ一方、最大量が少なめというのが難点になる場合があります。 <パロキセチン(パキシル)> これは効果・副作用とも強いことが予想される薬。うつ病・うつ状態のほか、パニック症・強迫性障害など広い適応があります。 効果は強いことが期待できる反面、副作用・離脱症状が比較的強く出ることが懸念されます。 使い方としては、他のSSRIがあまり効かない場合に、一種の「切り札」として使うということもあるものになります。 <パロキセチン徐放錠(パキシルCR)> これはゆっくり効果を出すタイプのパロキセチンになりまして、副作用・効果ともややマイルドです。 以前、パロキセチン(パキシル)が有効だった方、でもちょっと副作用があった方に関してはお勧めすることがあるものになります。 <フルボキサミン(ルボックスもしくはデプロメール)> これは最近では、うつ病よりも強迫性障害で使うことが多い薬です。 うつ病・強迫性障害などに適応があるものになります。うつ病での使用ということは減っているという印象がある一方、最近では「強迫性障害」の治療に使われることが多いです。 <実際の使い方> これらこうした(SSRIの)実際の使い方の例ですけれども、安全性を優先する場合に関しては、セルトラリンを使うことが多い。エスシタロプラムを少量から始める場合もあり得るかと思います。 一方、効果の早さを優先する場合であれば、比較的多い量から使えるエスシタロプラムを使いますし、場合によってはパロキセチンも検討。 効果の強さを優先すのときは、先程の切り札的なパロキセチンを使う場合も選択肢としてはあると思いますし、後は他のSSRIに補助薬・アリピプラゾールなど補助薬を一緒に使うというやり方を取る場合もあり得るかと思います。 <全体のまとめ> SSRIは脳のセロトニンを増やすことで、うつや不安を改善する代表的な抗うつ薬になります。 初期に副作用が出ますが、それは慣れてきます。一方効果に関しては2から4週、時間差で出てくるものになります。あと、急に中止をしてしまうと離脱症状が出ますので、そこには注意が必要なものになります。 このSSRI、日本では5種類が使用可能に、薬ごとに一部効果の出方が異なるため、症状や状況などを見て薬を選びます。 こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station) 府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695) #うつ病 #抗うつ薬 #SSRI #セロトニン #パニック障害 【解説者】 医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎 精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医) 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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