◆ピョートルの悲劇/松下倫士 The Tragedy of Pyotr/Tomohito Matsushita〈グラールウインドオーケストラ〉YDOM-F14
大作曲家「チャイコフスキー」の旋律と彼の波瀾万丈な人生の最期をテーマに、名旋律や和声のオマージュが詰まった作品。
ピョートルの悲劇
作曲:松下倫士
The Tragedy of Pyotr
Composed by Tomohito Matsushita
Grade:5
Time:9:00
最小演奏人数:35人
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演奏:グラールウインドオーケストラ
指揮:佐川聖二
第43回定期演奏会(2024年7月15日)よりライブ音源
Performed by Gral Wind Orchestra
Conducted by Seiji Sagawa
《作品紹介/Program notes》
本作は、グラールウインドオーケストラ(第43回定期演奏会)の委嘱作として作曲しました。作曲に向けた打ち合わせの際、「チャイコフスキー作曲の交響曲第6番をテーマに」とのご依頼を頂きましたが、いざ作曲するとなるとなかなか難儀でした。そこで改めてチャイコフスキーについて色々調べたところ、《交響曲第6番ロ短調「悲愴」》が1893年に初演され、その9日後にチャイコフスキーは急死していました。死因は諸説あるようですが、波瀾万丈のチャイコフスキーの人生、特に彼の最期を表現できないかと思い、作曲を進めることにしました。
曲の冒頭は疾走感があり、ロシアの冬、そして孤独のようなものを表現しています。途中には《交響曲第6番ロ短調「悲愴」第1楽章》のモティーフを使った緊張感のある主題が現れます。《交響曲第4番ヘ短調》の冒頭ファンファーレの主題も登場し、音楽が華やかになりますが、その後雰囲気が変わり、《交響曲第5番 ホ短調 第2楽章》の有名な主題で愛を表現します。柔らかさだけでなく、情熱的な表情もあるのが特徴かもしれません。そして後半では、また緊迫した音楽になりチャイコフスキーの栄光と死を表現しています。
チャイコフスキーと言えば、なんと言っても旋律の美しさに魅力がありますが、彼がよく好んで使っていた和音もあり、今回の作品ではそれも意識的に使っています。チャイコフスキーの栄光の陰にはさまざまな挫折や苦悩があり、そういったものが曲を通じて表現できたらと思います。
委嘱して下さった佐川聖二先生とグラールウインドオーケストラの皆様に深く感謝申し上げます。(松下倫士)
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